異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第13章 最後の罪竜篇

第160話 アスールへ

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 リュート達がフリーダムに帰国してから数日後、再びリュート達は作戦会議を始める。

 「さて、これで残る罪竜は一体だけになった」

 「蒼嫉竜ブルードラゴンだね」

 「そうだ。奴は七色の罪竜の中で一二を争う強さの持ち主だ。しかも、奴の性格は最悪で、交渉も難しいだろう」

 ブレイズの情報や色々なことを踏まえて、蒼嫉竜とどう接触するのか、考えなくてはいけない。

 「そうだ、イモージェン。アスールの王は誰なんだ?」

 「アスール連合国はいくつかの国が一つの国として成立した特殊な国じゃ。そうなったからには当然、そうした指導者もいた。アスール連合国をまとめあげ、一つの国として運営する人物。アイザック・アスールが、アスール連合国の頭領じゃ」

 「アイザックは、蒼嫉竜を討伐しようとしているのか?」

 「いや、しておらんな」

 「それが何故だかわかるか?」

 「蒼嫉竜は海に住んでおり、沖に出ようとした船や、外海からやって来た者をところ構わず撃ち落とす。逆にこれを返せば、近づきさえしなければ蒼嫉竜はなんの害も無いという考え方じゃ」

 「なるほど。その考え方もわかる。だが、俺達は魔神と戦うという今後の目的の為に、蒼嫉竜とは戦わなければいけない」

 「まぁそうじゃな…。まずは兎にも角にも、まずはアスールの王に会えば良いのではないか?」

 「どうすればアイザック王に会える?」

 「アイザックは恐らくだが、連合国の中でもトップクラスの技術力をもつ国、『ブルーレイ』にいるようじゃ」

 「よし、それじゃあ俺たちの次の目的地ははアスールのブルーレイの街だな?」

 「お主に同行するメンバーはどうするのじゃ?国の管理もある、あまり大人数を動かして欲しくは無いが…」

 「素質解放との兼ね合いから、クリアは確定だろう」

 「了解!私、頑張るよ!」

 「そして、七色の罪竜に詳しいブレイズ。念の為に同行してくれるか?」

 「もちろんだ。俺が行くって事はマスターも一緒でいいんだよな?」

 「オリアナ、どうする?来てくれるか?」

 「行きますー!クリアさんのお手伝いをさせてくださいー!」

 「ありがとう。オリアナ」

 「魔神の襲撃がいつ起こるか分からない。その他のメンバーは俺の居ない間に各自対策を練っていてくれ」

 「了解した」

 「リュート様の御国は私たちが守りますわ」

 「…」

 コットンがクリアと離れるのが寂しいのか、複雑な表情をしていた。

 「大丈夫だよ、コットン。私、強くなって戻って来るから」

 「わ、わかっておる…。下郎!ご主人様になにかあったら許さないからな?」

 「大丈夫だ。クリアはそんなにヤワじゃないさ」

 こうして、リュートとクリア、オリアナ、ブレイズの四人は蒼嫉竜討伐の為に、アスールへ向かうのだった。
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