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第19章 最強の証篇
第232話 闇からの刺客
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予選Iブロックはルージュの勝利で幕を閉じた。
「すみませんリュートさん。私、結構やりすぎちゃったみたいで…」
「まぁ死人は出てないんだから気にしないで」
実際ルージュの魔法の被害はどのブロックよりも多く、怪我人も多かった。
「みんなそれを覚悟の上でこの大会に出てきたんだ。ルージュは試合に勝った。それでいいんじゃないか」
「そう…ですね…」
ルージュは自分の魔力を制御しきれなかった事を少し悔やんでいるようだ。きっとこういった体験が、ルージュを強くしていくものだと思う。
「さて、最後は俺の番か」
「頑張ってねリュート」
「あぁ、もちろんだ」
みんなの応援を背にフィールドに向かう。予選最後の試合Jブロックの選手達がフィールドに集まる。その数、約500名。前回の闘技大会の総選手数に匹敵する数だ。
辺りを見渡してみる。屈強な戦士から、熟練の兵士まで様々な人達が集っている。男性だけではなく女性の姿もチラホラ見られる。それでもやはり、男性の方が多く、男女比は7対3と言ったところだ。
「おお!ムガの勇者が来たか!」
「キャー!リュート様ぁー!」
相変わらずの人気ぶりだが、勇者なりたての俺はそこまで知名度も高くない。アイティオや、ユリウスには劣る。
開始の合図がなるまでフィールドに待機する。すると、隣りの男性から声をかけられる。よく見ると怪しげな格好をしている。
「なぁあんた?リュートって奴はどいつだか知ってるか?」
恐らくだが俺のことだろう。しかし、一体何故そんなことを聞きたがるのだろうか。
「どうしてそんなことを聞くんだ?」
「へっ、兄さん知らないのか?リュートって言う奴を殺せば、莫大な賞金が手に入るんだぜ?」
何だと?一体誰がそんな事を?
「誰の指図だ?」
「俺は当事者じゃないから詳しくは知らないが闇社会で生きる闇の住人達の間にズタボロの人物が現れて言ったんだ。『リュートという奴を殺せばこいつをやろう』と。そのこいつというのが、金板1000枚だ。その賞金に目が眩んだ奴らがこの大会に紛れているそうだ。かくいう俺もその賞金狙いでこの大会に参加したんだ。どうせ、決勝までは勝ち上がれないなら、一人を殺して金を得ようという魂胆さ」
こいつはバカなのか、不用心なのか、あろう事か本人の前で壮大な計画をベラベラと話した。闇の世界に現れたズタボロの人物だと?一体誰なんだ?
「カーン!」
そんな中、試合開始の鐘がなる。あちこちで、戦いが始まる。
「で?兄さんはリュートって言う奴を知らないのか」
「知ってるぜ」
「おお!そうか!さっきの情報量だと思って教えてくれよ。今から一緒にそいつを殺しに行こうぜ?手伝ってくれるなら少しくらい賞金を分けてやってもいいぞ?」
「リュートは俺だ」
「はっ?」
「こういった奴らに巻き込まれて死人が出ると大変だな…他にもめんどくさい奴も混じっているようだし、一気に終わらせるか…」
「て、テメーがリュートか!クソ!情報を与えちまったか!まぁいい、死ねぇ!」
闇の世界からの刺客はリュートにナイフで飛びかかる。
ブゥゥゥン!リュートから何かが放たれる。
ドサッ!ドサッ!その気に触れたものは誰一人として意識を保つことは出来なかった。リュートの正面にいる刺客を除けば。
「な、何だ?」
刺客はあまりの迫力にナイフを落とす。当たりを見渡すと自分と目の前の男以外誰も立っていなかった。
「テメー!何しやがった!」
「神圧を発動させただけだ。お前は対象から外しといたから安心しな」
「!?」
この時、刺客は理解した。自分はたまたま気まぐれで見逃されていただけという事に。こいつは本気を出せば、自分の事など指を動かさずとも倒せる事に。
「ひ、ひぃ!ば、化物!」
闇の世界からの刺客は腰が抜け、尻もちをつきながら後ずさる。
「何だ。闇の世界の住人ならちょっとは歯ごたえあると思ったんだけどな。まぁいいや消えろ」
リュートは右手を刺客の顔面に向ける。右手から魔法陣が展開される。
「あっあぁぁぁぁ!」
パァン!リュートの前で小さな花火が爆発した。もちろんなんの害もない。
ドサッ!刺客はあまりの恐怖で気絶した。
「恐怖で気絶したか。情けない奴だな」
そして、フィールドに立っているのは、俺だけになった。
「うおぉぉぉ!」
「ムガの勇者、すげぇぞ!」
