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幕間
10 メリーの休日
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ユリシーズ殿下の一件があったから、学園は暫くの間、休校になった。
真相を知っているから、何ともやるせない気持ちになる。
私が在籍しているのは二学年のAクラス。
三学年Bクラスの殿下は全く、面識がないこちらが一方的に生徒会長である彼を知っているだけの関係だった。
これは学園の構造上仕方ないのだ。
入学試験で成績順にクラス分けがされる。
成績上位のAクラスとそれ以下のBクラス。
このクラスは卒業するまで特例でもない限り、変わらない。
学年が違えば、放課後活動でもなければ、交流がないのは他の学校でも同じようなものだろう。
でも、この学園が変わっているのは、クラス間の交流も全くない。
AクラスとBクラスは明確な差を付けて、隔離されている。
私は目立ちたくないので中の下から、下の上くらいを狙った。
それが見事にうまくいって、Aクラスの中でその他大勢に紛れ、これまで平和な学園生活を送っていたのだ。
サマンサ様は二学年のAクラスなのでクラスは同じだけど、彼女は入学から現在まで首席を維持している。
家柄、ルックス、成績どれをとってもトップなのでクラスが同じであっても関りになることがなかった。
思えば、このクラス分けも作為的なものがあるという噂だった。
母親の身分が低かったユリシーズ殿下がBクラスとされたのも成績のせいではないとまことしやかに囁かれている。
こんな噂が出るのには理由があって。
Aクラスを占めるのがいわゆる上位貴族に属する学生でBクラスの大多数が平民や下位貴族なのも影響しているんだと思う。
もっとも入学試験前に家庭教師を雇える裕福な家はどういう家でしょうか?
これを考えるとクラス分けの現状は特におかしくないのかもしれないけれど。
「ゲッテンズ嬢は男爵家なのにAクラスに入ったのだから、優秀なはずなのに」
折角、学園が休みなのと難事件が終わったので羽を伸ばそうと考え、女子の間で人気爆発中のカフェテラスにやってきたら、まさかの人物の姿があったのだ。
ヒラリー・ゲッテンズ嬢。
ユリシーズ殿下の騒動に巻き込まれた一学年の女生徒だ。
彼女は単なる巻き込まれただけの被害者という判断がされた。
入学試験では優秀な成績を収め、男爵家でありながらもAクラスに入った才女と話題になっていた。
しかし、優秀だった彼女が見る間に成績を落とし、クラスで最下位を争うところまで下がったのと殿下の取り巻きになったのがほぼ同時だったらしい。
確実に殿下の毒牙にかけられた被害者としか思えない。
殿下は処断されたのでゲッテンズ嬢はその悪影響から、逃れることができたはずなんだけど……。
とてもそのようには見えなかった。
「だからぁ、そうですよねぇ」
「え、ええ。はい」
「そうだと思ったんですよぉ」
結構、離れた席にいても聞こえてくるのだから、相当な大声で喋っているんだろう。
相変わらず、口が裂けるくらい大きく開き、周囲の状況を見ずに仕切ろうとしているみたい。
おかしい。
悪影響から抜けたとは思えない言動だった。
天帝の目で見ても彼女の中でそれは正しいことだと信じて、やっているようだ。
可愛く映るし、人気者になれると信じて、疑ってないみたい。
そうさせていたのはてっきり、ユリシーズ殿下だと思ったんだけど、違ったのかしら。
もしかして、他にもゲッテンズ嬢を利用している者がいる?
まさか、そのようなことがあるなんて……。
「それがあるんだよ。ああ。これ、貰うぜ」
急に手が伸びて、私が最後に食べようと取っておいたイチゴをかっさらったのだ。
この骨ばって、太い血管が目立つ男らしい手は……。
ハリー!
