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くろいゆきと映画の話・浮かぶ時間だ
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皆様、ごきげんようですわ~。
今回、取り上げる映画は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』でしてよ。
二〇一九年に公開されたスティーブン・キング原作の『IT』の劇場版二作目。
一作目ではまだ子供だった主人公達が大人になった二十七年後を描いてますわ。
二十七年に一度の周期でベリーで活動を開始する踊るピエロ・ペニーワイズが再び、動き始め……。
冒頭では仲睦まじい様子を見せる同性愛のカップルに難癖をつけた不良グループが暴行するというショッキングなシーンから始まりましてよ。
小柄な青年エイドリアンが壮絶な暴力の果てに意識が朦朧とした瀕死の状態で川に投げ込まれ、恐怖を感じた瞬間、再び現れるペニーワイズ。
エイドリアンの恋人が川岸に駆け付けると向こう岸にぐったりしたエイドリアンを抱えたペニーワイズの姿が……。
これまで人前では捕食する姿を見せていなかったペニーワイズにしては珍しいかもしれませんわ。
ただ、ちょっと不自然なのはなぜ、急に同性愛をモチーフにした冒頭シーンなのかと思っていたら、これが伏線でしたのよね。
さて、二十七年後、生まれ故郷のベリーを離れた面々は……
ルーザーズ・クラブのリーダーだったビルは作家・脚本家になっており、妻は女優。
ただ、過去の体験のせいか、ハッピーエンドが描けず結末が気に入らないと評価されているので暗鬱としている感じかしら?
減らず口のリッチーは有名なコメディアンとして、多忙の日々。
太っちょのベンは起業家になり、会社を経営しているだけではなく、体型もすっきりとしたイケオジにクラスチェンジ。
ルーザーズのメンバーはそれぞれが子供時代の面影を残した俳優さんを起用しているのですけれど、ベンだけは子供時代が分からないくらいのビフォーアフターですわね。
エディはリスクマネージメントの専門家として、成功したビジネスマン。
ところが男性陣が割合、成功した将来を掴んでいるのに比べ、紅一点のベバリーはそうでもありませんの。
束縛しようとするDV癖のある夫の中にかつて自分を虐待していた父を思い出し、決別することに……。
一方、ベリーに残ったマイクは誓いを忘れずにペニーワイズの動向を探り続けており、動き出したペニーワイズを察知し仲間に連絡を取り悲劇が起きますの。
マイクからの連絡を聞いたメンバーはそれぞれが不思議に思いながらもベリーへと向かうことになるのですけれど、スタンリーは違う選択肢を選んでしまったのですわ。
かつての子供時代のビルを思い出し、愛情を感じながらも浴室で自らの命を絶ってしまう……。
ここでも唐突に同性愛要素が入ってくるのでちょっと違和感を感じないでもありませんわね。
一作目ではそんな空気を一切、感じさせていないだけではなく、紅一点で入ったベバリーにメンバーの男性陣がドギマギしているようにも見えましたもの。
スタンリーの訃報を思わぬ形で知ることになり、このままでは自分達も死の運命(前作で死の光を浴びたベバリーは一種の予知能力を得ており、メンバーが死ぬのを見てしまった!)からは逃げられないと覚悟したルーザーズ・クラブの面々はペニーワイズと対決しようと決意するのですわ。
ここからはメンバーそれぞれが単独行動で己の過去と向き合い、克服するソロパートになりましてよ。
この流れ、どこかで見たことがありますわ!
魔王を倒すには◯◯が必要なので◯◯を手に入れるにはそれぞれが試練を受ける。
そう! 古典的なファンタジーRPGと同じ流れですわね🌿
それぞれがペニーワイズの見せる醜悪な見た目のクリーチャーによる襲撃を受け、怯えながらもどうにか過去の思い出の品を手に入れた面々。
しかし、前作で凶悪な不良少年でルーザーズ・クラブの面々を虐めていたヘンリー・バワーズ(ペニーワイズの姦計にはまり、完全に発狂し父親を殺害した罪で精神病院の籠の鳥となっていた)が、またも登場!
なんとペニーワイズの手引きで精神病院を脱走すると因縁のナイフでエディに襲い掛かり、傷を負わせるも手痛い反撃を喰らい(胸を刺されたのに平然としている……)、図書館に思い出探しに来ていたマイクを襲撃するも……。
仲間を見捨てベリーを離れようと考えていたリッチーが思い直し、そのピンチをバワーズの頭に致命傷を与えて救ったのですわ。
ただ、これ普通に殺人事件になってしまうと思うのですけど、言及されてませんわね🌿
とにかく、RPGのようにアイテムを集め、ITを倒す! と意気込むルーザーズ・クラブの面々。
でも、ペニーワイズは堂々と彼らの前に姿を現し、どこか余裕の態度。
それもそのはず。
マイクが先住民からの教えや文献を参考に実行したペニーワイズ撃退法。
その結末は全く歯が立たずに先住民の一族が全滅していたのが真実だったんですもの。
ここにきて、まさかのペニーワイズが圧倒的有利な状況!
