異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第19章 最強の証篇

第236話 竜神と勇者王

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 「その姿は一度見ていますが、それが本気の姿ではないことは想像が着きますよ!」

 「行くぞユリウス!創成クリエーション・チェーン!」

 突然現れた鎖が、ユリウスの身動きを取れなくする。

 「そんな魔法もあるんですね」

 「日輪よ、焼き尽くせ」

 リュートの手元に魔銃コロナが現れる。

 「次元弾ディメンションバレット!」

 大量の弾丸が動けないユリウスの元へ飛んでいく。

 「壁光シャイン・ウォール

 突如現れた光の壁は弾丸を全て取り込み、消えた。

 「はぁ!」

 鎖を引きちぎり、切りつけてくる。それを刀で抑える。

 「やるなユリウス!」

 「そちらもですよリュートさん!」

 キィン!キンキン!しばらく一進一退の剣と刀の打ち合いが続く。
 
 「付与エンチャント・次元!」

 「EX魔法もお持ちでしたか、流石ですね!」

 次元を纏った刀で切りつけるが、ユリウスはビクともしない。ユリウスの光が俺の次元に勝っているようだ。ユリウスに次元操作は効かない。

 「そろそろギアを最大まで上げましょうか!」

 ユリウスの体から光が溢れ出す。俺は咄嗟に離れる。

 「行きますよ、神剣・レディエンス。神器全開ディバインウェポン・フルオープン!」

 剣が自ら光を放ち始める。その姿はまるで恒星のようだ。

 「今から僕の技は全て一味違いますよ?」

 目の前に一気に距離を詰められ、光の速さで体当たりされる。

 「ぐっ!」

 あまりの重さに吹き飛ぶ。

 「逃がしませんよ!」

 既にユリウスは先回りをしており、眩く輝く剣を構えていた。

 「斬光シャインスラッシュ臨界クリティカル!」

 ズバァ!鎧を貫通し、腹部が切り裂かれる。

 「がはぁ!」

 「そして、落光シャインフォール臨界クリティカル!」

 光の重さで地面に叩きつけられる。

 「どうですか?リュートさん!」

 ユリウスはリュートを吹き飛ばして言う。

 「リュート!」

 「嘘…リュート様が…」

 「そんなことがあるのか…」

 色彩のメンバーも、リュートの負傷に驚きを隠せない。

 「はぁはぁ…いってぇ…」

 腹がバックリ斬られた。間違いなく俺じゃなかったら致命傷だ。ここまでのダメージを受けたのは初めてだ。間違いなく、ユリウスが今まで出会って来た中で一番の強敵だ。

 「もう立ち上がれないみたいですね…勝者は僕ということで…」

 「待てよ」

 ボロボロのリュートが立ち上がる。

 「リュートさん。あまり無理をしないでください」

 「無理なもんか…まだ俺は本気を出てないぜ?」

 クリア、サレナ、ミラ、ルージュ、ローザ、コットン。アイティオにスプラ。それに俺を信じてくれるムガ王国の人達。みんながいる限り、俺は…負けない!

 『覚醒アウェークニング承認。覚醒を開始します』

 「ユリウス。見せてやるよ…俺の本気!」

 バキバキバキ!体の至る所がひび割れていき、体が変化していく。

 『覚醒が完了しました』

 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 激しい咆哮に、流石のユリウスも後ずさりする。

 「なんて力何だ…」

 「行くぞユリウス!」

 リュートが一瞬でユリウスの目の前まで移動する。

 「は、速…」

 「蹴怒アンガーシュート

 ユリウスは、上空に蹴り上げられる。

 「無駄です!僕の鎧は破れません!」

 「それはどうかな?」

 リュートの体中の刺青が発光し、右腕に収束していく。

 「こいつで終わらせてやるよユリウス!」

 「不味い!この強大な力は!」

 「壊怒アンガーブレイク!」

 バキバキバキ!リュートの右手で光の鎧が粘土のように歪み砕ける。その右手でユリウスの顔面を掴む。

 「ぐっ!」

 「焉怒アンガーエンド

 ドッゴォォォン!リュートはそのまま地面にユリウスを叩きつけたのだった。
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