「あら、ハリー。ちょっと待って。なぜ、私が最後に食べようと思っていたストロベリーをあなたが!?」
「いらないと思ったんだが、違ったのか?」
「違いますっ! 私は取っておく主義なんです」
もう会うこともないと思っていたハリーとまた会えたのは嬉しいけど、食べ物の恨みは絶対に忘れるものですか……。
真相を知っているから、何ともやるせない気持ちになる。
私が在籍しているのは二学年のAクラス。
三学年Bクラスの殿下は全く、面識がないこちらが一方的に生徒会長である彼を知っているだけの関係だった。
これは学園の構造上仕方ないのだ。
入学試験で成績順にクラス分けがされる。
成績上位のAクラスとそれ以下のBクラス。
このクラスは卒業するまで特例でもない限り、変わらない。
学年が違えば、放課後活動でもなければ、交流がないのは他の学校でも同じようなものだろう。
でも、この学園が変わっているのは、クラス間の交流も全くない。
AクラスとBクラスは明確な差を付けて、隔離されている。
私は目立ちたくないので中の下から、下の上くらいを狙った。
それが見事にうまくいって、Aクラスの中でその他大勢に紛れ、これまで平和な学園生活を送っていたのだ。
サマンサ様は二学年のAクラスなのでクラスは同じだけど、彼女は入学から現在まで首席を維持している。
家柄、ルックス、成績どれをとってもトップなのでクラスが同じであっても関りになることがなかった。
思えば、このクラス分けも作為的なものがあるという噂だった。
母親の身分が低かったユリシーズ殿下がBクラスとされたのも成績のせいではないとまことしやかに囁かれている。
こんな噂が出るのには理由があって。
Aクラスを占めるのがいわゆる上位貴族に属する学生でBクラスの大多数が平民や下位貴族なのも影響しているんだと思う。
もっとも入学試験前に家庭教師を雇える裕福な家はどういう家でしょうか?
これを考えるとクラス分けの現状は特におかしくないのかもしれないけれど。
「ゲッテンズ嬢は男爵家なのにAクラスに入ったのだから、優秀なはずなのに」
折角、学園が休みなのと難事件が終わったので羽を伸ばそうと考え、女子の間で人気爆発中のカフェテラスにやってきたら、まさかの人物の姿があったのだ。
ヒラリー・ゲッテンズ嬢。
ユリシーズ殿下の騒動に巻き込まれた一学年の女生徒だ。
彼女は単なる巻き込まれただけの被害者という判断がされた。
入学試験では優秀な成績を収め、男爵家でありながらもAクラスに入った才女と話題になっていた。
しかし、優秀だった彼女が見る間に成績を落とし、クラスで最下位を争うところまで下がったのと殿下の取り巻きになったのがほぼ同時だったらしい。
確実に殿下の毒牙にかけられた被害者としか思えない。
殿下は処断されたのでゲッテンズ嬢はその悪影響から、逃れることができたはずなんだけど……。
とてもそのようには見えなかった。
「だからぁ、そうですよねぇ」
「え、ええ。はい」
「そうだと思ったんですよぉ」
結構、離れた席にいても聞こえてくるのだから、相当な大声で喋っているんだろう。
相変わらず、口が裂けるくらい大きく開き、周囲の状況を見ずに仕切ろうとしているみたい。
おかしい。
悪影響から抜けたとは思えない言動だった。
天帝の目で見ても彼女の中でそれは正しいことだと信じて、やっているようだ。
可愛く映るし、人気者になれると信じて、疑ってないみたい。
そうさせていたのはてっきり、ユリシーズ殿下だと思ったんだけど、違ったのかしら。
もしかして、他にもゲッテンズ嬢を利用している者がいる?
まさか、そのようなことがあるなんて……。
「それがあるんだよ。ああ。これ、貰うぜ」
急に手が伸びて、私が最後に食べようと取っておいたイチゴをかっさらったのだ。
この骨ばって、太い血管が目立つ男らしい手は……。
ハリー!
「あら、ハリー。ちょっと待って。なぜ、私が最後に食べようと思っていたストロベリーをあなたが!?」
「いらないと思ったんだが、違ったのか?」
「違いますっ! 私は取っておく主義なんです」
もう会うこともないと思っていたハリーとまた会えたのは嬉しいけど、食べ物の恨みは絶対に忘れるものですか……。
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