27 / 36
26.頂点に立つ者達の葛藤
しおりを挟む
魔王城•暗黒の間。あらゆる魔術的、そして物理的防御を張り巡らされたそこに出入りを許されるのは魔王が認めた数魔のみで、例え四天王であっても勝手に入ることが許されない、そこは魔王城の秘中の秘。
「そうか。フラウダは辺境での生活が気に入ったか」
「はい。魔王様」
そう応えるのは金色の瞳にヤギのような角を生やした、目も覚めるような美女だった。玉座に腰掛ける王の足元に跪く彼女は一切の衣服を纏っておらず、男の視線を惹きつける豊かな乳房やくびれのある腰、そして臀部から生えた黒い尻尾に至るまで行動を制約する魔術刻印が余すことなく刻まれていた。それによって女はここで見聞きしたものを口外することができず、また第三者が女にいかなる術を施そうとも決して情報が漏洩する事は無い。
「適度に問題を起こした後は親しい者達の家を転々とする生活に落ち着くと思っていたのだがな。ふむ。本当に余の予想を裏切ることに関しては魔族一だな」
「如何致しますか? フェンリルの起動を送らせて頂ければ、フラウダ様を辺境より退去させることが可能ですが」
「頼もしいな。だが星の関係上、今日を逃せば次の通信まで時間が開く。しかしこれ以上時間を掛ければ再び戦況が大きく動きかねん。起動は予定通り今日となるだろう」
目の前の悪魔を凌ぐ悪魔的な美貌を持つ王のその容貌が自嘲に乱れる。
悪魔の口を言葉がついた。
「王、今ならばまだ……あ、ああっ!?」
悪魔の全身に刻まれた刻印が輝き、女の体を激痛で焼く。
「ふむ。卿、よもや忘れはわけではあるまいな。この件に対して卿は余の許可なく口を開くことはできん。もしも相手が余でなければ卿の体は塵となっていたぞ」
「ハァハァ……も、申し訳、あ、ありません」
「よい。それよりもそろそろ時間だ。控えておれ」
跪いていた悪魔は一糸纏わぬ体を隠しもせずに立ち上がると、玉の正面から部屋の隅へと移動した。
「さて、始まるのは新時代の産声か? あるいは巻き取られた終末か?」
魔王の動きが一瞬、葛藤に動きを止める。
「……是非もなし。起動しろ」
部屋の床に施された魔法陣が淡く輝く。それを見つめる魔王の瞳にとある映像が投影された。
「半年ぶりの通信だ。息災であったかな?」
「つまらない前置きは結構、私と貴方はそのような仲ではないはず」
親しげな笑みを浮かべる魔王。魔族の女の多くを容易く堕とす天然の魅了を向けられても、魔王の瞳に投影された銀髪銀眼の美女はニコリともしなかった。
「ふむ。連れない反応だ。これから起こることを考えればある程度の友好を深めておくことも大切だと思うがね」
「それならばもう充分でしょう」
女は映像の中で銀色に輝く己の瞳を掌で隠して見せる。複雑な条件と制約を得て発動するこの通信魔術を傍受できる者はおらず、魔王の側にいる悪魔ですら、魔王が会話している相手の姿も声も知覚できない。
「既に私と貴方の間には切っても切れぬ縁が出来ています」
「ふむ。それで? その縁の結晶について余に教えてはくれぬのか? 周囲にバレぬよう特別な方法での誕生となるとのことだが、時期的にそろそろ産声をあげている頃であろう? 余の記憶に間違いがなければ確か双子のはずだが」
一般的な人間に比べてツンと尖っている女の耳がピクリと揺れる。
エルフーー人類の上位種にして、帝国を統べる者達。その頂点に立つ女の魔王にも劣らぬ美貌に感情の小波が走り、しかしそれはすぐに消えた。
「無駄話は止めましょう。今までの全ては今日この日の為に。魔族の王よ、気持ちに変わりはありませんね」
