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3rd Target ハルト
21 殺人事件の容疑者
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あれから、暫くの間は平穏なものだった。
サマンサ様とシルヴェスター殿下の報道は激化の一途を辿って、噂ではなくどうやら、本当に婚約なさるのではないかと報じられていた。
そんな世間を尻目に私とハリーは、何の変哲もない学園生活を送っていた。
特に調査する依頼もなかったから、ハリーが学園に通う必要はないと思う。
それでも学生として、彼は通っていて、クラスメイトという形で自然に接することができた。
多分、サマンサ様が気を利かせて……。
まさかよね?
でも、サマンサ様はああ見えて、お優しい方だから、強ちないとは言えない。
最終学年になれば、学園とも都会の生活ともお別れになるだろう。
それまでは今日一日を大事にして、過ごそう。
そう思っていたのに……。
その日はいつもと違った。
ハリーがいない。
昼になっても彼は現れなかった。
何か、あったのだろうか。
そう思っていたら、サマンサ様に拉致……ではなく、連行された。
もはや勝手知ったるウィステリア邸だった。
いつもだったら、ハリーもいるのにここにも彼の姿はない。
やはり何か、あったのかもしれない。
そして、サマンサ様が衝撃的な言葉を仰ったのだ。
「どうやら何かが起きたようなのよ」と……。
「あのサマンサ様。一体、何が起きたのでしょうか」
「さぁ? 私にもまだ、はっきりと状況が把握できないの」
「はぁ……」
そう言いながらもサマンサ様に焦りや戸惑いは見られない。
何かについて、ある程度は把握しておられるのだろう。
「メリーさん。今朝、ニュースは見たかしら?」
「あ……いえ、忙しくて、つい」
「そう。それなら、これを見てくれるかしら?」
「はい。ええ……えぇ!?」
サマンサ様から、直接手渡されたのは新聞だった。
大見出しは昨晩、発生した殺人事件だ。
事件が起きたのは貴族院議員アントニー・マックイーンのマックイーン邸で殺害されたのは二十数名。
屋敷の使用人を含め、主人のアントニーまで殺害された。
手口から人間による犯行ではなく、逃げ出した猛獣による獣害ではないかと締めくくられていた。
「これが何か……え? まさか」
「そのまさかなのよ、メリーさん。動物園や施設から、猛獣が脱走したという報告はないの。では一体、何が?」
「獣ではない獣のようなモノ……ですか」
「そういうこと。いずれ、紙面を賑わすのは亜人への偏見と差別……でしょうね」
そう零したサマンサ様はどこか自嘲するかのように複雑な表情を浮かべていた。
脱走した猛獣がいないのなら、犯人は獣のような特性を備えた何かということになる。
恐らく、亜人と呼ばれる異種族……。
まさか、ハルトが関わっているのだろうか。
「これは私がウィステリアだから、知り得た情報であって、当局は捜査の為に明かしていないのだけど……」
まさか。
聞きたくない。
誰のことなのか、分かった。
「容疑者は既に手配されていて、包囲網が敷かれているの」
「それがハルトなんですね」
「そうよ」
ハルトがそんなことするはずない。
ちょっと乱暴なところがあって、デリカシーにも欠けていて。
だけど優しくて、誰よりも人の命を大切にする人だと知っている。
「ねぇ、メリーさん。私、思い知らせてあげようと思うの。誰に喧嘩を売ったのかってね?」
「は、はい。サマンサ様」
サマンサ様もハルトが罪を犯していないと知っているし、信じているのだ。
私一人ではない。
誰よりも頼りになるサマンサ様が味方なのだ。
それだけで心強い。
しかし、サマンサ様が無茶振りしてくるとは思っていなかった……。
サマンサ様とシルヴェスター殿下の報道は激化の一途を辿って、噂ではなくどうやら、本当に婚約なさるのではないかと報じられていた。
そんな世間を尻目に私とハリーは、何の変哲もない学園生活を送っていた。
特に調査する依頼もなかったから、ハリーが学園に通う必要はないと思う。
それでも学生として、彼は通っていて、クラスメイトという形で自然に接することができた。
多分、サマンサ様が気を利かせて……。
まさかよね?
でも、サマンサ様はああ見えて、お優しい方だから、強ちないとは言えない。
最終学年になれば、学園とも都会の生活ともお別れになるだろう。
それまでは今日一日を大事にして、過ごそう。
そう思っていたのに……。
その日はいつもと違った。
ハリーがいない。
昼になっても彼は現れなかった。
何か、あったのだろうか。
そう思っていたら、サマンサ様に拉致……ではなく、連行された。
もはや勝手知ったるウィステリア邸だった。
いつもだったら、ハリーもいるのにここにも彼の姿はない。
やはり何か、あったのかもしれない。
そして、サマンサ様が衝撃的な言葉を仰ったのだ。
「どうやら何かが起きたようなのよ」と……。
「あのサマンサ様。一体、何が起きたのでしょうか」
「さぁ? 私にもまだ、はっきりと状況が把握できないの」
「はぁ……」
そう言いながらもサマンサ様に焦りや戸惑いは見られない。
何かについて、ある程度は把握しておられるのだろう。
「メリーさん。今朝、ニュースは見たかしら?」
「あ……いえ、忙しくて、つい」
「そう。それなら、これを見てくれるかしら?」
「はい。ええ……えぇ!?」
サマンサ様から、直接手渡されたのは新聞だった。
大見出しは昨晩、発生した殺人事件だ。
事件が起きたのは貴族院議員アントニー・マックイーンのマックイーン邸で殺害されたのは二十数名。
屋敷の使用人を含め、主人のアントニーまで殺害された。
手口から人間による犯行ではなく、逃げ出した猛獣による獣害ではないかと締めくくられていた。
「これが何か……え? まさか」
「そのまさかなのよ、メリーさん。動物園や施設から、猛獣が脱走したという報告はないの。では一体、何が?」
「獣ではない獣のようなモノ……ですか」
「そういうこと。いずれ、紙面を賑わすのは亜人への偏見と差別……でしょうね」
そう零したサマンサ様はどこか自嘲するかのように複雑な表情を浮かべていた。
脱走した猛獣がいないのなら、犯人は獣のような特性を備えた何かということになる。
恐らく、亜人と呼ばれる異種族……。
まさか、ハルトが関わっているのだろうか。
「これは私がウィステリアだから、知り得た情報であって、当局は捜査の為に明かしていないのだけど……」
まさか。
聞きたくない。
誰のことなのか、分かった。
「容疑者は既に手配されていて、包囲網が敷かれているの」
「それがハルトなんですね」
「そうよ」
ハルトがそんなことするはずない。
ちょっと乱暴なところがあって、デリカシーにも欠けていて。
だけど優しくて、誰よりも人の命を大切にする人だと知っている。
「ねぇ、メリーさん。私、思い知らせてあげようと思うの。誰に喧嘩を売ったのかってね?」
「は、はい。サマンサ様」
サマンサ様もハルトが罪を犯していないと知っているし、信じているのだ。
私一人ではない。
誰よりも頼りになるサマンサ様が味方なのだ。
それだけで心強い。
しかし、サマンサ様が無茶振りしてくるとは思っていなかった……。
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