一分にも満たない時間でJブロックは幕を閉じたのであった。
「すみませんリュートさん。私、結構やりすぎちゃったみたいで…」
「まぁ死人は出てないんだから気にしないで」
実際ルージュの魔法の被害はどのブロックよりも多く、怪我人も多かった。
「みんなそれを覚悟の上でこの大会に出てきたんだ。ルージュは試合に勝った。それでいいんじゃないか」
「そう…ですね…」
ルージュは自分の魔力を制御しきれなかった事を少し悔やんでいるようだ。きっとこういった体験が、ルージュを強くしていくものだと思う。
「さて、最後は俺の番か」
「頑張ってねリュート」
「あぁ、もちろんだ」
みんなの応援を背にフィールドに向かう。予選最後の試合Jブロックの選手達がフィールドに集まる。その数、約500名。前回の闘技大会の総選手数に匹敵する数だ。
辺りを見渡してみる。屈強な戦士から、熟練の兵士まで様々な人達が集っている。男性だけではなく女性の姿もチラホラ見られる。それでもやはり、男性の方が多く、男女比は7対3と言ったところだ。
「おお!ムガの勇者が来たか!」
「キャー!リュート様ぁー!」
相変わらずの人気ぶりだが、勇者なりたての俺はそこまで知名度も高くない。アイティオや、ユリウスには劣る。
開始の合図がなるまでフィールドに待機する。すると、隣りの男性から声をかけられる。よく見ると怪しげな格好をしている。
「なぁあんた?リュートって奴はどいつだか知ってるか?」
恐らくだが俺のことだろう。しかし、一体何故そんなことを聞きたがるのだろうか。
「どうしてそんなことを聞くんだ?」
「へっ、兄さん知らないのか?リュートって言う奴を殺せば、莫大な賞金が手に入るんだぜ?」
何だと?一体誰がそんな事を?
「誰の指図だ?」
「俺は当事者じゃないから詳しくは知らないが闇社会で生きる闇の住人達の間にズタボロの人物が現れて言ったんだ。『リュートという奴を殺せばこいつをやろう』と。そのこいつというのが、金板1000枚だ。その賞金に目が眩んだ奴らがこの大会に紛れているそうだ。かくいう俺もその賞金狙いでこの大会に参加したんだ。どうせ、決勝までは勝ち上がれないなら、一人を殺して金を得ようという魂胆さ」
こいつはバカなのか、不用心なのか、あろう事か本人の前で壮大な計画をベラベラと話した。闇の世界に現れたズタボロの人物だと?一体誰なんだ?
「カーン!」
そんな中、試合開始の鐘がなる。あちこちで、戦いが始まる。
「で?兄さんはリュートって言う奴を知らないのか」
「知ってるぜ」
「おお!そうか!さっきの情報量だと思って教えてくれよ。今から一緒にそいつを殺しに行こうぜ?手伝ってくれるなら少しくらい賞金を分けてやってもいいぞ?」
「リュートは俺だ」
「はっ?」
「こういった奴らに巻き込まれて死人が出ると大変だな…他にもめんどくさい奴も混じっているようだし、一気に終わらせるか…」
「て、テメーがリュートか!クソ!情報を与えちまったか!まぁいい、死ねぇ!」
闇の世界からの刺客はリュートにナイフで飛びかかる。
ブゥゥゥン!リュートから何かが放たれる。
ドサッ!ドサッ!その気に触れたものは誰一人として意識を保つことは出来なかった。リュートの正面にいる刺客を除けば。
「な、何だ?」
刺客はあまりの迫力にナイフを落とす。当たりを見渡すと自分と目の前の男以外誰も立っていなかった。
「テメー!何しやがった!」
「神圧を発動させただけだ。お前は対象から外しといたから安心しな」
「!?」
この時、刺客は理解した。自分はたまたま気まぐれで見逃されていただけという事に。こいつは本気を出せば、自分の事など指を動かさずとも倒せる事に。
「ひ、ひぃ!ば、化物!」
闇の世界からの刺客は腰が抜け、尻もちをつきながら後ずさる。
「何だ。闇の世界の住人ならちょっとは歯ごたえあると思ったんだけどな。まぁいいや消えろ」
リュートは右手を刺客の顔面に向ける。右手から魔法陣が展開される。
「あっあぁぁぁぁ!」
パァン!リュートの前で小さな花火が爆発した。もちろんなんの害もない。
ドサッ!刺客はあまりの恐怖で気絶した。
「恐怖で気絶したか。情けない奴だな」
そして、フィールドに立っているのは、俺だけになった。
「うおぉぉぉ!」
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一分にも満たない時間でJブロックは幕を閉じたのであった。
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