異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第二部 第1章 リスタート篇

第15話 大陸の名は

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 俺はミハエルとの情報交換を始める。

 「ここはどこだ。か…」

 「なぜ黙り込むんだ?」

 「薄々そんな感じがしていたが、君たちはこの辺りの者では無いようだね」

 「まぁな。だから、情報が欲しい」

 「わかった。まず、この世界はセラムという」

 それは知っている。俺が知りたいのはここがなのかだ。

 「そして、俺たちが暮らすこの大陸はエル大陸と呼ばれているんだ」

 俺達がいたアル大陸がRだとすると、この大陸はL。つまりここは左大陸ということか。

 「なるほど」

 「そしてこの辺りは大陸の西側で、先程君たちが戦った、翠怠竜グリーンドラゴンのナワバリ近くでもあり、中々人は近寄らない未開拓の地帯だ」

 なるほど、あの手付かずのジャングルのような森や俺たちが漂流した砂浜はまだ発見されていない可能性が高いな。

 「具体的な国や地理を教えてくれ」

 「あぁ。この大陸には大小含め様々な国がある。その中で七つの大国が、領土を取り合っているといった感じだな。西側のこの辺りはベルデ王国が一番近いだろう」

 右大陸は主な五つの国(今は三つ)と、いくつかの小国で成り立っていた。それと似たような感じだろうか。

 「そして、これが一番大事な事だが、各大国の領土内には七色の罪竜セブン・シンズの縄張りがあるんだ」

 「七色の罪竜?」

 「そうだ。膨大な力を持った凶悪なドラゴン達の総称だ。君が戦った翠怠竜もその一角だ」

 なるほど。各地に点在するボスキャラみたいなものか。いい経験値になりそうだ。

 「で、そのドラゴン達の力は物凄く強大で、今までいくつもの討伐隊が結成されては壊滅した。よって各国の王たちは正式な討伐を諦め、冒険者や勇者に討伐を依頼するようになった。ちなみに俺とアグノラも冒険者で、今回は翠怠竜の調査に来た訳さ」

 この大陸にも勇者は存在しているようだ。どんな奴がいるんだろうか。いつか会ってみたいものだ。

 「ありがたい情報だ。恩に着る」

 「では、そろそろそちらの事もお聞きしたいのですが」

 「わかった。何が聞きたい?」

 「そうですね…。では、あなた達は何者でどこから来たんですか?」

 直球な質問だ。だが、嘘を言っても仕方が無い。正直に応えよう。

 「改めて自己紹介から入るが、俺の名はリュート。こっちの少女はクリアという。俺たちはアル大陸からこっちの、エル大陸に漂流してきたんだ」

 「アル大陸ですか!伝承だけが残る未発見の大陸じゃないですか!」

 何だと?右大陸はまだ未発見の大陸なのか?

 「未発見なのか?」

 「はい。こちらの大陸の右の海を進みますと、別の大陸があることは発見されましたがしかし、それはアル大陸ではありませんでした。やはり未開拓の西側に船を進めないと見つからないのかもしれませんね」

 どうやらこの大陸はアル大陸より、造船技術が発達しているようだ。これならみんなの元に帰ることも出来るかもしれない。みんなの元に帰る希望が見えたのであった。
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