異世界を統べるのは人ではなく竜だ

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第3章 爆剣鎧竜の探索篇

第33話 変化

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 ダンジョンのボスの甲冑は跡形もなく消し飛んだ。

 「よし、これでダンジョン攻略も完了だ。後は変化するだけだな」

 外に通じる扉に入り、ダンジョンから脱出する。

 「オリアナ、変化の杖を貸してくれ」

 「はい。どうぞー」

 オリアナが持っていた変化の杖を受け取る。

 「さて、早速人間に…」

 待て?どうやって使うんだこれ?

 「な、なぁ。これってどうやって使うんだ?」

 「リュートが知らないことなんて知らないよ」

 「私も知りませんよ?」

 しまった…こんなことならミハエルに使い方を聞いておくんだった。

 杖の使い方がわからず、試行錯誤していると、

 「おっ!やっぱり居た!!」

 「うっひょー!あのねーちゃんとんでもねぇ体してるぜ!あれはかなりの上玉だ!」

 「あっちのガキも売れば高く値がつきそうだな?」

 明らかに盗賊といった見た目をした二人組が近づいてきた。それに、情報通りだと?こいつらはどこかで情報を仕入れてここにやってきたのか?

 「あ、あの人たち…私とオリアナを…?」

 「何やら危ない雰囲気ですねー…」

 二人が俺の影に隠れる。

 「あぁ?なんだそのモンスター?そいつが守ってくれるとでも?」

 「安心しなよお二人さん。俺たちとイイことするだけだぜ?」

 下品な笑いを浮かべた二人は二人にさらに近づこうとする。

 「おい、お前ら!今引き返すなら、まだ多めに見てやるぞ?」

 「なっ!このドラゴン喋りやがった!」

 「へっ!こいつは良い!こいつも捕まえて売り飛ばせば良い値段になりそうだ。ガキとドラゴンは痛めつけて売り飛ばそう」

 「おっ?つまりあっちの女は?」

 「俺らで散々楽しんだ後、適当に売り飛ばせばいいだろう」

 「流石!やることえげつないぜ!」

 盗賊二人は未来を想像して、盛り上がっている。

 「忠告はしたぞ?」

 ザクザク!盗賊二人の手足に剣が突き刺さる。

 「ぎゃあぁぁぁ!」

 「痛てぇぇぇぇ!」

 二人はあまりの痛さに気を失った。

 「大丈夫。殺してはいない。さっさと変化してこの場から離れよう」

 変化の杖を構える。適当に思いついた詠唱をする。

 「変化チェンジ!」

 リュートの体が霧に包まれ、そこから黒髪の男性が現れる。アル大陸程の立派な体つきではないが、それなりにいい身体をしている。

 「よし!成功だ!」

 「リュート…かっこいい…」

 「かっこいいですー」

 二人の反応を見るに、顔もそれなりに良いようで、よかった。これで、少しの自信にはなる。

 「よし、これで街に入れるぞ!」

 「早速行くの?」

 「あぁ!近くの街に行こう!」

 リュート達は街の方向に歩き出したのだった。

 「…あのダンジョンを突破して、しかも、あの盗賊コンビを倒すなんて…。侮っていたわリュート…」

 そのリュートを見つめる一人の女の影があった。しかし、リュート達はそんなことを知る由もなかった。
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