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第2章 幼女リリス
第11話 ヘルちゃんとおばあちゃん
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ニブルヘイムは妙な土地ですわ。
時間の進み方が緩やかと言うのかしら?
それだけではない何か、不思議な力が働いているとしか、思えませんの。
わたしやお兄様のように人ではない者や巨人族はそもそも成長や老化の速度が特殊で分かりにくかったのですけど、保護した人間族を見ているとそれが良く分かりましてよ。
モーリス・モニカ夫妻がそのいい例ですわね。
彼らはここに来た時点では老け込んでいて、老年に見えましたけど本当の年齢はまだ、中年でしたのよ。
それが今ではとても若々しくて、元気なんですもの。
もしかしたら、もしかするかもしれないとスカージとメニエがえらく、盛り上がっていましてよ。
元々、彼らは人間の国の方で虐げられていて、良くない状態でニブルヘイムにやって来たというのも大きいですわ。
アグネスはまだ、少女といってもいい年齢なのに憔悴し、かなり衰弱していたのを昨日のことのように覚えてますの。
それだけが原因とも言えませんのよね。
黄金のリンゴを携えたイズンの存在が一番、影響しているのかしら?
あの黄金のリンゴこそ、神々の命の秘密とも言われている不思議な果実のはず。
アスガルドになくて、大丈夫なのかしら? と思って、お祖母様に相談したところ、『少しは痛い目を見た方がいいのよ。放っておきなさい』と一蹴されましたの。
勿論、お祖母様とお母様が住んでいるヴァナヘイムにイズンから、分けてもらった黄金のリンゴをいくつか、届けたことは言うまでもありませんけど……。
あの二人、普段は穏やかで女神様の鑑みたいに見えますけども、ちょっと機嫌を損ねますといけませんの。
この見た目でまだまだ、親の庇護下にあるわたしがこんなにも気を遣わないといけないのは不本意かつ不自然ですけれど、仕方がないのですわ。
なぜ? そこが気になりまして?
お祖母様は妙齢の美しい女性にしか見えませんし、お母様はまだ美少女でも通るような見た目ですわ。
でも、見た目に騙されてはいけないということをよく覚えておくべきですわ。
だって……
「おたあちゃま。あんなにたくさんはいらないでしゅわ」
「まぁ。駄目よ。習い事を始めるのなら、まずは道具から揃えるのは基本よ」
ニブルヘイムに足を踏み入れられないお祖母様とは遠隔地との交信が可能な魔導器代わりの泉を介して、定期的にやり取りをしてますの。
『おたあさま」と呼んでいるのはお祖母様がおばあちゃんと呼ばれたくないので代用の呼び方ですわね。
今回もお祖母様の悪い癖が出て、わたしがドローレスから、一通りの武芸を学ぶという話に大量の武具一式が送られてきたのですわ。
その中にはヤドリギから、作られた投槍や増殖する不思議な腕輪もあるのですけど、見なかったことにしておいた方がいいのかしら?
「でしゅからぁ。たくさんはいらないんでしゅわ。鞭だけでいいのでしゅわ」
「そう。鞭なら、いいのね」
「は、はい」
お祖母様の有無を言わせない妙な迫力の前につい頷いてしまいましたわ。
後悔先に立たずですわ~!
前回の大量の武具もやっと返し終わったところでしたのに……。
またも大量の武器――それも様々な鞭が送られてきましたの!
茨のようなトゲトゲが付いた鞭。
任意の魔力を流すことで属性を変化させる魔法の鞭。
お祖母さまが趣味で収集していたのではなくて? と疑いたくなるほどに色々な物がありましてよ。
中でも目を引いたのが普段は長剣や槍の形状をしているのに一瞬で鞭のような形状に変化する連結刃ですわ。
この武器になぜか、強く心惹かれるものがあったんですもの。
時間の進み方が緩やかと言うのかしら?
それだけではない何か、不思議な力が働いているとしか、思えませんの。
わたしやお兄様のように人ではない者や巨人族はそもそも成長や老化の速度が特殊で分かりにくかったのですけど、保護した人間族を見ているとそれが良く分かりましてよ。
モーリス・モニカ夫妻がそのいい例ですわね。
彼らはここに来た時点では老け込んでいて、老年に見えましたけど本当の年齢はまだ、中年でしたのよ。
それが今ではとても若々しくて、元気なんですもの。
もしかしたら、もしかするかもしれないとスカージとメニエがえらく、盛り上がっていましてよ。
元々、彼らは人間の国の方で虐げられていて、良くない状態でニブルヘイムにやって来たというのも大きいですわ。
アグネスはまだ、少女といってもいい年齢なのに憔悴し、かなり衰弱していたのを昨日のことのように覚えてますの。
それだけが原因とも言えませんのよね。
黄金のリンゴを携えたイズンの存在が一番、影響しているのかしら?
あの黄金のリンゴこそ、神々の命の秘密とも言われている不思議な果実のはず。
アスガルドになくて、大丈夫なのかしら? と思って、お祖母様に相談したところ、『少しは痛い目を見た方がいいのよ。放っておきなさい』と一蹴されましたの。
勿論、お祖母様とお母様が住んでいるヴァナヘイムにイズンから、分けてもらった黄金のリンゴをいくつか、届けたことは言うまでもありませんけど……。
あの二人、普段は穏やかで女神様の鑑みたいに見えますけども、ちょっと機嫌を損ねますといけませんの。
この見た目でまだまだ、親の庇護下にあるわたしがこんなにも気を遣わないといけないのは不本意かつ不自然ですけれど、仕方がないのですわ。
なぜ? そこが気になりまして?
お祖母様は妙齢の美しい女性にしか見えませんし、お母様はまだ美少女でも通るような見た目ですわ。
でも、見た目に騙されてはいけないということをよく覚えておくべきですわ。
だって……
「おたあちゃま。あんなにたくさんはいらないでしゅわ」
「まぁ。駄目よ。習い事を始めるのなら、まずは道具から揃えるのは基本よ」
ニブルヘイムに足を踏み入れられないお祖母様とは遠隔地との交信が可能な魔導器代わりの泉を介して、定期的にやり取りをしてますの。
『おたあさま」と呼んでいるのはお祖母様がおばあちゃんと呼ばれたくないので代用の呼び方ですわね。
今回もお祖母様の悪い癖が出て、わたしがドローレスから、一通りの武芸を学ぶという話に大量の武具一式が送られてきたのですわ。
その中にはヤドリギから、作られた投槍や増殖する不思議な腕輪もあるのですけど、見なかったことにしておいた方がいいのかしら?
「でしゅからぁ。たくさんはいらないんでしゅわ。鞭だけでいいのでしゅわ」
「そう。鞭なら、いいのね」
「は、はい」
お祖母様の有無を言わせない妙な迫力の前につい頷いてしまいましたわ。
後悔先に立たずですわ~!
前回の大量の武具もやっと返し終わったところでしたのに……。
またも大量の武器――それも様々な鞭が送られてきましたの!
茨のようなトゲトゲが付いた鞭。
任意の魔力を流すことで属性を変化させる魔法の鞭。
お祖母さまが趣味で収集していたのではなくて? と疑いたくなるほどに色々な物がありましてよ。
中でも目を引いたのが普段は長剣や槍の形状をしているのに一瞬で鞭のような形状に変化する連結刃ですわ。
この武器になぜか、強く心惹かれるものがあったんですもの。
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