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「わっ。もう皆集まってるね。私たち遅かったかな?」
集合場所にはすでに今回の依頼人であるポタラさんがいて、荷台の前で部下の人と何やら話し込んでいた。レイドを組むクランの人達の姿もある。
どうしよう。私達のクランが一番の若輩チームなのに、もしかして待たせちゃったかな。
「ん~。そんなことないっしょ。まだ時間には余裕があるし、アリュウさんとクリュウさんのメンパーも揃いきってないみたいだしね」
「アリュウさんのクランが六人。クリュウさんのクランが九人でポタラさんの商隊も九名、そして特別魔法隊の人たちがーー」
「アリア様を入れて八名だ。アリリアナ達が六名だから、計三十八名、中々の大所帯だな」
振り向けば、そこには兵士の服装の上に魔法使いのローブを着たセンカさんがいた。センカさんは一眼で魔力種と分かる立派な毛並みの馬を引いていた。
「おっはー。そっちの他のメンツが見えないけど、寝坊でもしちゃった感じ?」
「まさか。人数が人数だからな、隊長達は城門の外で待っている」
「もう出発できるんだ。流石に早いね」
私たちも事前に荷物をまとめてはいるけれど、長距離を移動する前には必ず出発の前に最終チェックをする。だから出発の予定時刻よりも随分早くきたつもりだったんだけど……。
「私たちの荷物は商隊が運んでくれる契約だからな。支援物資のリストは渡してあるので、確認作業も向こうがしてくれる。だから用意するものといえば自分の装備と馬くらいだ」
「そうなんだ。それなら確かに準備は簡単そうだね」
商隊の護衛をする際、荷の中身については必要がなければ詳しく聞いたりはしない。なので魔法隊との荷物の契約については初耳だ。
「その馬って結構立派な感じだけど、センカが個人的に飼ってんの?」
「いや、魔法隊で飼育している……馬もいる」
「え? それじゃあ、その馬は?」
「これは、その……た、隊長が私の為に用意してくれた馬だ」
「ちょっと、ちょっと、聞きましたかドロシーさん。馬のことについて質問しただけなのに、隙あらば惚気ですよ、惚気」
アリリアナが小悪魔的な笑みを浮かべて体を寄せてくる。
「もう。やめなよ。アリリアナだってアマギさんに新しい糸を貰ったってはしゃいでいたじゃない」
「私たちの髪を混ぜたこの糸。見たい? ねっ? ねっ? 見たい感じ?」
グローブをはめると、アリリアナは手を開いたり閉じたりする。
「もう十分見せてもらったし。その話は正直お腹いっぱいなんだけど」
「二人の髪? どうしてそんなものを?」
「えっ? そ、それはその、ほら、女の髪は魔法の触媒として最適だから。それで、その……」
「愛よ。愛な感じに決まってるでしょう」
愛って、その言い訳は苦しいんじゃないかな。
「なるほど。それは……素敵な話だな」
「あっ、納得しちゃうんだ」
「ん? 違うのか?」
「えっ!? う、ううん。そんなことないよ? あ、愛はいいよね。アハハ」
うう。本当はセンカさんにも真実を話したいんだけど、私だけの問題じゃないし。アマギさんにはアリリアナが妖精化するところを見られちゃったから、どうせならってことで髪を買ってもらったけど、そのアマギさんからも口外するべきではないと釘を刺されてるんだよね。
(もう、気をつけてよね)
(アハハ。ごめーん)
特別な繋がりができた私とアリリアナは魔法を使わなくても距離が近ければ心で会話できる。同時に彼女の心の機微も伝わってくる。珍しくアリリアナも反省してくれてるようだ。……ちょっとだけだけど。
「ところでさ、隊長さんたちが外で待っている中、センカはここでゆっくりしてていい感じ?」
「ああ。それなんだが、アリリアナ組の馬車にもう一人乗れるか?」
「え? うん。大丈夫だけど、センカさんが乗るの?」
私としては道中が賑やかになって嬉しいけど、一人だけそんな別行動してて大丈夫なのかな?
「いや、私は馬で付いて行く。アリア様がそちらの馬車で行きたいとのことだ」
「アリアが?」
それならそうとこの間一緒にご飯食べた時に言えばいいのに。
「私らは全然オッケーよ。あっ、あの馬車じゃない?」
丁度いいタイミングで、ドロテア家の家紋が入った、白くてやけに豪華な馬車がやってくる。
私がいた頃にはなかったけど新しく作ったのかな?
