異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第9章 魔王と灰の国篇

第112話 暴食の力

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 灰喰竜バイトとの戦いが始まる。

 「さぁて…リュート、ミラ、気をつけろ!こいつはかなり強いからな!」

 「わかっている!最初から全力で行く!ミラ!合わせてくれ!」

 「わかった!」

 「太陽よ、焼き尽くせ!魔銃召喚ガンサモン

 リュートの手元に魔法武器の魔銃コロナが出現する。

 「形態モード拳銃ハンドガン

 リュートが銃をかまえ、ミラが弓を構える。

 「「魔弾魔矢連弾バレットアロー・デュオ」」 

 リュートは銃を連射し、ミラは矢を連射する。大量の弾丸と矢がバイトの身を貫いていく。

 「ぐっ!なかなかやるな…」

 「さすがだリュート、ミラ。バイトも所詮この程度か?」

 「ふん。我の力を汝が測れるとは思うな。我はまだ力を一部しか使っていないぞ」

 「何?まだ何か力を隠し持っているのか?」

 「どうやら、汝らなら、我の飢えを満たしてくれそうだ。我も本気を見せるとしよう」

 すると、バイトの足元が盛り上がり、巨大で歪な塊が現れる。

 「あれは…骨か?」

 その歪な塊はバイトが今まで喰らってきたもの全てを内包するような骨の塊だった。

 「まさか!あいつ!あれをやる気か!」

 「我の飢えは底無しだ!過喰オーバーイート

 バキバキ!歪な塊はバックリと真ん中で裂け、口のように開く。そこにバイトが入り込んでいく。

 「なんだあれは?骨に自らを食わせて居るのか」

 「いや、逆だ。奴は内部からその骨を喰らい、一つに融合しているんだ!」

 そこに現れたのは、全身を骨のアーマーで身を包み、体を頑強にしたバイトだ。

 「ふぅ…。これほどの力を使うのは何時ぶりか。さぁ汝らよ、我に喰われるが良い!」

 「はぁ!」

 バンバンバン!リュートが弾丸を放つ。

 「無駄だ」

 ギン!ギン!ギン!骨の外装は全く傷がつかない。

 「なんて硬さだ!」

 「暴食骨鎧形態グラトニーモードのバイトは鉄壁の守りを持つ!気をつけろリュート!」

 「さぁ今度は我の番だ」

 バキバキバキ!外装が変形し、大きな棘が生える。

 「骨槍射ボーンスパイク

 鋭利な骨の棘がリュート達に発射される。

 「危な!」

 二人は間一髪の所で回避する。その骨の棘が刺さった地面は一瞬で干からび、灰化した。

 「あれを食らったら一溜りも無さそうだな」

 「そうだ!汝らが我を超えることなど不可能だ!好きな物を好きなだけ喰らい続ける!我はその為だけに生きる!」

 「悲しい奴だ。まだ気づかないのかバイト?」

 「何?」

 「が目の前にいることに」

 ブレイズがそう言い放った。
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