異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第8章 自国の強化篇

第100話 新たなる王妃の力

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 クリアは進化して、さらに力を増した。

 「はぁぁぁ!」

 ボッゴォン!先程まで穴が空く程度だった攻撃が、ゴーレムを砕く程の威力になった。進化してさらに重力が操れるようになったからだ。

 「!?」

 無機物のゴーレムですら、驚いたように見える。

 「よし!これなら行けそう!」

 「!?ご主人様!まだ敵が居るぞ!」

 倒れたゴーレムの下から、先程より一回り大きいゴーレムが姿を表す。

 「こっちが本命みたいだね」

 バゴォーン!巨大ゴーレムは倒れたゴーレムを砕き、鋭利な岩として飛び散らす。

 ザシュッ!クリアは回避が間に合わず、頬を岩が掠め、血が出る。

 「ご主人様!」

 「大丈夫だよ。私は強くなったんだから!」

 ぷしゅうぅぅぅ…クリアの頬に出来た傷がみるみる塞がっていく。

 「ご主人様!この力は!」

 「これが私の新しい力、『自動癒しオート・キュア』!私の魔力がある限り、私は傷つかないよ!」

 クリアはゴーレムの動きを重力で捕まえる。

 「進化したことで、私の重力の力も増したよ!あなたぐらいなら固定できる」

 ゴーレムは激しい重力で身動きが取れなくなった。

 「しかし、ご主人様!奴は岩の魔法を!」

 コットンの読み通り、クリアの足元に魔法陣が出現する。クリアを目掛けて巨大な岩が生え、突き出る。鋭利な岩がクリアの体を貫くように見えた。しかし、岩がクリアから血が出ることは無かった。

 「な!一体何が…」

 コットンはその光景を見て驚いた。岩がクリアの体を通り抜けていた。

 「これも私の新しい力。かつて使えた透明化の力が強くなったもの、『透過トランスミッション』だよ」

 クリアが新たに手に入れた力『透過』は自分が透明になるだけではなく、認識したものを透過させることができる。クリアは自身の体を透過させ、岩が当たらないようにした。

 「そして、この力はこんなふうにも使えるよ!」

 クリアはゴーレム目掛けて透過を使用する。

 「見えたよ!そこが弱点だね!」

 ゴーレムの体は透過され、真ん中のコアが丸見えになる。

 「さぁ久しぶりに行くよ!タスラム!」

 クリアの呼び声に応じて魔法武器のタスラムが出現する。

 「行くよタスラム!今の私なら使える!」

 クリアはタスラムに重力かけ、高速回転させる。

 「こんなダンジョンすぐに終わらせて、リュートにこの姿を見てもらうんだから!」

 重力から逃れたゴーレムが殴りかかってくるが、タスラムがあっさり腕を切り落とす。

 「またねゴーレム!重力斬波グラヴィティスライサー!」

 ゴーレムのコアは真っ二つに割かれ、ゴーレムは崩壊した。
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