異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第19章 最強の証篇

第235話 第三試合

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 第一試合、第二試合が終わり、第三試合が始まろうとしていた。

 俺はフィールドに、ユリウスと向かい合って立っていた。

 「うおー!あの勇者王とムガの勇者の戦いだ!」

 「これは見逃せない戦いになりそうだ!」

 観客達も期待でボルテージが上がっている。

 「いよいよですねリュートさん」

 「あぁ、そうだな」

 嘗て、手合わせと称し、ユリウスと一戦交えたが、場所が場所だけにお互い本気を出す前に止められてしまった。幸いにもこの闘技場のフィールドは広い。割と本気を出しても大丈夫なのかもしれない。

 「いやぁ楽しみですね!あのリュートさんと本気で戦えるなんて!」

 ユリウスのテンションも今まで見たことがないくらいに高い。実際俺も戦いたくてウズウズしている。やはり、ユリウスと俺は同じタイプなのかもしれないな。

 「カーン!」

 試合開始を告げる鐘が鳴る。

 「じゃあ、行きますよリュートさん!」

 視界からユリウスが消える。

 「後ろか!」

 キィン!咄嗟に刀を抜き、ユリウスの剣を防ぐ。再び視界からユリウスが消え、左右前後から光速の連撃を浴びせてくる。

 「流石はリュートさんだ。全く当たりませんね」

 「今度はこっちから行くぜ?」

 俺の周りに七つの魔法陣が展開する。

 「あの技ですか?その技は既に見切って…」

 リュートの体の周りにあった魔法陣が全てユリウスの方を向く。

 「魔法光線砲マジック・レーザーカノン!」

 今回の魔法はユリウスに放った全魔法爆裂オールマジックバーストではなく、各属性魔法を圧縮して光線を放った。

 「そんなもの!」

 レーザーは真っ直ぐユリウスを目掛けて飛んでいく。ユリウスはレーザーの軌道を見切って当たらないように回避する。

 「甘い!」

 レーザーは、ユリウスを追跡して曲がった。

 「何ですと!」

 ズガガガガガガガ!七つのレーザーがユリウスの体に降り注いだ。

 「ふぅ。危なかった…恐ろしい魔法をお持ちですね?僕じゃなかったら無傷じゃすみませんでしたよ?」

 ユリウスの体は、眩く発光する鎧のようなものに守られていた。

 「装光シャイン・アーマーの発動が遅れていたら危なかったですね」

 なるほど。光の鎧か!光の勇者はそう言った芸当もできるのか。

 「次は僕の番ですよ!」

 再び視界からユリウスが消える。

 「天の光、地の光よ。輝け、煌めけ。この世を照らすは無限の光!」

 ユリウスは上空に移動して、剣を掲げて詠唱していた。ユリウスの剣に光が収束していく。

 「勇光シャイン・ブレイブ!」

 剣を振り下ろすと、神々しい光の柱が降り注いでくる。そこら辺の魔族くらいなら蒸発しそうな熱量だ。

 「さぁリュートさん?これならどうしますか?」

 眩い光が晴れ、光の中から人影が現れる。

 「やるなユリウス!だが、俺には届かない!」

 黒アーマー姿のリュートが現れた。

 「それがリュートさんの本気の姿ですか?」

 「さぁ?それはどうかな?第2ラウンドと行こうぜ?」

 竜神対勇者王の戦いは熾烈を極めていく。
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