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10 十一歳になりました。婚約者?聞いてないけど
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ステラに転生してから、一年。
十一歳になって変わったことは色々とあった。
年齢が一つ増えただけではなく、大きな変化がある。
60キロの大台に乗っていた体重を40キロまで減らすことに成功した。
ダイエットのペースとしては悪くないと思う。
単なる肥満でなく、魔素熱(オーディック・フィーバー)の悪影響で膨張していたから、オドをラヨンで発散させて解決した。
しかし、あまりお勧めできるダイエット法じゃない。
ラヨンでビーム! ビーム! ビーム! をするのはいいけど、その後に起こる副作用が辛い。
頭がグルグルして、気持ちが悪くなる。
船酔いや車で酔ったのと近いから、三半規管に変な作用を及ぼしているのかもしれない。
でも、このペースで頑張れば、平均体重は余裕でクリアできそうだ。
アンディことアンドラスにも変化があった。
これはいいのか、悪いのかが正直、分からない。
緑色をしたメンフクロウもどきでも十分におかしな見た目だったけど、さらにおかしなことになった。
顔がメンフクロウから、フクロウにチェンジした。
メンフクロウもどきの時はちょっと可愛げがある顔つきだったのに凶悪な面構えになった気がする。
目は爛々と輝いているって形容したが方が良さそうでギンギンで怖いし、鳥のくちばしなのにありえない犬歯が見え隠れしている。
もうこの時点で色々とありえないんだけど。
それどころか、翼が生えているのに肉食の獣を思わせる前腕が足の代わりに生えている。
尾が尾羽ではなくて、爬虫類の尻尾みたい。
一体、何の生物なのか、分からないけど声は相変わらず、ねちっこいおじさまイケボのまま。
見た目が変わっただけで私との関係が変わったことはない。
ただ、悪そうな顔をすると邪悪そのものが具現化したように見える。
味方であるはずなのに全幅の信頼を置いて、いいものかと迷っている……。
もう一つ、大きく変わったことがある。
正確には変わったことではなく、私が聞いていなかった衝撃的な事実だ。
私、ステラには……。
何と婚約者がいた!
聞いてないし、知らない。
前世の記憶を思い出す前にステラがやらかしていたのだ。
「おや? 言ってなかったかな。ステラちゃんがどうしてもと言うから、頑張ったんだよ」
サテレス叔父さんがそう言っていたので相当に無理を言って、婚約を結んだらしい。
当然、その頃のステラは絶賛お太りさまだった訳で、顔も知らない婚約者は被害者としか思えないんだけど……。
それだけで納得できないことがある。
例え、意に沿わぬ婚約だとしてもおかしい。
顔を覗かせるどころか、手紙などの連絡すら一度もしてきていないのは不誠実だと思う。
許せないよね?
これはもしかして、婚約破棄物によくあるパターンが間近と思って、いいのだろうか。
そろそろ「お前のように太ったブスとは婚約破棄だ」と言いにやってくる。
そんな気がしてならない。
しかし、それよりも優先させるべき変化は最近、流れてくる不穏な噂だ。
本格的に備えないとまずいかもしれないって、覚悟を決める時がきたのかも……。
東と西のアレやコレが何ともきな臭いらしく、叔父さんも多忙を極めている。
少しは負担を減らして、やっと人間らしい生活を送り始めた叔父さんがまた、社畜モードに入った。
どうにかしないと叔父さんが物語が始まる前に過労死しちゃう。
それは何としてでも防ぎたい!
時間がかかるというより、すぐに結果は出ないけど『鋼鉄の聖女』の知識を生かして、どうにかしなきゃ……。
ここはあれしかない!
レウス辺境伯の誇る傭兵の旅団――その中でも最強と謳われた『鷹(アルコン)隊』のメンバーを今から、スカウトすればいいんだと気付いた。
劇中でステラ同様、全員大人だったけど確か、早い時期から傭兵団にいたと書かれていたはず。
問題があるとすれば、制御不能な暴れ者ばかりで物語を引っ掻き回しただけで終わっちゃったこと。
彼らを見つけて、友情を築けば、いいのだ。
それなら、裏切られることもないし、叔父さんの仕事も減って。
私の生き延びる確率も高まるはず!
