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166 戦場の終焉
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斬って、斬って、斬りまくる。もうどれだけこうしているだろうか。
点や線ではない面での争いとなる戦場の戦い。そこで必要なのは純粋なる火力だ。力が全てを決める限りなくシンプルな世界。炎を纏った剣を振るうだけで無数の命が散っていく。魔物とはいえ、これだけの数となると罪悪感を覚えた。だがそれも最初だけの話。
邪魔だ、邪魔だぞお前達。
一つ命を奪うたびに己が魂から変質していくような、言いようのない不快感に襲われる。狂気に呑み込まれそうになる。これが戦場。環境という人格の創造者。その究極とも呼べる場所。
早く終わらせたい。
その一心で剣を振るう。気付けば面は点と線へと戻っていた。
「ハァハァ……終わったのか?」
「レオ、出過ぎだと何度言わせる! 火剣三式・『炎陣斬』」
俺の背後に忍び寄っていた蛇。それを黒髪の女兵士が斬り焼いた。
「センカ? お前、なんでこんなところに」
「何を言ってる? さっきも同じことを聞いたぞ」
「さっき? ……ああ」
そういえば途中から合流した王国軍と一緒に戦っていて、その中にセンカがいたんだった。
「出過ぎってのはセンカ、お前さんにも当てはまる言葉じゃないのか?」
周囲で蠢いていた蛇が一斉に吹き飛んだ。見れば魔法銃を持った年配の男が戦場で葉巻をふかしていた。
「た、隊長。これは、その……」
「反省文の提出は後にしろやい。お前さんはそのままそこのボーヤ……っと、これだけの働きをしたやつに失礼か」
男は無造作に引金を引いた。銃口から飛び出した魔法の力が地中から奇襲をかけてきた蛇の頭部を吹き飛ばす。
「彼を護衛していろ。見りゃ分かるが大勢はほぼ決まった。あちらも決着がつきそうだしな」
男の視線を追って遥かな高みを見上げる。そこでは今まさに聖人と魔物が最後の激突を交わそうとしていた。
「キッシッシッシ! 凄い! 凄いわ!! 私を殺すというの? かつては邪神とまで呼ばれ、数多の国の始まりと終わりを見てきた、この私を」
「交渉が決裂した以上は是非もなし」
そうして黄金と黒が最後の激突を迎え、黄金が黒を打ち破った。
「凄い。ああ、なんて凄いの。でもね、覚えておいてガルドちゃん。人類最強と呼ばれるその力も所詮はこの大陸に限った話。北の大地では魔族と人間が殺し合う古の戦いを未だ続けている場所があるの。そこに存在した私でも及ばない強力な魔族達を従えた闇の王も、そんな闇の王に対抗していた光の王も、両者ともがあのお方に敗れ去った。今は残党が無駄な努力を続けているようだけど、ふふ。それもきっと長くは続かないわ。続かない……のよ」
ふらつくラミアの巨体が黒い粒子となって消えていく。
「ご教授、痛み入る」
「いいのよ。この私を殺したのだもの。どこまでも醜く生き延びて見せなさい。ちっぽけで可愛い、私の……」
山のように巨大な魔物が倒れてその衝撃で地面が揺れる。ラミアは完全な粒子となって後にはひび割れた大地だけが残った。
「ガルド、勝ったのか」
これでドロシーさんを助けに行ける。いや、行くんだ。今すぐ。
「センカ。俺は先にドロシーさんを助けに行く。ガルドの奴にできるだけ早く来るように言ってくれ」
「何? 待て! ドロシー達のことは確かに気がかりだが、どれくらいの兵力がエルフの里に集結しているのか分からないんだぞ。此方が完全に終わるまで待つんだ」
またそれか。言いたいことはわかる。だけどーー
「悪いが、これ以上は無理だ」
俺だってフェアリーラに住む人間だ。ドロシーさんを助けに行きたいのと同じくらい王都を守りたい気持ちはある。だからこうして最後まで戦った。だが大勢が完全に決着した以上、もう待つ気にはなれなかった。
「落ち着け。向こうはもうとっくに終わっているかも知れないし、ドロシーはそもそも危ない目になんかあってないかも知れないだろ」
「確かにな。でもそうじゃないかもしれないだろ」
「……理屈じゃないんだな」
「ああ」
「愛なんだな」
「ああ……え? いや、愛っていうか、その……ま、まぁ。好き……だけどさ」
って、戦場のど真ん中で何を言ってるんだ俺は。
「ならばいい。行って来い」
「いいのかよ!? いや、俺としてはありがたいんだが」
納得する要素あったか?
