転生したら、最低の悪女でしたが死にたくないので頑張ります

黒幸

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7 肥満の原因が分かった

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「魔素熱(オーディック・フィーバー)? 何、それ?」
「ほほお? 知りたいかああ、ミイイコオオ」
「その伸ばすのやめて。誰か、分からないじゃない」

 前世って言うべきなんだろうか。
 美心だったことを忘れたくないし、忘れてはいけないと思う。
 だから、臥薪嘗胆みたいにこの思い忘れない! と気持ちを引き締める為にアンディに敢えて、ミコって呼んで欲しいと頼んだ。

 でも、彼はミコではなく、ミーコと呼ぶ。
 普通に「ミーコ!」ではなくて、「みいいいぐぅおおおお」とねちっこく呼ぶから、猫ではなくてどこかから来るモノみたいに聞こえて、嫌だ。
 アレは嫌って言うと余計にやって来る小学生男子みたいな性格しているから、嫌とは絶対、言わない。

 いやいや、そこじゃなかった。
 本題から逸れて、大事なことを忘れている気が……。
 オーディック・フィーバーって、何?
 そういう話なのにいつの間にか、脱線していたのだ。

「そのフィーバーが原因でこれってこと?」

 十歳にして、立派過ぎてつまめるお腹の無駄なお肉。
 どうやら、過食と運動不足だけが原因ではなかった。
 勿論、これはアンディの話を全て、真に受けるという前提だけど。
 単なる肥満ではなく、私のオドの容量が多すぎて肉体がそれに耐えられなくて、起きる先天性の病のせいらしい。

 このオーディック・フィーバーは複雑怪奇な病気で症状が患者によって、違うそうだ。
 アンディの言うことだから、どこまで信用していいのかは分からないけど。
 赤い発疹が全身に出て、高熱に悩まされる感染症のような症状が出る人もいれば、白血病やガンのような症状が出る人もいる。
 ただ、肥満症の症状は珍しい……らしい。

「どうにかすると痩せるの?」
「それは我にも分からあん」
「え? 分からないの? 何でも知っているようなこと言っているのに?」
「……痩せるぞ。痩せるう。間違いなあい」

 緑色のメンフクロウは煽るとすぐムキになる。
 渋いおじさまイケボなのにギャップがありすぎて、面白いのだ。
 あまりいじると拗ねるから、適度にいじるのがコツ!

「で、そのフィーバーはどうすれば、治るの? ダイエットだけではダメってことでしょ?」

 ダイエットは途中までは順調だった。
 ところが急に体重が落ちるペースが止まった。
 これが噂に聞く、ダイエット停滞期かと思って。
 それでも頑張って、続けてもさっぱりダメだったのだ。
 理由がまさか、そんな聞いたことない病気なんて、分かるはずがない。

「それはあれだあ。簡単だあ」
「じゃあ、教えてよ」
「うむう。暫し、待てい。データベースを探ろうではないかあ」



「分かったぞお、みぐぅぉお。我にかかれば、ちょちょいのちょいなのだあ」
「うん。アンディは凄いね。早く教えて」

 ドヤ顔をするメンフクロウは超うざい。
 一周回ってもやはりうざいけど、見ているだけならウケる。
 適度に持ち上げて、適度にスパッとやらないと面倒なのは確かなので結論を急ぐのが正解なのだ。

「そこまで言うのならばあ、教えてやろおおおう。魔力を発散すれば、いいのだあ」
「何、それ? どうするの?」

 やり取りにワンクッションどころではなく、たくさんのクッションが必要だったけど、対処法も分かった。
 体内のオドを使うアクションを起こせばいい、以上。
 実に簡単だった。
 アンディに聞いても「魔法を使うのだあ」と言う。
 そうよね。
 簡単だ。

 そんなわけないでしょ!
 だいたい魔法を使うって、何よ。
 覚醒してアウェイカーになっても、そんなの使えなかったけど?
 
「ならばあ、一つ方法があるぞお。使うのに魔力が必要な魔道具を利用するのだあ」
「へぇ? それは名案ね」

 それならば、心当たりがある。
 ステラが『鋼鉄の聖女』で使っていた『栄光(グロリア)』を使えばいいんじゃない?
 確か、魔力を使う魔道具だったはず。
 破壊光弾や回転するノコギリみたいなのも使うのに魔力を消費するけど、ステラには膨大な魔力の持ち主だから平気と書かれていた。

「ねぇ、アンディ。叔父さんについて、詳しく調べてくれない?」
「ほお。分かったぞお」

 メンフクロウが恐ろしく、悪そうな顔をしている……。
 この悪役面こそ、アンディの本性のような気がする。
 でも、少なくとも私に対して、悪意を抱いているようには見えないから、目を瞑っておこうと思う。
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