「無論だ。そちらはどうかな、人の王よ。結果次第では我々は今日この日を永遠に呪うことになるやもしれんぞ?」
「それはこのまま争い続けても同じこと。既にわたし達の戦争は取り返しのつかない所まで進んでいます。だからこそ必要なのです。この呪われた戦争を終わらせる為の、最大最後の闘争が」
「そしてその為の敵が。我等人魔を脅かす神話の怪物が」
「はい。そして私達は作り上げました。人魔を滅ぼし得る真の怪物を。偽りの神話を」
その構想は果たしていつから始まっていたのか。それぞれの種の頂点として君臨する男と女は、いつの頃からか終わりのない戦争の終わりに危機感を抱いていた。
人と魔族の力は拮抗しすぎている。本来であれば些細なことで崩れるその均衡は、神の悪戯としか思えぬ悪魔的なバランスで何百年も保たれ続けた。
魔族に強者が生まれれば、人は優れた武器を錬成し。人が大量破壊兵器を創造すれば、魔族は大規模破壊魔術を生み出した。
長い年月を生きる王達は百年単位で世代を変える者達には決して実感出来ぬ程強く互いの種の衰退ぶりを感じていた。戦による衰退は民の心にまで及び、すり減り続ける倫理観は王達の定めた法を犯す非合法な商売を病のように社会へと蔓延させ続けている。
このまま争いを続けてもその先に繁栄はない。
だからこそ王達は模索した。この戦争を終わらせる為の方法を。それは互いに孤独な道だった。自分達とは異なる種を滅ぼせと叫ぶ部下達に応えつつも、それとは別の終着点を探す。互いにそれぞれの種族の頂点たる力をフル活用し、幾つもの幸運に恵まれて互いに接点を持てたのが百年以上も昔。それから牽制と協力を重ねてついにこの日を迎えたのだ。
「辺境実験は思いの外上手くいった。贅沢を言うのならば恋愛感情を抜きに両陣営が手を取り合うのがベストではあったが」
「しかし異なる種のリーダー同士が恋仲になることを受け入れられる。これは既存の社会ではありえなかったことです。これで自分たちを滅ぼし得る第三勢力の存在が共闘を発生させ、その果てに共存へと至れることが証明されました」
「計画は概ね順調。だがな、皇帝よ。一つだけ懸念事項がある」
「大地の支配者フラウダ•ウルネリアの辺境入りですね」
「ふむ。四天王一魔の排斥はそちらの要求であったな。さすがに耳が早い」
魔王の声には皮肉が満ち満ちていた。
「私達は対等でなければなりません。四天王一魔を魔王軍から退けさせるに足るものを、こちらは提供したはずですが?」
「フェンリル創造に関してはこちらも禁術をいくつも提供しているのだが、まぁ良い。替えがきかぬと言うのであれば、確かにそちらの方が払ったものは大きい。いや、大きかったと言うべきかな?」
腹心の部下に去られた魔族の王に、ほんの微かな苛立ちが見え隠れする。無論、皇帝はそんなもの気にも留めない。最早事態は個人の感傷が入り込む余地のないほどに、最終局面を迎えているのだ。
「今起動させればフェンリルは確実に大地の支配者とぶつかるでしょう。そしていかにフェンリルといえども、目覚めたばかりの状態では大地の支配者には敵わない」
「まさか起動を遅らせると言うつもりではあるまい?」
「あり得ません。いえ、むしろ今だからこそ起動させるべきなのです。確かに起動したてのフェンリルは大地の支配者には及ばない。しかしもし私達のそんな予想を裏切ることができたなら、そしてそんな怪物が育ったのならば」
「我らでも手に終えぬ存在となるだろうな。我らの望んだ通りに」
「はい。人も魔族も誰も敵わないでしょう。それこそ私達が手を組まない限りは」
言葉を切った魔王と皇帝は暫くの間、無言で目の前の相手を見詰めた。そしてーー
