異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第14章 七大国会合篇

第174話 いざ、会合へ

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 リュート達がアスールより帰還してから数日。遂にその日がやってきた。この大陸に存在する大国、七国の王が一堂に集う。そんな事象は今までに存在せず、王たちが集うというのは初めての試みだった。

 「いよいよだね」

 「そうだなクリア。少し気合いを入れないとな」

 リュート達はルイズ盗賊団壊滅後にも、闇の存在について様々な情報を仕入れた。しかし、明確なこれと言った情報は手に入れることは出来ずにいた。

 「まぁそこまで気張らずとも良い。何せリュート王は大半の王とは知り合いじゃろう?」

 「確かにそうだが、何が起こるかわからないからな」

 七国の王が一堂に集うのだ。何者かの襲撃があってもおかしくは無い。先日の盗賊団の件もある。油断しない事に越したことはないだろう。

 「今回の会合は王のみの参加じゃが、護衛は何人連れても良いそうじゃ。どのくらいの護衛を付ける?」

 「そうだな…」

 万が一の事に備えて数人は国に待機させた方が良いだろう。

 「留守番なら俺が引き受けよう」

 そう名乗りを上げたのは、ブレイズだった。

 「俺の傷は完全には癒えてない。そして、俺は本来ならもうこの世にはいなかった存在だ。今を作り出すのはリュート、お前の仕事だ。そして、俺もお前と同様に俺はその会議で何かが起こると予感している。可能な限りの戦力は連れていった方が良いかもしれない」

 「なるほど。了解した」

 「で、どうするのじゃ?」

 「色彩のメンバー全員で行く。他の兵士は国内に待機だ」

 「了解した。兵士達にはそう伝えておく」

 「では、リュート様。馬車のご用意が出来ましたわ」

 「こちらでベルデ王国まで行こう」

 サレナとミラが馬車の心得があるようなので、操縦は二人に任せる事にした。

 「良し!ベルデ王国まで出発だ!」

 リュート達は会合場所のベルデ王国に向けて出発した。

 それとほぼ同時期、各国の王達も動き出していた。

 「私もそろそろ出発しないとね」

 「デザイア様。護衛は如何しますか?」

 「可能な限りの人材は割いた方がよろしいかと思います」

 「いや、私にはあなた達と少しの兵で十分よ」

 「了解しました。そのように手配致します」

 「さぁて。何が起こるのかしらね」

 場所は変わってヴァイス。

 「ライアン。そろそろ出ないと不味いぞ」

 「わかってますよソフィア。国から出るなんて久しぶりなので、結構ワクワクしている自分がいます」

 「全く…。遊びに行くんじゃないんだぞ?」

 各国がベルデ王国に向かい始めた中、開催国の王は一人、神樹クローロンを見上げていた。

 「最近神樹がザワついている。これは災厄の前触れなのか…それとも…」

 こうして、各国の王達は会合へ向かうのだった。
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