それでも諦めず、仲間と愛を信じたルーザーズ・クラブの大勝利へと繋がるのですけど、ここはその目で是非とも確かめていただきたいですわ~。
ペニーワイズが人間のようなピエロの姿から、ピエロの上半身にカマキリのような鎌状の両腕に蜘蛛に似た下半身と異形の姿に変じて、CG技術も駆使して動きまくりますわよ?
しかし、メンバーの一人で減らず口の口が悪いリッチー。
彼が実は子供の頃から、同性愛の傾向があったというのは当初から計画にあったのかしら?
仲間の前では常に憎まれ口を聞き、どんな場面であっても冗談を言う彼にそんな一面があるとは意外ではありますけど、冒頭の同性愛カップルやスタンリーの過去の回想でのビルへの思いが伏線であったと考えるのなら、妥当かもしれませんわ。
それでは最後に主役とも言うべき、ペニーワイズについて。
太古の昔の地球に一人ぼっちで飛来した彼? 彼女? の本来の宇宙生命体としてのシルエットが垣間見えますけど、クトゥルー神話に出てきてもおかしくない見た目ですわね。
どうやら無制限に殺して、食らい尽くすという器用な真似は出来ない特殊な体質ではないのかしら? と推理してますの。
悪魔は契約に基づいて、それに則らなければ魂を奪うことが出来ないとされてますでしょう。
ペニーワイズも対象を怖がらせるだけ、怖がらせ最大の恐怖を感じた瞬間に食べることでもっとも美味と言ってますけど、そうしないと食べられない一種の制約があるのではなくって?
人知を超えた力を持っていて、幻を見せ人間の心理を追い詰めるだけでなく、肉体的にもかなりの強さを持っているのにも関わらず、そういった物理的な手段に訴えることはあまりしないのがおかしいんですのよね。
「遊ぼうよ」という台詞もそうですし……。
さらに「お前なんて怖くない」とルーザーズ・クラブの面々から罵詈雑言を浴び、弱体化して小さくなってしまい、力を失った姿になって「お前ら、大人になったな」という台詞……。
子供のままと評されているだけあって、迷子になった力のあり余った子供が暴れていただけなのかなと考えるとちょっと可哀想にも見えるから、不思議ですわ~。
これはペニーワイズ役のビル・スカルスガルドの熱演が大きく影響してますわ。
時に幼子のような表情を見せるかと思えば、時に邪悪な捕食者の表情も見せる。
まさに当たり役ですわね。
今回、取り上げる映画は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』でしてよ。
二〇一九年に公開されたスティーブン・キング原作の『IT』の劇場版二作目。
一作目ではまだ子供だった主人公達が大人になった二十七年後を描いてますわ。
二十七年に一度の周期でベリーで活動を開始する踊るピエロ・ペニーワイズが再び、動き始め……。
冒頭では仲睦まじい様子を見せる同性愛のカップルに難癖をつけた不良グループが暴行するというショッキングなシーンから始まりましてよ。
小柄な青年エイドリアンが壮絶な暴力の果てに意識が朦朧とした瀕死の状態で川に投げ込まれ、恐怖を感じた瞬間、再び現れるペニーワイズ。
エイドリアンの恋人が川岸に駆け付けると向こう岸にぐったりしたエイドリアンを抱えたペニーワイズの姿が……。
これまで人前では捕食する姿を見せていなかったペニーワイズにしては珍しいかもしれませんわ。
ただ、ちょっと不自然なのはなぜ、急に同性愛をモチーフにした冒頭シーンなのかと思っていたら、これが伏線でしたのよね。
さて、二十七年後、生まれ故郷のベリーを離れた面々は……
ルーザーズ・クラブのリーダーだったビルは作家・脚本家になっており、妻は女優。
ただ、過去の体験のせいか、ハッピーエンドが描けず結末が気に入らないと評価されているので暗鬱としている感じかしら?
減らず口のリッチーは有名なコメディアンとして、多忙の日々。
太っちょのベンは起業家になり、会社を経営しているだけではなく、体型もすっきりとしたイケオジにクラスチェンジ。
ルーザーズのメンバーはそれぞれが子供時代の面影を残した俳優さんを起用しているのですけれど、ベンだけは子供時代が分からないくらいのビフォーアフターですわね。
エディはリスクマネージメントの専門家として、成功したビジネスマン。
ところが男性陣が割合、成功した将来を掴んでいるのに比べ、紅一点のベバリーはそうでもありませんの。
束縛しようとするDV癖のある夫の中にかつて自分を虐待していた父を思い出し、決別することに……。
一方、ベリーに残ったマイクは誓いを忘れずにペニーワイズの動向を探り続けており、動き出したペニーワイズを察知し仲間に連絡を取り悲劇が起きますの。
マイクからの連絡を聞いたメンバーはそれぞれが不思議に思いながらもベリーへと向かうことになるのですけれど、スタンリーは違う選択肢を選んでしまったのですわ。
かつての子供時代のビルを思い出し、愛情を感じながらも浴室で自らの命を絶ってしまう……。
ここでも唐突に同性愛要素が入ってくるのでちょっと違和感を感じないでもありませんわね。
一作目ではそんな空気を一切、感じさせていないだけではなく、紅一点で入ったベバリーにメンバーの男性陣がドギマギしているようにも見えましたもの。
スタンリーの訃報を思わぬ形で知ることになり、このままでは自分達も死の運命(前作で死の光を浴びたベバリーは一種の予知能力を得ており、メンバーが死ぬのを見てしまった!)からは逃げられないと覚悟したルーザーズ・クラブの面々はペニーワイズと対決しようと決意するのですわ。
ここからはメンバーそれぞれが単独行動で己の過去と向き合い、克服するソロパートになりましてよ。
この流れ、どこかで見たことがありますわ!