「人類の為に」
「魔族の為に」
遠く離れた所に眠る怪物を起動させた。
「そうか。フラウダは辺境での生活が気に入ったか」
「はい。魔王様」
そう応えるのは金色の瞳にヤギのような角を生やした、目も覚めるような美女だった。玉座に腰掛ける王の足元に跪く彼女は一切の衣服を纏っておらず、男の視線を惹きつける豊かな乳房やくびれのある腰、そして臀部から生えた黒い尻尾に至るまで行動を制約する魔術刻印が余すことなく刻まれていた。それによって女はここで見聞きしたものを口外することができず、また第三者が女にいかなる術を施そうとも決して情報が漏洩する事は無い。
「適度に問題を起こした後は親しい者達の家を転々とする生活に落ち着くと思っていたのだがな。ふむ。本当に余の予想を裏切ることに関しては魔族一だな」
「如何致しますか? フェンリルの起動を送らせて頂ければ、フラウダ様を辺境より退去させることが可能ですが」
「頼もしいな。だが星の関係上、今日を逃せば次の通信まで時間が開く。しかしこれ以上時間を掛ければ再び戦況が大きく動きかねん。起動は予定通り今日となるだろう」
目の前の悪魔を凌ぐ悪魔的な美貌を持つ王のその容貌が自嘲に乱れる。
悪魔の口を言葉がついた。
「王、今ならばまだ……あ、ああっ!?」
悪魔の全身に刻まれた刻印が輝き、女の体を激痛で焼く。
「ふむ。卿、よもや忘れはわけではあるまいな。この件に対して卿は余の許可なく口を開くことはできん。もしも相手が余でなければ卿の体は塵となっていたぞ」
「ハァハァ……も、申し訳、あ、ありません」
「よい。それよりもそろそろ時間だ。控えておれ」
跪いていた悪魔は一糸纏わぬ体を隠しもせずに立ち上がると、玉の正面から部屋の隅へと移動した。
「さて、始まるのは新時代の産声か? あるいは巻き取られた終末か?」
魔王の動きが一瞬、葛藤に動きを止める。
「……是非もなし。起動しろ」
部屋の床に施された魔法陣が淡く輝く。それを見つめる魔王の瞳にとある映像が投影された。
「半年ぶりの通信だ。息災であったかな?」
「つまらない前置きは結構、私と貴方はそのような仲ではないはず」
親しげな笑みを浮かべる魔王。魔族の女の多くを容易く堕とす天然の魅了を向けられても、魔王の瞳に投影された銀髪銀眼の美女はニコリともしなかった。
「ふむ。連れない反応だ。これから起こることを考えればある程度の友好を深めておくことも大切だと思うがね」
「それならばもう充分でしょう」
女は映像の中で銀色に輝く己の瞳を掌で隠して見せる。複雑な条件と制約を得て発動するこの通信魔術を傍受できる者はおらず、魔王の側にいる悪魔ですら、魔王が会話している相手の姿も声も知覚できない。
「既に私と貴方の間には切っても切れぬ縁が出来ています」
「ふむ。それで? その縁の結晶について余に教えてはくれぬのか? 周囲にバレぬよう特別な方法での誕生となるとのことだが、時期的にそろそろ産声をあげている頃であろう? 余の記憶に間違いがなければ確か双子のはずだが」
一般的な人間に比べてツンと尖っている女の耳がピクリと揺れる。
エルフーー人類の上位種にして、帝国を統べる者達。その頂点に立つ女の魔王にも劣らぬ美貌に感情の小波が走り、しかしそれはすぐに消えた。
「無駄話は止めましょう。今までの全ては今日この日の為に。魔族の王よ、気持ちに変わりはありませんね」
「無論だ。そちらはどうかな、人の王よ。結果次第では我々は今日この日を永遠に呪うことになるやもしれんぞ?」
「それはこのまま争い続けても同じこと。既にわたし達の戦争は取り返しのつかない所まで進んでいます。だからこそ必要なのです。この呪われた戦争を終わらせる為の、最大最後の闘争が」
