異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第18章 竜神の日常篇

第214話 力の使い方

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 「コットン様が、話せるように?」

 「まるであの時のリュートみたいだな」

 「こんなこともあるんですね…」

 「しかも、人型になれるとはね…」

 コットンの変化を聞いたみんなの反応はこんな感じだ。

 「まぁそんなわけだ」

 「我の名はコットン。ご主人様を守ることを生き甲斐としている。そなた達もよろしく頼む」

 ん?なんだか、俺よりみんなの扱いが良いような気がする。

 「コットン?何か、俺の時の扱いと違くないか?」

 「貴様は穢らわしい雄であろう?彼女らは清らかなる雌。しかも皆、美しい。貴様と扱いが違うのは当然であろう?」

 とんだ男性差別だ。まぁ、コットンがそういう性分ならば仕方ない。こういった扱いも受け入れなくては。

 「さて、みんな集まったし改めて帰るか」

 「リュート、ちょっと待ってくれ」

 俺が帰ろうとすると、ミラに止められた。

 「ん?どうしたんだ?」

 「大量発生の犯人がまだこの洞窟の奥に居るかもしれない」

 なるほど。確かにその考えは無かった。俺たちは内部にいたモンスターを全て殲滅しただけで、奥の方まで調べてはいなかった。

 「じゃあ、そいつを倒せば全て解決だな?」

 「そういうことになる」

 「ならば、我がそいつを仕留めよう」

 コットンが名乗りをあげる。

 「どうしたコットン?やる気だな?」

 「ふん。貴様やご主人様に我の力を見せるいい機会だからな。ついでに人間の戦い方を身につけておこうと思ってな」

 「なるほど」

 「そういう事だ。よって貴様らの手出しは無用。我が片付ける」

 「大丈夫なの?コットン」

 クリアが心配そうに聞く。

 「はい。大丈夫でございますご主人様。我に任せてください」

 俺たちは洞窟の奥に進む。そこには一体のモンスターがいた。

 「あいつか」

 「そのようだな」

 そこに居たのは普通の奴とは色の違うスケルトンだ。

 種族 魔骨兵・希少種(マージスケルトン・レア)
 rank 317
 
 技能 召喚魔法 魔力自動回復 魔法(闇)

 なるほど希少種か。魔力自動回復と召喚魔法の組み合わせが大量発生を招いたのだろう。

 「貴様達は下がっていろ」

 コットンに言われた通り少し離れて見守る。

 スケルトンはコットンを狙って魔法陣を出現させ、闇魔法を発動させる。

 「甘いわ!」

 その魔法より早く、コットンはスケルトンの背後に回り込む。

 「人間化ヒューマン・トランス!」

 コットンの体が輝き、先程見た美少女が現れる。もちろんだが、何も着ていない。
 スケルトンは自分の周りにゴブリンを二体召喚する。

 「グルルルル!天狼爪フェンリル・クロー

 コットンは素早い動きで動き回り、瞬間的に伸びた両手の爪でゴブリンを引き裂いた。

 「次は貴様だ!天狼牙フェンリル・バイト!」

 コットンは人間の体のまま、スケルトンに噛み付いた。そしてそのまま、バリバリと骨を喰らい、スケルトンは跡形もなく消えた。

 「アオーン!」

 コットンの遠吠えが洞窟に響き渡ったのだった。
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