異世界を統べるのは人ではなく竜だ

第19章 最強の証篇

第233話 組み合わせ

　俺の勝利で予選の幕は閉じた。試合を終え、みんなの元へ戻る。

　「流石だねリュート」

　「まぁな」

　「いよいよ本選が始まるのか」

　「そうですね」

　「私の分も頑張ってね…」

　「あぁ。もちろんだ。ローザの分まで頑張るさ」

　そんな会話をしていると、ユリウスから呼び出しがかかる。本選の組み合わせを決めるらしい。フィールドの中心に舞台が用意され、そこで組み合わせを決めるようだ。

　「皆さんお集まり頂きましたか？」

　舞台の上に勝ち残った十人が集結した。

　「では各自、こちらのくじを引いてください。くじには番号が書いてあります。同じ番号になったもの達が戦います」

　なるほど。単純で簡単な分け方だ。分かりやすくていい。

　「じゃあAブロックの勝者、コットンさんから引いてください」

　「ふん。人間の雄に命令されるのは癪だが、仕方ない」

　「えっと…リュートさん？僕、何か嫌われるようなことしました？」

　「あぁ、気にしないでくれ、コットンはこんな感じのやつだから」

　「は、はぁ…」

　「我の番号は1だ」

　「ありがとうございますコットンさん。コットンさんは第一試合に決定です。続いてサレナさん、こちらを引いてください」

　「はい。引かせて頂きますわ。私の番号は…4ですわ」

　「サレナさんは第四試合に決定です。続きまして、ミラさん。こちらを」

　「あぁ。私の番号は…5だ」

　「ミラさんは第五試合に決定です」

　「次はあたしだね？くじを寄越しな。どれどれ…あたしの番号は…1だね」

　「むっ？我の相手は貴様か」

　「アイティオさんが1を引いたので第一試合の二人が決まりました。お次はエストさん」

　「は、はい！」

　Eブロックの勝者は緊張しているのか動きがカチカチだ。

　「わ、私は2です」

　「ありがとうございます。エストさんは第二試合です。お次はミスターKさん」

　「…」

　ローザを倒した謎の人物はミスターKと言うらしい。ミスターという事は男性なのだろう。

　「…」

　ミスターKはユリウスに番号を見せる。

　「ミスターKさんは2ということで、エストさんとの対決です」

　「ええっ！私がカナ…」

　「！？」　

　ミスターKが慌てたような仕草でエストに近づく。

　「あっすみません。ミスターKさんと戦うなんて…」

　どうやらあの二人は知り合いのようだ。
　
　「次は僕ですね。僕の番号は3ですね」

　ユリウスがくじを引いた。

　「じゃあ私、引くよ？」

　クリアがくじを引く。

　「私の番号は5だよ」

　「おっ？私の相手はクリアか。お互い頑張ろうな」

　「そうだね。ミラには負けないよ」

　「それではルージュさん。お次のくじを。リュートさんは最後に余ったくじになります」

　「あぁ。ルージュ、好きに引いてくれ。俺は誰が相手でも大丈夫だ」

　「じゃあ引きます…4です！」

　「では、私とですわね。よろしくお願いしますわルージュ様」

　「はい。負けませんよ！」

　一応余ったくじを引いたが書いてあった番号はもちろん3だった。

　「で、俺の相手はお前かユリウス？」

　「リュートさんと本気で戦えるなんて…今から楽しみですよ」

　こうして、組み合わせが決まった。これから白熱した本選が始まろうとしていた。