魔王を倒すには◯◯が必要なので◯◯を手に入れるにはそれぞれが試練を受ける。
そう! 古典的なファンタジーRPGと同じ流れですわね🌿
それぞれがペニーワイズの見せる醜悪な見た目のクリーチャーによる襲撃を受け、怯えながらもどうにか過去の思い出の品を手に入れた面々。
しかし、前作で凶悪な不良少年でルーザーズ・クラブの面々を虐めていたヘンリー・バワーズ(ペニーワイズの姦計にはまり、完全に発狂し父親を殺害した罪で精神病院の籠の鳥となっていた)が、またも登場!
なんとペニーワイズの手引きで精神病院を脱走すると因縁のナイフでエディに襲い掛かり、傷を負わせるも手痛い反撃を喰らい(胸を刺されたのに平然としている……)、図書館に思い出探しに来ていたマイクを襲撃するも……。
仲間を見捨てベリーを離れようと考えていたリッチーが思い直し、そのピンチをバワーズの頭に致命傷を与えて救ったのですわ。
ただ、これ普通に殺人事件になってしまうと思うのですけど、言及されてませんわね🌿
とにかく、RPGのようにアイテムを集め、ITを倒す! と意気込むルーザーズ・クラブの面々。
でも、ペニーワイズは堂々と彼らの前に姿を現し、どこか余裕の態度。
それもそのはず。
マイクが先住民からの教えや文献を参考に実行したペニーワイズ撃退法。
その結末は全く歯が立たずに先住民の一族が全滅していたのが真実だったんですもの。
ここにきて、まさかのペニーワイズが圧倒的有利な状況!
それでも諦めず、仲間と愛を信じたルーザーズ・クラブの大勝利へと繋がるのですけど、ここはその目で是非とも確かめていただきたいですわ~。
ペニーワイズが人間のようなピエロの姿から、ピエロの上半身にカマキリのような鎌状の両腕に蜘蛛に似た下半身と異形の姿に変じて、CG技術も駆使して動きまくりますわよ?
しかし、メンバーの一人で減らず口の口が悪いリッチー。
彼が実は子供の頃から、同性愛の傾向があったというのは当初から計画にあったのかしら?
仲間の前では常に憎まれ口を聞き、どんな場面であっても冗談を言う彼にそんな一面があるとは意外ではありますけど、冒頭の同性愛カップルやスタンリーの過去の回想でのビルへの思いが伏線であったと考えるのなら、妥当かもしれませんわ。
それでは最後に主役とも言うべき、ペニーワイズについて。
太古の昔の地球に一人ぼっちで飛来した彼? 彼女? の本来の宇宙生命体としてのシルエットが垣間見えますけど、クトゥルー神話に出てきてもおかしくない見た目ですわね。
どうやら無制限に殺して、食らい尽くすという器用な真似は出来ない特殊な体質ではないのかしら? と推理してますの。
悪魔は契約に基づいて、それに則らなければ魂を奪うことが出来ないとされてますでしょう。
ペニーワイズも対象を怖がらせるだけ、怖がらせ最大の恐怖を感じた瞬間に食べることでもっとも美味と言ってますけど、そうしないと食べられない一種の制約があるのではなくって?
人知を超えた力を持っていて、幻を見せ人間の心理を追い詰めるだけでなく、肉体的にもかなりの強さを持っているのにも関わらず、そういった物理的な手段に訴えることはあまりしないのがおかしいんですのよね。
「遊ぼうよ」という台詞もそうですし……。
さらに「お前なんて怖くない」とルーザーズ・クラブの面々から罵詈雑言を浴び、弱体化して小さくなってしまい、力を失った姿になって「お前ら、大人になったな」という台詞……。
子供のままと評されているだけあって、迷子になった力のあり余った子供が暴れていただけなのかなと考えるとちょっと可哀想にも見えるから、不思議ですわ~。
これはペニーワイズ役のビル・スカルスガルドの熱演が大きく影響してますわ。
時に幼子のような表情を見せるかと思えば、時に邪悪な捕食者の表情も見せる。
まさに当たり役ですわね。
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