十一歳になって変わったことは色々とあった。
年齢が一つ増えただけではなく、大きな変化がある。
60キロの大台に乗っていた体重を40キロまで減らすことに成功した。
ダイエットのペースとしては悪くないと思う。
単なる肥満でなく、魔素熱(オーディック・フィーバー)の悪影響で膨張していたから、オドをラヨンで発散させて解決した。
しかし、あまりお勧めできるダイエット法じゃない。
ラヨンでビーム! ビーム! ビーム! をするのはいいけど、その後に起こる副作用が辛い。
頭がグルグルして、気持ちが悪くなる。
船酔いや車で酔ったのと近いから、三半規管に変な作用を及ぼしているのかもしれない。
でも、このペースで頑張れば、平均体重は余裕でクリアできそうだ。
アンディことアンドラスにも変化があった。
これはいいのか、悪いのかが正直、分からない。
緑色をしたメンフクロウもどきでも十分におかしな見た目だったけど、さらにおかしなことになった。
顔がメンフクロウから、フクロウにチェンジした。
メンフクロウもどきの時はちょっと可愛げがある顔つきだったのに凶悪な面構えになった気がする。
目は爛々と輝いているって形容したが方が良さそうでギンギンで怖いし、鳥のくちばしなのにありえない犬歯が見え隠れしている。
もうこの時点で色々とありえないんだけど。
それどころか、翼が生えているのに肉食の獣を思わせる前腕が足の代わりに生えている。
尾が尾羽ではなくて、爬虫類の尻尾みたい。
一体、何の生物なのか、分からないけど声は相変わらず、ねちっこいおじさまイケボのまま。
見た目が変わっただけで私との関係が変わったことはない。
ただ、悪そうな顔をすると邪悪そのものが具現化したように見える。
味方であるはずなのに全幅の信頼を置いて、いいものかと迷っている……。
もう一つ、大きく変わったことがある。
正確には変わったことではなく、私が聞いていなかった衝撃的な事実だ。
私、ステラには……。
何と婚約者がいた!
聞いてないし、知らない。
前世の記憶を思い出す前にステラがやらかしていたのだ。
「おや? 言ってなかったかな。ステラちゃんがどうしてもと言うから、頑張ったんだよ」
サテレス叔父さんがそう言っていたので相当に無理を言って、婚約を結んだらしい。
当然、その頃のステラは絶賛お太りさまだった訳で、顔も知らない婚約者は被害者としか思えないんだけど……。
それだけで納得できないことがある。
例え、意に沿わぬ婚約だとしてもおかしい。
顔を覗かせるどころか、手紙などの連絡すら一度もしてきていないのは不誠実だと思う。
許せないよね?
これはもしかして、婚約破棄物によくあるパターンが間近と思って、いいのだろうか。
そろそろ「お前のように太ったブスとは婚約破棄だ」と言いにやってくる。
そんな気がしてならない。
しかし、それよりも優先させるべき変化は最近、流れてくる不穏な噂だ。
本格的に備えないとまずいかもしれないって、覚悟を決める時がきたのかも……。
東と西のアレやコレが何ともきな臭いらしく、叔父さんも多忙を極めている。
少しは負担を減らして、やっと人間らしい生活を送り始めた叔父さんがまた、社畜モードに入った。
どうにかしないと叔父さんが物語が始まる前に過労死しちゃう。
それは何としてでも防ぎたい!
時間がかかるというより、すぐに結果は出ないけど『鋼鉄の聖女』の知識を生かして、どうにかしなきゃ……。
ここはあれしかない!
レウス辺境伯の誇る傭兵の旅団――その中でも最強と謳われた『鷹(アルコン)隊』のメンバーを今から、スカウトすればいいんだと気付いた。
劇中でステラ同様、全員大人だったけど確か、早い時期から傭兵団にいたと書かれていたはず。
問題があるとすれば、制御不能な暴れ者ばかりで物語を引っ掻き回しただけで終わっちゃったこと。
彼らを見つけて、友情を築けば、いいのだ。
それなら、裏切られることもないし、叔父さんの仕事も減って。
私の生き延びる確率も高まるはず!
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