「そしてその為の敵が。我等人魔を脅かす神話の怪物が」
「はい。そして私達は作り上げました。人魔を滅ぼし得る真の怪物を。偽りの神話を」
その構想は果たしていつから始まっていたのか。それぞれの種の頂点として君臨する男と女は、いつの頃からか終わりのない戦争の終わりに危機感を抱いていた。
人と魔族の力は拮抗しすぎている。本来であれば些細なことで崩れるその均衡は、神の悪戯としか思えぬ悪魔的なバランスで何百年も保たれ続けた。
魔族に強者が生まれれば、人は優れた武器を錬成し。人が大量破壊兵器を創造すれば、魔族は大規模破壊魔術を生み出した。
長い年月を生きる王達は百年単位で世代を変える者達には決して実感出来ぬ程強く互いの種の衰退ぶりを感じていた。戦による衰退は民の心にまで及び、すり減り続ける倫理観は王達の定めた法を犯す非合法な商売を病のように社会へと蔓延させ続けている。
このまま争いを続けてもその先に繁栄はない。
だからこそ王達は模索した。この戦争を終わらせる為の方法を。それは互いに孤独な道だった。自分達とは異なる種を滅ぼせと叫ぶ部下達に応えつつも、それとは別の終着点を探す。互いにそれぞれの種族の頂点たる力をフル活用し、幾つもの幸運に恵まれて互いに接点を持てたのが百年以上も昔。それから牽制と協力を重ねてついにこの日を迎えたのだ。
「辺境実験は思いの外上手くいった。贅沢を言うのならば恋愛感情を抜きに両陣営が手を取り合うのがベストではあったが」
「しかし異なる種のリーダー同士が恋仲になることを受け入れられる。これは既存の社会ではありえなかったことです。これで自分たちを滅ぼし得る第三勢力の存在が共闘を発生させ、その果てに共存へと至れることが証明されました」
「計画は概ね順調。だがな、皇帝よ。一つだけ懸念事項がある」
「大地の支配者フラウダ•ウルネリアの辺境入りですね」
「ふむ。四天王一魔の排斥はそちらの要求であったな。さすがに耳が早い」
魔王の声には皮肉が満ち満ちていた。
「私達は対等でなければなりません。四天王一魔を魔王軍から退けさせるに足るものを、こちらは提供したはずですが?」
「フェンリル創造に関してはこちらも禁術をいくつも提供しているのだが、まぁ良い。替えがきかぬと言うのであれば、確かにそちらの方が払ったものは大きい。いや、大きかったと言うべきかな?」
腹心の部下に去られた魔族の王に、ほんの微かな苛立ちが見え隠れする。無論、皇帝はそんなもの気にも留めない。最早事態は個人の感傷が入り込む余地のないほどに、最終局面を迎えているのだ。
「今起動させればフェンリルは確実に大地の支配者とぶつかるでしょう。そしていかにフェンリルといえども、目覚めたばかりの状態では大地の支配者には敵わない」
「まさか起動を遅らせると言うつもりではあるまい?」
「あり得ません。いえ、むしろ今だからこそ起動させるべきなのです。確かに起動したてのフェンリルは大地の支配者には及ばない。しかしもし私達のそんな予想を裏切ることができたなら、そしてそんな怪物が育ったのならば」
「我らでも手に終えぬ存在となるだろうな。我らの望んだ通りに」
「はい。人も魔族も誰も敵わないでしょう。それこそ私達が手を組まない限りは」
言葉を切った魔王と皇帝は暫くの間、無言で目の前の相手を見詰めた。そしてーー
「人類の為に」
「魔族の為に」
遠く離れた所に眠る怪物を起動させた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる