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13 西の残虐なる英雄
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コミューン連合。
かつて首都だったマドリード市を中心に西部地域を支配する混沌に乗じ、興った新興国家の一つである。
人口比率は諸国と比べると圧倒的に人間以外の種族が多いことで知られている。
彼らは元よりスペインにいた存在ではない。
遥か南、暗黒大陸と呼ばれるようになったアフリカから、やって来た。
初めはよくある傭兵団に過ぎなかった。
小さな旅団に過ぎなかった傭兵の集団が如何にして、一躍勢力を拡大したのか。
その際たる理由が人間以外の種を積極的に受け入れたことだ。
亜人と呼ばれるエルフやドワーフ。
魔物と呼ばれ、モンスター扱いされるゴブリンやオーク、オーガ。
彼らは虐げられる者である。
その解放を錦の旗として掲げ、戦う傭兵団が次第に力を付けていくのも道理と言えるだろう。
そして、何よりも彼らを率いる男――オルデン・デスト・ルクシオンの影響が大きかった。
オルデンもまた普通の人間ではない。
デザインベビーとして誕生した生体兵器である。
遺伝子工学を駆使し、作られた人造の神と言うべき存在。
それがオルデンという男だった。
両親の遺伝子情報は最も強き力を持つとされた二柱のモノ。
父親は黄衣の王と呼ばれた存在であり、母親は大いなるバビロンと呼ばれた存在だった。
完全には解析されない情報を基に実験が行われ、数人のデザインベビーが誕生したがいずれも生命を保つことができなかった。
唯一の成功例、それがオルデンだった。
しかし、オルデンも期待された性能を発揮しなかった。
両親の遺伝子情報を正しく継けば、世を圧倒するモノが生まれるはずだった。
彼は違ったのである。
人の姿を取りながらも明らかに人とは異なる強大な力を有していた。
だが、それだけだったのだ。
生体兵器計画は中止となり、関係者も秘密保持の為に抹殺された。
ところが彼はしぶとく生き残った。
彼を憐れに思った研究者の一人が密かに逃がしたからだ。
親切な亜人の老夫婦に保護された生体兵器の少年はアル・ケデスと名付けられた。
地震に秘められた力も知らず、成長したアルだったが転機が訪れる。
養父母が心無い人間により、殺されてしまった。
怒りの感情は彼の奥底に眠っていた禁忌の力を呼び起こした。
以降、彼は虐げられる者の手を取り、戦いに身を投じたのである。
破壊を好む残虐なる王。
敵に対する容赦のない戦いぶりから、オルデンはそう呼ばれるようになった。
だがコミューン連合において、彼は神格化され崇められるほど家臣や民から、慕われる名君である。
宰相、外務卿であるムシカ、内務卿のカストロを始めとした重臣も有能だった。
混乱を極めた状況にあった、かつてスペインと呼ばれた地の西方も半ば平定された。
破壊の力のみで創造の力を受け継がなかった憐れな御子の目は東に向けられる……。
かつて首都だったマドリード市を中心に西部地域を支配する混沌に乗じ、興った新興国家の一つである。
人口比率は諸国と比べると圧倒的に人間以外の種族が多いことで知られている。
彼らは元よりスペインにいた存在ではない。
遥か南、暗黒大陸と呼ばれるようになったアフリカから、やって来た。
初めはよくある傭兵団に過ぎなかった。
小さな旅団に過ぎなかった傭兵の集団が如何にして、一躍勢力を拡大したのか。
その際たる理由が人間以外の種を積極的に受け入れたことだ。
亜人と呼ばれるエルフやドワーフ。
魔物と呼ばれ、モンスター扱いされるゴブリンやオーク、オーガ。
彼らは虐げられる者である。
その解放を錦の旗として掲げ、戦う傭兵団が次第に力を付けていくのも道理と言えるだろう。
そして、何よりも彼らを率いる男――オルデン・デスト・ルクシオンの影響が大きかった。
オルデンもまた普通の人間ではない。
デザインベビーとして誕生した生体兵器である。
遺伝子工学を駆使し、作られた人造の神と言うべき存在。
それがオルデンという男だった。
両親の遺伝子情報は最も強き力を持つとされた二柱のモノ。
父親は黄衣の王と呼ばれた存在であり、母親は大いなるバビロンと呼ばれた存在だった。
完全には解析されない情報を基に実験が行われ、数人のデザインベビーが誕生したがいずれも生命を保つことができなかった。
唯一の成功例、それがオルデンだった。
しかし、オルデンも期待された性能を発揮しなかった。
両親の遺伝子情報を正しく継けば、世を圧倒するモノが生まれるはずだった。
彼は違ったのである。
人の姿を取りながらも明らかに人とは異なる強大な力を有していた。
だが、それだけだったのだ。
生体兵器計画は中止となり、関係者も秘密保持の為に抹殺された。
ところが彼はしぶとく生き残った。
彼を憐れに思った研究者の一人が密かに逃がしたからだ。
親切な亜人の老夫婦に保護された生体兵器の少年はアル・ケデスと名付けられた。
地震に秘められた力も知らず、成長したアルだったが転機が訪れる。
養父母が心無い人間により、殺されてしまった。
怒りの感情は彼の奥底に眠っていた禁忌の力を呼び起こした。
以降、彼は虐げられる者の手を取り、戦いに身を投じたのである。
破壊を好む残虐なる王。
敵に対する容赦のない戦いぶりから、オルデンはそう呼ばれるようになった。
だがコミューン連合において、彼は神格化され崇められるほど家臣や民から、慕われる名君である。
宰相、外務卿であるムシカ、内務卿のカストロを始めとした重臣も有能だった。
混乱を極めた状況にあった、かつてスペインと呼ばれた地の西方も半ば平定された。
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