異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第19章 最強の証篇

第231話 ダークホース

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 「やったよ!リュート見てた?」

 クリアが嬉しそうに戻って来た。

 「あぁ、もちろんだ。頑張ったなクリア」

 取り敢えず、クリアの頭を撫でておく。

 「ムッ」

 コットンに睨まれるが無視する。

 「残るブロックもあと二つですわ」

 「次はIブロック、ルージュの番だ」

 「はい。先生、私頑張ります」

 「あぁ。ルージュなら決勝に進めるさ」

 ルージュがフィールドに向かう。

 「よし。私も頑張らなきゃ…」

 「カーン!」

 予選開始の合図がなる。このブロックも、比較的平和なブロックで、フィールドのあちこちで、戦いが勃発している。

 すると、ルージュの元にガタイのいい男戦士が立ちふさがった。

 「お嬢ちゃん?君のような弱そうな奴が出る大会じゃないんだよ」

 「私をあまり舐めないでください!水魔法・三式。決壊する水塊デストラクション・ウォーター!」

 「何ぃ!」

 男戦士は急に目の前に現れた大波に巻き込まる。大波は止まることなく流れ、他の選手達も巻き込まれ、フィールドの端まで流された。

 「ぶはっ!一体誰の仕業だ!」

 「こんな大量の水を召喚できるなんて…」

 魔法が放ち終わり、選手達の足元くらいまで水位が下がる。

 「リュートさんを待たせるわけにもいきませんし、決着をつけましょうか」

 「隙ありだ!俺の取っておきの魔法を喰らわせてやる!合成魔法ユナイトマジック熱暴風フレアウィンド!」

 突然、ルージュの背後から魔法使いの男が現れた。その男は火と風の属性を合成して物凄い熱の突風を放つ。

 「熱い!」

 「こっちも熱い!」

 熱風はかなりの広範囲で、他の選手たちにも被害を与える。

 「はは!このまま、フィールド中の奴らをまっ黒焦げにして俺の勝ちだ!」

 飛んだダークホースが居たものだ。どうやらあの魔法使いはかなり魔法に長けているようだ。

 「なかなかやりますね。でしたら、こちらもそのように対抗させていただきますね?」

 ルージュが杖を構える。ルージュの足元に巨大な魔法陣が出現する。その魔法陣の大きさはフィールド全体に及ぶ。

 「何をするのか知らないが、無駄だ!俺の魔法でお前も再起不能だ!」

 「擬似魔法考案。範囲指定。威力指定。消費魔力指定」

 ルージュはこの場で新たな魔法を作り始めた。

 「出来ました。この一撃で終わらせますよ?」

 「やれるものならやってみろ!」

 「擬似氷魔法・最終式、氷獄ニヴルヘイム

 その一瞬でフィールドは氷の世界と化した。

 「は…」

 「一体何が…」

 観客達もあまりの光景に言葉を失っている。

 「あっ…やりすぎましたかね?すぐ解凍しますね。炎魔法・最終式。煉獄プルガトリオ

 氷が炎により瞬間的に溶け、水蒸気爆発が発生する。選手達は爆風で気絶し、フィールドに残って居たのはルージュのみだった。
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