「無論止めたいとは思っている。だが理屈でないものを理屈で止めることはできない。何よりも」
「何よりも?」
「愛は素敵だ」
そう言ってセンカが見てるのは、さっきの葉巻を咥えた隊長だった。
「……年上が好みだったのか?」
「そ、そう言うわけじゃない。ただ少し父上に似てるなって、そ、それだけだ」
ファザコン。危うくそう言いかけたが、センカの親父さんは王国兵士として村を守るために戦い、そして戦死している。迂闊な言葉を咄嗟に飲み込んだ。
「ま、まぁいいんじゃないか? 貴族や魔法使いなら年の差カップルなんて普通だし」
「そうだよな! 全然おかしくはないよな?」
センカは飛び出してきた蛇の脳天に剣を突き刺しながら、かつてない程に瞳をキラキラとさせている。
「あ、ああ。じゃあ俺、もう行くから」
「待て。あらかた片付いているとはいえ、ここで馬を呼ぶのは危険だ。結界の反対側に移動しろ」
「いや、エルフの里まで飛んでいく」
「飛ぶ? 魔法でか? しかし飛行の魔法は専用の魔法具がなければ相当魔力を消費するぞ。既にかなり消耗しているだろう。そんな状態で魔力は持つのか?」
俺は炎の魔剣から引き出した力を、翼のようにして身に纏った。
「あれだけの戦いの後だと言うのに、大したものだな」
「この剣の力だ。別に俺が凄いわけじゃない」
魔剣が力を貸してくれていなければ、とっくに魔力欠乏症になってただろう。だがそれだって無限じゃない。魔剣から引き出せる力の総量は変わっていなくても、それを操る体に気怠さが石のようにのしかかっていた。
「そうか。とにかく気をつけろよ」
「ああ。お前も敵が残り少ないからって油断するなよ」
「レオ、私も行く」
銀の輝きを身に纏った魔法使いが空から降りてくる。感情を読み取らせない美貌には、ほんのわずか疲労の影が刺していた。
「アリアさん」
大丈夫なのかと聞いたところで無駄な気がした。きっと彼女も理屈ではないのだろう。
「分かった。一緒に行こう」
そうして炎の翼を羽ばたかせる。宙に浮かんだ俺達に小瓶が投げて寄越された。
「ルネラード、ドロテア、行く前にそれを使いなさい」
「これは……グランドポーション? いいのかよ?」
リリーナさんが渡してきたのは場合によっては四桁の値段が付く回復薬だった。
「新兵の割には中々の働きでしたよ。それと二人のことはガルド様にお伝えしますが、すぐに援軍がくるとは思わないことです。何かあれば自力で対処しなさい。……貴方達なら可能でしょう」
「へっ」
不思議な輝きを放つ回復薬を飲み干す。全身を包んでいた気怠さが一気に消し飛んだ。
「アンタもいい働きだったぜ」
最強の聖人と呼ばれるガルドの付き人がなぜたった一人なのか、縦横無尽に戦場を駆け回る彼女を見れば誰もが理解するだろう。
「レオ」
「ああ、行こう。ドロシーさんのところに」
そうして俺とアリアさんは日が沈み始めた空を共に飛んだ。
点や線ではない面での争いとなる戦場の戦い。そこで必要なのは純粋なる火力だ。力が全てを決める限りなくシンプルな世界。炎を纏った剣を振るうだけで無数の命が散っていく。魔物とはいえ、これだけの数となると罪悪感を覚えた。だがそれも最初だけの話。
邪魔だ、邪魔だぞお前達。
一つ命を奪うたびに己が魂から変質していくような、言いようのない不快感に襲われる。狂気に呑み込まれそうになる。これが戦場。環境という人格の創造者。その究極とも呼べる場所。
早く終わらせたい。
その一心で剣を振るう。気付けば面は点と線へと戻っていた。
「ハァハァ……終わったのか?」
「レオ、出過ぎだと何度言わせる! 火剣三式・『炎陣斬』」
俺の背後に忍び寄っていた蛇。それを黒髪の女兵士が斬り焼いた。
「センカ? お前、なんでこんなところに」
「何を言ってる? さっきも同じことを聞いたぞ」
「さっき? ……ああ」
そういえば途中から合流した王国軍と一緒に戦っていて、その中にセンカがいたんだった。
「出過ぎってのはセンカ、お前さんにも当てはまる言葉じゃないのか?」
周囲で蠢いていた蛇が一斉に吹き飛んだ。見れば魔法銃を持った年配の男が戦場で葉巻をふかしていた。
「た、隊長。これは、その……」
「反省文の提出は後にしろやい。お前さんはそのままそこのボーヤ……っと、これだけの働きをしたやつに失礼か」
男は無造作に引金を引いた。銃口から飛び出した魔法の力が地中から奇襲をかけてきた蛇の頭部を吹き飛ばす。
「彼を護衛していろ。見りゃ分かるが大勢はほぼ決まった。あちらも決着がつきそうだしな」
男の視線を追って遥かな高みを見上げる。そこでは今まさに聖人と魔物が最後の激突を交わそうとしていた。
「キッシッシッシ! 凄い! 凄いわ!! 私を殺すというの? かつては邪神とまで呼ばれ、数多の国の始まりと終わりを見てきた、この私を」
「交渉が決裂した以上は是非もなし」
そうして黄金と黒が最後の激突を迎え、黄金が黒を打ち破った。
