異世界を統べるのは人ではなく竜だ

第8章 自国の強化篇

第96話 兵士たち

　サレナ、ミラ、ルージュ、ニナの四人は兵士を集めるために、兵士たちの集う予定の兵舎に来ていた。

　「誰もいませんね…」

　「まぁそうだろうな」

　この国はリュートが統治してからあまり時間がたっていない。国として成立していくのはこれからのことになるだろう。

　「さて、これからどうしますか」

　「そうだな…」

　この国はまだ兵士は一人もいない。国の為にも兵士を集わせなければいけない。

　「まずは、この施設に兵士になることを希望する人を集めるのはどうだろうか？」

　「良いんじゃないですか？誰も居ないよりは誰かをここに入れた方が良いでしょうし」

　サレナ達は国民たちに声をかけ、兵士になるものを集った。しばらくすると、何人もの人々がサレナ達の元に集う。

　「集まりましたわね」

　「結構やる気がある者が多いみたいだな」

　「とりあえず、一人一人手分けして動機や理由を聞いてそれから決めましょうか」

　サレナ達は兵舎に集った兵士候補の話を聞いていく。

　「どうして兵士に志望を？」

　「私は奴隷として死ぬことしか考えていなかった時に、リュート王に命を救われました。だから次はリュート王の為に命をかけたいのです！」

　「素晴らしい心がけですわ。しかし、兵士はかなり厳しい仕事ですわ。その覚悟がありますか？」

　「はい！私を国の為に戦わせてください！」

　サレナ達が面接した兵士は皆がみなやる気に満ち溢れ、自分から進んで戦うというものばかりだった。それだけリュートのカリスマ性が素晴らしいという事だろう。

　「そちらはどうでしたかミラ様？」

　「こっちも似たような感じだった。ルージュは？」

　「私のところも同じような感じですね。女性の方も何名もいらしました」

　「私も同じような感じでした」

　「これならばどの国よりも強大な軍を作れるかもしれないな」

　「皆様！こちらにお集まり下さい！」

　サレナは兵士希望者達を一箇所に集める。

　「皆様の熱意は私たちに十分に伝わりましたわ！皆様！これから共に戦いましょう！」

　「「「うおぉぉぉ！」」」

　兵士候補達の気合いは十分だ。

　「では、皆様の希望の兵種を決めて下さいませ！」

　この国の兵は四部隊。サレナ率いる近接攻撃メインの部隊。ミラ率いる遠距離攻撃部隊。ルージュ率いる魔法攻撃部隊。ニナ率いる奇襲部隊だ。

　サレナの部隊が一番とっつきやすいだけあって、一番人数が多い。その次がミラの部隊、続いてルージュとニナの部隊と言った感じだ。

　「皆様！これからよろしくお願いしますわ！」

　こうして、リュートの国の軍も本格始動した。