転生したら、最低の悪女でしたが死にたくないので頑張ります

黒幸

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14 修羅場の予感

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 妙なメンフクロウもどきから、今や立派な化け物じみたアンディだけど、豊富な知識と経験は有能だ。
 これほど家庭教師に最適な人材はない。
 来るべき日に向けて、備えるには人の力をあてにしているだけじゃダメだと思った。
 だから、ダイエットも兼ねて、アンディから色々と教えてもらった。

「こんな感じ?」
「こうですか?」
「ちぃぃがあああう」

 とはいえ、アンディから教えてもらうだけでは限度があって。
 これでは通信で格闘技を学んでいるのと変わらないレベルで上達する気がしない。
 そこでシオンにアンディを紹介して、協力してもらっている。

 もっとも組手をするような感じでやっているので、これで効果が出ているのかはいまいち分からない。
 アンディが言うにはしっかりと成長してるみたい。
 自分では分からないけど、「戦闘力は上がっているぞおお。くっくっくっ」と気持ち悪い笑い方をしていたから、放っておいた。

「シオン。いつも悪いわね。これは約束の物よ」
「これですよ、これ」

 闇ルートというほどではなく、叔父ルートで手に入れた貴重な蜂蜜がシオンへのお礼と賄賂代わり。
 ただ、蜂蜜の入った瓶をがぶ飲みする大きなテディベアはシュールを超えて、ホラーの域に達していると思う……。


 
 鍛錬と言う名のシオンとのじゃれ合いを終えて、アンディからどう考えてもいい方に転ぶと思えない東西の状況を聞いて。
 頭を抱えているところに「おひいさまー!」と焦っている様子のシオンの声がした。

「どうしたの? 慌てちゃって」
「それがですね、おひいさま。例のあの方がいらっしゃったのですが……」
「例のあの方って、もしかして?」
「そのもしかしてです、ええ」

 あの方、もしかしてで通じてしまうのも何だけど分かった。
 叔父曰く、私の我儘で決まった婚約者だ。
 お嬢様の我儘だけで決められた憐れな被害者って言ったところ?

「今、どうなっているの?」
「サテレス様がその……ええ、いつものように」
「あぁ。うん、じゃあ、行きましょうか」

 叔父さんは私が絡むと無能になるというか、残念になる。
 面倒なことになってないことを願うばかり。



 希望とは儚くも散るもの。
 そんな詩的なことを考えて、現実逃避したくなったのは予想通りの混沌とした状況が待ち受けていたからだ。

「僕は婚約破……誰?」
「あれは……マジ!?」
「ステラちゃん。ここは叔父さんに任せて……」

 いやいや。
 どの口が任せてと言っているのか。
 普段の有能な仕事ぶりはどこへ行ったのか、叔父さんとツッコミたいけど、面倒なのでスルーしておく。
 もっと面倒なのをどうにかすべきだろう。
 婚約者だけかと思ったら、何かもう一人いるし……。
 私に似ているようで似ていないような気がする。

「私に何か、用があるのかしら?」

 ちょっとワクワクしているのは内緒。
 小説に出てくる悪役令嬢みたいじゃない?
 婚約者らしき少年もそこそこイケてる。
 黒い髪に藍色(オーシャン)のきれいな瞳。
 目はキリッとしているし、顔立ちも整ってるから、攻略対象キャラって言われても納得できる。

 隣で敵対心丸出しの視線を送ってくる女の子が誰かが全く、分からない。
 年は私とあまり変わらないみたいだし、微妙に似ているのが気になるんだけど……。
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