「凄い。ああ、なんて凄いの。でもね、覚えておいてガルドちゃん。人類最強と呼ばれるその力も所詮はこの大陸に限った話。北の大地では魔族と人間が殺し合う古の戦いを未だ続けている場所があるの。そこに存在した私でも及ばない強力な魔族達を従えた闇の王も、そんな闇の王に対抗していた光の王も、両者ともがあのお方に敗れ去った。今は残党が無駄な努力を続けているようだけど、ふふ。それもきっと長くは続かないわ。続かない……のよ」
ふらつくラミアの巨体が黒い粒子となって消えていく。
「ご教授、痛み入る」
「いいのよ。この私を殺したのだもの。どこまでも醜く生き延びて見せなさい。ちっぽけで可愛い、私の……」
山のように巨大な魔物が倒れてその衝撃で地面が揺れる。ラミアは完全な粒子となって後にはひび割れた大地だけが残った。
「ガルド、勝ったのか」
これでドロシーさんを助けに行ける。いや、行くんだ。今すぐ。
「センカ。俺は先にドロシーさんを助けに行く。ガルドの奴にできるだけ早く来るように言ってくれ」
「何? 待て! ドロシー達のことは確かに気がかりだが、どれくらいの兵力がエルフの里に集結しているのか分からないんだぞ。此方が完全に終わるまで待つんだ」
またそれか。言いたいことはわかる。だけどーー
「悪いが、これ以上は無理だ」
俺だってフェアリーラに住む人間だ。ドロシーさんを助けに行きたいのと同じくらい王都を守りたい気持ちはある。だからこうして最後まで戦った。だが大勢が完全に決着した以上、もう待つ気にはなれなかった。
「落ち着け。向こうはもうとっくに終わっているかも知れないし、ドロシーはそもそも危ない目になんかあってないかも知れないだろ」
「確かにな。でもそうじゃないかもしれないだろ」
「……理屈じゃないんだな」
「ああ」
「愛なんだな」
「ああ……え? いや、愛っていうか、その……ま、まぁ。好き……だけどさ」
って、戦場のど真ん中で何を言ってるんだ俺は。
「ならばいい。行って来い」
「いいのかよ!? いや、俺としてはありがたいんだが」
納得する要素あったか?
「無論止めたいとは思っている。だが理屈でないものを理屈で止めることはできない。何よりも」
「何よりも?」
「愛は素敵だ」
そう言ってセンカが見てるのは、さっきの葉巻を咥えた隊長だった。
「……年上が好みだったのか?」
「そ、そう言うわけじゃない。ただ少し父上に似てるなって、そ、それだけだ」
ファザコン。危うくそう言いかけたが、センカの親父さんは王国兵士として村を守るために戦い、そして戦死している。迂闊な言葉を咄嗟に飲み込んだ。
「ま、まぁいいんじゃないか? 貴族や魔法使いなら年の差カップルなんて普通だし」
「そうだよな! 全然おかしくはないよな?」
センカは飛び出してきた蛇の脳天に剣を突き刺しながら、かつてない程に瞳をキラキラとさせている。
「あ、ああ。じゃあ俺、もう行くから」
「待て。あらかた片付いているとはいえ、ここで馬を呼ぶのは危険だ。結界の反対側に移動しろ」
「いや、エルフの里まで飛んでいく」
「飛ぶ? 魔法でか? しかし飛行の魔法は専用の魔法具がなければ相当魔力を消費するぞ。既にかなり消耗しているだろう。そんな状態で魔力は持つのか?」
俺は炎の魔剣から引き出した力を、翼のようにして身に纏った。
「あれだけの戦いの後だと言うのに、大したものだな」
「この剣の力だ。別に俺が凄いわけじゃない」
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「ああ。お前も敵が残り少ないからって油断するなよ」
「レオ、私も行く」
銀の輝きを身に纏った魔法使いが空から降りてくる。感情を読み取らせない美貌には、ほんのわずか疲労の影が刺していた。
「アリアさん」
大丈夫なのかと聞いたところで無駄な気がした。きっと彼女も理屈ではないのだろう。
「分かった。一緒に行こう」
そうして炎の翼を羽ばたかせる。宙に浮かんだ俺達に小瓶が投げて寄越された。
「ルネラード、ドロテア、行く前にそれを使いなさい」
「これは……グランドポーション? いいのかよ?」
リリーナさんが渡してきたのは場合によっては四桁の値段が付く回復薬だった。
「新兵の割には中々の働きでしたよ。それと二人のことはガルド様にお伝えしますが、すぐに援軍がくるとは思わないことです。何かあれば自力で対処しなさい。……貴方達なら可能でしょう」
「へっ」
不思議な輝きを放つ回復薬を飲み干す。全身を包んでいた気怠さが一気に消し飛んだ。
「アンタもいい働きだったぜ」
最強の聖人と呼ばれるガルドの付き人がなぜたった一人なのか、縦横無尽に戦場を駆け回る彼女を見れば誰もが理解するだろう。
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