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幕間
11 褒美というより新手の拷問?
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再会できたのは嬉しいけど、最後に食べようと大切に取っておいたイチゴを勝手に食べたのは許しがたい。
万死に値すると内心、はらわたが煮えくり返る思いでいるのだけど、ハリーはどこ吹く風で全く、気にしてないみたい。
考えは人それぞれだから、尊重しないといけないと思う。
思うけど、それはそれでこれはこれ。
イチゴの恨みは決して忘れてなるものですか! と鼻息が荒くなりそうなのを我慢する。
名だけの伯爵家とはいえ、一応令嬢だから心の中では暴風が吹き荒れようとも平常を保つのが嗜み。
「ひ、久しぶりですね、ハリー」
「おう、メリーさん。何か、口がピクピクしてるがどうした?」
「あら、気のせいではありませんこと?」
「そうか?」
ハリーは「急に令嬢みたいな言葉遣いして、大丈夫か?」と見当違いなことを言うけど、そうなっている原因はあなたなんですけどね! と声を大にして言いたい。
言いたいだけで我慢する。
彼は言ったところでどうにかならない人ではない。
「そりゃ悪かったな」と倍返しでイチゴをくれる案外、心遣いのできる優しい人だってことも分かっている。
まだ付き合いは短いけれど、分かる……。
「それでさ。お嬢様が今回の働きに報いるべきだって、言うんだぜ」
「へぇ、それで?」
察しのいいことで。
表に出さないように努力したけど、ハリーは何となく察したみたい。
私の前にイチゴ尽くしの豪華なパフェが置かれている。
それも二つ。
彼がお詫び代わりに注文してくれたのだけど、なぜ二つ。
「遠慮しないで食べてくれ」と言わんばかりににこやかな顔で見つめてくるハリーを見るとどうやら、私が一人で二つ食べないといけないらしい……。
いくら別腹と言っても限度があるんだけど。
「お嬢様はそれを俺に丸投げしたんだぜ。酷くないか?」
「だから、そんなにお金持ってるの?」
「そういうこと」
ハリーの口癖の一つが「見習いだと給料が安いんだぜ」であって、お金がないのをよくぼやいていた。
それでもウィステリア家の家人だ。
生活は保障されているし、将来も安泰と言えるだろう。
あくまで手元にお金がないだけであって。
そんなハリーが札束を手にしているから、おかしいと思った。
そういうことだったのね。
「メリーさん、明日は暇してるか?」
「言ったよね。メリーさんはやめてくれない? 後ろに立つわよ?」
「それはやめてくれ。マジで」
「じゃあ、やめてよね」
「分かった、降参だよ、メリーさん」
「怒るわよ」
そう言って、白い歯をキラリとさせながら、「わりぃわりぃ」と笑って見せる。
怒るに怒れないじゃない。
完全に遊ばれている気がするけど、案外このやり取りが嫌いではない自分がいることに戸惑っている。
ハリーはそう……ちょっと反抗的な目つきの悪い大型犬みたいなものであって。
そんな風に考えると腹も立たないし、むしろ愛くるしさも感じられるのだ。
「それで暇だよな?」
「その言い方! それではまるで私がいつも暇みたいに聞こえるじゃないですか」
「え? 違ったのか?」
「……違ってません」
「じゃ、明日はよろしくな!」
「え? ちょっ!?」
別れ際にさらなる爆弾とカフェの料金にしてはいささか多すぎるお金を置いて、ハリーは颯爽と去っていった。
どこで待ち合わせとか、何時とかの約束事は一切ない。
自由過ぎるのは彼が人狼の血を引いているから?
まぁ、いいけど。
彼のことだから寮の部屋で待っていれば、迎えに来てくれる……はず。
来なかったら、知らない……。
万死に値すると内心、はらわたが煮えくり返る思いでいるのだけど、ハリーはどこ吹く風で全く、気にしてないみたい。
考えは人それぞれだから、尊重しないといけないと思う。
思うけど、それはそれでこれはこれ。
イチゴの恨みは決して忘れてなるものですか! と鼻息が荒くなりそうなのを我慢する。
名だけの伯爵家とはいえ、一応令嬢だから心の中では暴風が吹き荒れようとも平常を保つのが嗜み。
「ひ、久しぶりですね、ハリー」
「おう、メリーさん。何か、口がピクピクしてるがどうした?」
「あら、気のせいではありませんこと?」
「そうか?」
ハリーは「急に令嬢みたいな言葉遣いして、大丈夫か?」と見当違いなことを言うけど、そうなっている原因はあなたなんですけどね! と声を大にして言いたい。
言いたいだけで我慢する。
彼は言ったところでどうにかならない人ではない。
「そりゃ悪かったな」と倍返しでイチゴをくれる案外、心遣いのできる優しい人だってことも分かっている。
まだ付き合いは短いけれど、分かる……。
「それでさ。お嬢様が今回の働きに報いるべきだって、言うんだぜ」
「へぇ、それで?」
察しのいいことで。
表に出さないように努力したけど、ハリーは何となく察したみたい。
私の前にイチゴ尽くしの豪華なパフェが置かれている。
それも二つ。
彼がお詫び代わりに注文してくれたのだけど、なぜ二つ。
「遠慮しないで食べてくれ」と言わんばかりににこやかな顔で見つめてくるハリーを見るとどうやら、私が一人で二つ食べないといけないらしい……。
いくら別腹と言っても限度があるんだけど。
「お嬢様はそれを俺に丸投げしたんだぜ。酷くないか?」
「だから、そんなにお金持ってるの?」
「そういうこと」
ハリーの口癖の一つが「見習いだと給料が安いんだぜ」であって、お金がないのをよくぼやいていた。
それでもウィステリア家の家人だ。
生活は保障されているし、将来も安泰と言えるだろう。
あくまで手元にお金がないだけであって。
そんなハリーが札束を手にしているから、おかしいと思った。
そういうことだったのね。
「メリーさん、明日は暇してるか?」
「言ったよね。メリーさんはやめてくれない? 後ろに立つわよ?」
「それはやめてくれ。マジで」
「じゃあ、やめてよね」
「分かった、降参だよ、メリーさん」
「怒るわよ」
そう言って、白い歯をキラリとさせながら、「わりぃわりぃ」と笑って見せる。
怒るに怒れないじゃない。
完全に遊ばれている気がするけど、案外このやり取りが嫌いではない自分がいることに戸惑っている。
ハリーはそう……ちょっと反抗的な目つきの悪い大型犬みたいなものであって。
そんな風に考えると腹も立たないし、むしろ愛くるしさも感じられるのだ。
「それで暇だよな?」
「その言い方! それではまるで私がいつも暇みたいに聞こえるじゃないですか」
「え? 違ったのか?」
「……違ってません」
「じゃ、明日はよろしくな!」
「え? ちょっ!?」
別れ際にさらなる爆弾とカフェの料金にしてはいささか多すぎるお金を置いて、ハリーは颯爽と去っていった。
どこで待ち合わせとか、何時とかの約束事は一切ない。
自由過ぎるのは彼が人狼の血を引いているから?
まぁ、いいけど。
彼のことだから寮の部屋で待っていれば、迎えに来てくれる……はず。
来なかったら、知らない……。
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