異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第19章 最強の証篇

第228話 まさかの結末

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 予選Eブロックが始まる。このブロックには俺の知り合いは居ない。爆発的な強さを誇る選手も少なからず居たが、気にならない程度のものだった。激戦の末、勝ち残ったのは獣人の格闘使いだった。

 「さて、次は私の番ね?」

 ローザが、浮き上がりながらいう。

 「あぁ。ローザも頑張ってきてくれ。あまり無茶はするなよ?」

 「大丈夫。私なら行ける」

 ローザは浮遊しながら、フィールドに向かう。

 「カーン!」

 Fブロック、試合の始まりの鐘がなる。

 「取り敢えず、男達には私側に着いてもらおうかしら?」

 フィールドに桃色の霧が溢れ出す。

 「ん?なんだ?」

 「体が…」

 「誘惑洗脳サキュバス・テンプテーション

 ローザは淫魔スキルを使って、フィールドにいる男達を自分の指揮下に置いた。

 「じゃあ潰しあってね」

 「うおぉぉぉぉぉぉ!」

 「ぐあぁぁぁぁぁぁ!」

 男達はお互いに潰し合い、次第に数を減らしていく。

 「ぐっ!魔族か!」

 「なんて恐ろしい力!」

 「その力もここまでだ!」

 残っていた女組が徒党を組んで、ローザの元へ向かう。

 「はぁぁぁぁ!」

 一人の女剣士が、ローザに切りかかる。ローザはなんの抵抗もなく。腕が切れ落ちる。

 「やった!」

 「馬鹿!前をよく見ろ!」

 「えっ?」

 女剣士が切りつけたローザが霧のようになっている。

 「残念。それは分身よ?」

 女剣士から離れた場所にローザが出場する。

 「現れたな本体!これでも喰らえ!水槍アクアランス!」

 女魔法使いが、水魔法で作った槍をローザの背後から嗾ける。

 「甘いわ!」

 ローザはその槍に触れる。

 「魔力吸引マナドレイン

 水魔法はローザに吸われて消えた。

 「魔力ご馳走様。これで終わりにしてあげる」

 フィールド中が、ピンクの霧で見えなくなる。

 「最高の夢をあなたに。淫夢ナイトメア

 バタバタ!フィールド中の人々が眠りにつき倒れていく。そして、ローザだけが残った。

 「やった!私の勝ち!」

 「なんて技だ!」

 「これが噂の魔族の力か!」

 「さて、これで私も本戦に…」

 すると、観客達が何かを見つける。

 「ん?なんだアイツは!」

 「一人無事な奴が居るぞ!」

 霧が晴れていき、フィールド中の選手達が倒れている。その中の一人が何故だか立っていた。その謎の人物はフード付きのローブを着ており、性別すらもわからない。

 「嘘?私の能力を喰らって無事な訳が…」

 その瞬間、目の前の謎の人物が右手をあげる。

 ガクン!

 「何?」

 ローザの体から力が抜けていく。

 「えっ!」

 ローザは空中に浮遊していたが次第に高度を落としていく。

 「何で?何で飛べないの?このままでは、落ちる!」

 ローザは抵抗するが、為す術なく落下し、地面に激突する。ローザは頭を打ち、そのまま気絶した。

 「おいおい!マジかよ!」

 「あの感情的な色彩が負けたのか!」

 「アイツ何者だ!」

 Fブロックは波乱の展開で幕を閉じた。勝ち残ったのはローザではなく、謎の人物だった。
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