異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

文字の大きさ
304 / 529
第20章 終わる日常篇

第242話 竜神を呼びし者

しおりを挟む
 ナフに案内された扉に入る。

 「こ、これは!」

 部屋の中は巨大なモニタールームになっていた。そのモニターには俺が住むムガ王国の景色や、アイティオ達がいるサラマ王国、果てには俺も知らないどこかのダンジョンなど、様々な場所がモニターに写し出されていた。

 「ようこそ。リュート君」

 モニターの前に誰かが居た。しかも、俺の名を知っている。

 「俺を呼んだのはあんたか」

 「そうだよ」

 そこに居たのは白い羽が四枚背中に生えている、金髪の男性だ。

 「僕の名前がわかるかな?」

 「知らん」

 「ふむふむ。知らないという事はやはり君はこの世界の人物では無いという可能性がありますね…」

 何だと…。こいつはこの世界の住人にとっては当たり前の人物なのか?

 「僕の名前はアルト。この大陸の創造者です」

 !?大陸の創造者だと?つまりこいつはこの世界の中でもトップクラスの神か!しかし、そんな神が俺に一体何の用だ?

 「急に黙ってどうしたの?僕の考えを読もうとしているのかな?」

 流石は上位神。心など容易く読まれる。
 
 「君は以前何者かから招待を受けましたね?それに、君は人型に進化するのを何者かにアシストされたはずです。そのどちらもが僕の仕業です」

 あの時のか!あの時の『???』はアルトという訳か。

 「君が招待を受けないことは予想していた。だから、今回はこのような手段を取らせて頂きました」

 「何が目的だ?」

 「端的に言わせて頂きますと、君に神に成って貰いたいのです」

 「俺を神に?」

 「はい。君の力はもはやこの世界でも類を見ないほどの高みへ到達しているはずです。もはや魔界の王すら歯が立たない。そんな力を持った人物が地上に残り続けるのは人間のレベルを根本から揺るがす事態になりかけない。既に事例は発生しています。君と関係を持った人物は私が管理してきた中でも特に異常な強さを身につけています」

 サレナ達の事か。確かに彼女らは並の人間達より遥かに強い。

 「これ以上君の好き勝手に付き合い、僕が統率してきたバランスを壊して欲しくは無いのでね。君にはこちらに移り住んでもらいます」

 「断ると言ったら?」

 「君がそう言うことを見越して、既に対策は準備してありますよ」

 「対策?」

 そう言うと、アルトは指をならす。すると、アルトの隣に眠りについたクリアが現れた。

 「僕の言う通りにしてくれないと、彼女の首が飛びます」

 ブチッ!どうやら、こいつは俺が一番嫌いなことを分かっているようだ。

 「テメェ…」

 「お怒りですか?君が僕に従わないからですよ」

 俺の怒りを爆発させる時が来たのだった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

処理中です...