異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第二部 第1章 リスタート篇

第14話 空き家

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 ミハエルが拠点に戻りしばらくの時間が経った。

 俺とクリアは今のうちに今夜休める場所を探すことにした。それはすぐに見つかった。辺りを探索していると、一軒の家を発見する。

 「あっ。リュート!家があるよ」

 「あぁ。そうみたいだな」

 こんな辺境の地にも家があるのか。その家に近づくと違和感に気づく。木でできたログハウスのような家なのだが、手入れがされている様子はなく、辺りにはに雑草がボーボー生えている。

 「なるほど空き家か…」

 人が住んでいないことは容易に想像できた。しかし、この家はそれだけでは無かった。

 「ガルル…」

 家の扉が開きっぱなしになっており、中から狼のようなモンスターが姿を現した。

 「やっぱりモンスターの住処になってたか…クリア、下がっててくれ」

 ジャキン!リュートの体の棘が展開する。

 「ガルルル…ガルゥゥゥ!」

 狼型モンスターは、すぐ様俺に飛びかかり、噛み付こうとしてきた。

 「甘い」
 
 リュートはそれを回避し、カウンターとばかりに右腕の棘をモンスターの腹部にぶち込む。

 「ギャウン!」

 狼型モンスターは痛みで地面を転がる。もちろん棘は攻撃がヒットしたと同時に手から分離していて、現在はモンスターの腹部に刺さりっぱなしだ。

 「今夜の飯だ。爆破デトネイト!」

 小規模な爆発でモンスターは丸焼きになった。そして、リュートの棘が引っ込む。

 「よし、中を調べよう」

 家の中を探索してみる。床に物は散らばり、汚れてはいるが、傷や腐敗はあまり見当たらない。ここなら立派な拠点になるだろう。

 そんなこんなでクリアと協力して部屋の掃除をしていたら約束の時間になった。ミハエルと別れた地点へ戻る。

 「暗いな…」

 「大丈夫かなミハエルさん…」

 あたりは既に薄暗くなり始めていた。

 「おっ!いたいた!すまないな、待たせてしまって」

 ミハエルはランプのようなものを持って現れた。

 「大丈夫さ、気にしないでくれ。それより拠点を見つけたからそこで話そう」

 俺はさっき見つけた拠点にミハエルを案内した。先程の事も同時に説明する。

 「へぇ…こんな所に住んでいた人が居たんだな…」

 「確認したいんだが、勝手に住んでも大丈夫か?」

 「あぁ、多分大丈夫だと思う。モンスターが住み着く程放置されているんだ。もう持ち主は死んだかどこかに移住したと考えられる」

 「それならよかった。じゃあ適当に座ってくれ」

 「あぁ」

 家に入り、クリアとミハエルは椅子に座る。俺が座れるような椅子は無いので、少し高い台の上に乗り、そこに座る。

 「では、まずこちらから質問していいか?」

 「あぁ。なんでも聞いてくれ。わからないこと以外なら答えるよ」

 「じゃあ、ここはどこだ?」

 リュートによる情報収集が始まった。
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