近頃お父様の狙い通りドロテア家の名声が高まっているから、見栄を張るために身の回りの物にお金をかけても不思議はない。馬車からまずはメイドのリリズさんが降りてきて、彼女が開けたドアからアリアが姿を見せる。妹は上質な白いワンピースの上に胸当てや手甲など冒険者としての装備で身を固めていた。
集合場所にはすでに今回の依頼人であるポタラさんがいて、荷台の前で部下の人と何やら話し込んでいた。レイドを組むクランの人達の姿もある。
どうしよう。私達のクランが一番の若輩チームなのに、もしかして待たせちゃったかな。
「ん~。そんなことないっしょ。まだ時間には余裕があるし、アリュウさんとクリュウさんのメンパーも揃いきってないみたいだしね」
「アリュウさんのクランが六人。クリュウさんのクランが九人でポタラさんの商隊も九名、そして特別魔法隊の人たちがーー」
「アリア様を入れて八名だ。アリリアナ達が六名だから、計三十八名、中々の大所帯だな」
振り向けば、そこには兵士の服装の上に魔法使いのローブを着たセンカさんがいた。センカさんは一眼で魔力種と分かる立派な毛並みの馬を引いていた。
「おっはー。そっちの他のメンツが見えないけど、寝坊でもしちゃった感じ?」
「まさか。人数が人数だからな、隊長達は城門の外で待っている」
「もう出発できるんだ。流石に早いね」
私たちも事前に荷物をまとめてはいるけれど、長距離を移動する前には必ず出発の前に最終チェックをする。だから出発の予定時刻よりも随分早くきたつもりだったんだけど……。
「私たちの荷物は商隊が運んでくれる契約だからな。支援物資のリストは渡してあるので、確認作業も向こうがしてくれる。だから用意するものといえば自分の装備と馬くらいだ」
「そうなんだ。それなら確かに準備は簡単そうだね」
商隊の護衛をする際、荷の中身については必要がなければ詳しく聞いたりはしない。なので魔法隊との荷物の契約については初耳だ。
「その馬って結構立派な感じだけど、センカが個人的に飼ってんの?」
「いや、魔法隊で飼育している……馬もいる」
「え? それじゃあ、その馬は?」
「これは、その……た、隊長が私の為に用意してくれた馬だ」
「ちょっと、ちょっと、聞きましたかドロシーさん。馬のことについて質問しただけなのに、隙あらば惚気ですよ、惚気」
アリリアナが小悪魔的な笑みを浮かべて体を寄せてくる。
「もう。やめなよ。アリリアナだってアマギさんに新しい糸を貰ったってはしゃいでいたじゃない」
「私たちの髪を混ぜたこの糸。見たい? ねっ? ねっ? 見たい感じ?」
グローブをはめると、アリリアナは手を開いたり閉じたりする。
「もう十分見せてもらったし。その話は正直お腹いっぱいなんだけど」
「二人の髪? どうしてそんなものを?」
「えっ? そ、それはその、ほら、女の髪は魔法の触媒として最適だから。それで、その……」
「愛よ。愛な感じに決まってるでしょう」
愛って、その言い訳は苦しいんじゃないかな。
「なるほど。それは……素敵な話だな」
「あっ、納得しちゃうんだ」
「ん? 違うのか?」
「えっ!? う、ううん。そんなことないよ? あ、愛はいいよね。アハハ」
うう。本当はセンカさんにも真実を話したいんだけど、私だけの問題じゃないし。アマギさんにはアリリアナが妖精化するところを見られちゃったから、どうせならってことで髪を買ってもらったけど、そのアマギさんからも口外するべきではないと釘を刺されてるんだよね。
(もう、気をつけてよね)
(アハハ。ごめーん)
特別な繋がりができた私とアリリアナは魔法を使わなくても距離が近ければ心で会話できる。同時に彼女の心の機微も伝わってくる。珍しくアリリアナも反省してくれてるようだ。……ちょっとだけだけど。
「ところでさ、隊長さんたちが外で待っている中、センカはここでゆっくりしてていい感じ?」
「ああ。それなんだが、アリリアナ組の馬車にもう一人乗れるか?」
「え? うん。大丈夫だけど、センカさんが乗るの?」
私としては道中が賑やかになって嬉しいけど、一人だけそんな別行動してて大丈夫なのかな?
「いや、私は馬で付いて行く。アリア様がそちらの馬車で行きたいとのことだ」
「アリアが?」
それならそうとこの間一緒にご飯食べた時に言えばいいのに。
「私らは全然オッケーよ。あっ、あの馬車じゃない?」
丁度いいタイミングで、ドロテア家の家紋が入った、白くてやけに豪華な馬車がやってくる。
私がいた頃にはなかったけど新しく作ったのかな?
近頃お父様の狙い通りドロテア家の名声が高まっているから、見栄を張るために身の回りの物にお金をかけても不思議はない。馬車からまずはメイドのリリズさんが降りてきて、彼女が開けたドアからアリアが姿を見せる。妹は上質な白いワンピースの上に胸当てや手甲など冒険者としての装備で身を固めていた。
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