異世界を統べるのは人ではなく竜だ

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第14章 七大国会合篇

第185話 ベルデ防衛戦、西門

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 ミラもまた、魔物達の排除に当たっていた。

 「それにしても魔物の数が減らない。なんて量だ!」

 ミラは魔物を確実に倒し続けているのに一向に魔物の数が減らない。

 「何か秘密があるのか…!?」

 ミラは咄嗟に体を左に傾ける。先程までミラの顔があった場所に何かが飛んできていた。

 「これは…矢か?」

 ミラの足元に刺さって居たのは、形が歪な黒い矢だった。

 「ほう。あれを避けるとは中々の人物もいたものだ」

 魔物の群れを挟んだ向こう側に一人の人影があった。

 「私は暗黒四天王の一人、メラン。貴様らを一人残らず狩り尽くすのが、私の役目だ」

 「そんなことはさせない」

 「いつまでその減らず口が続くかな?」

 パチンッ!メランが指を鳴らすと、魔物はさらに数を増す。

 「私の能力倍増ダブリングにより、この辺りの魔物が尽きることは無い!」

 「厄介な能力だ。だが、私も踏んで来た場数が違う!拡散ディフュージョン追尾トラッキング!」

 ミラの放った矢は無数に拡散し、魔物の核を確実に貫いていく。

 「命中率100パーセントか。流石はエルフと言ったところだな」

 メランはこの状況を見ても余裕そうな笑みを浮かべる。

 「だが、これならどうだ?来たれ魔物よ!」

 パチンッ!メランが指を鳴らすと、今までの魔物とは比べ物にならないほど巨大な魔物が突然出現した。

 「さらに、倍増!そして、倍増だ!!」

 その巨人は二体に増え、さらに四体と増える。

 「私の魔力が続く限り私は無限に魔物を増殖できる!私の能力に死角は無い!」

 「確かに私は小さい雑魚なら得意だが、巨大な奴は苦手な部類だな…」

 「さぁ行け闇の巨人軍団!大量の魔物と共にあの巨大樹まで雪崩込め!」

 「…(巨大樹?こいつらまさか新樹クローロンをどうにかする気か?)」

 すると、西門から誰かが現れた。

 「甘い目論見ね。貴方は運が悪いわ。だって今のこの国には私がいるんだから。金の雪崩ゴールド・アバランシュ!」

 突然、魔物達は金の雪崩に飲み込まれ、押しつぶされた。

 「デザイア女王!」

 「私も加勢するわ」

 「心強い!」

 「一人増えた所で何も変わらん!進め魔物共!」

 「邪魔ね。消えてもらうわ!金の剣雨ゴールド・ソードレイン!」

 メランと魔物達の頭上から金色の剣が無数に降り注ぐ?。金の剣は魔物達の数をどんどん減らしていく。

 「ぐぅ!なんて強さだ!貴様は…」

 そう言って衝撃で伏せていた顔を前に向ける。

 「さっきのお返しだ。受け取れ」

 メランの目の前に光のごとき速さの矢が飛んできていた。

 「しまっ…」

 ザクッ!メランの脳天をミラの矢が貫いたのだった。
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