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7 ブラックタイガー
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そいつが発しているんだろう。
しゅうしゅうという耳障りな音は呼吸音とは思えなかった。
それまで一切、そんな音はしていなかったからだ。
わざと音をさせているんだ!
あいつにとって、俺達は獲物ってことか。
「何だよ、あれ?」
「あれはあれよ? あれを狩るのが試練って訳。理解した?」
「お、おう」
「んが!」
あれ。
俺達に向けて、威嚇するように耳障りな音を立てるそいつはありえない生き物に見えた。
魔物と呼ばれる生物は、確かに野生動物とは一線を画す存在だと思う。
野生動物ではありえない不思議な生態や見た目をしたものが多い。
そんな魔物と小さい頃から、追いかけっこをしていた俺だ。
だが、そいつはどう考えてもおかしいんだ。
ここは陸だろう?
何で水中にいるはずの生物――エビが普通に動いているんだ?
おまけに大きくないか。
俺と同じくらいでかいんだが!
エビはだいたい、直立して動く生き物だったか……。
「さすがにあんたでもあれは見たこと無いんだ? へぇ」
「だから、あれは何だよ!」
「ブラックタイガー」
「何だ、それ? 黒い虎? 何で北の言葉で呼ばれているんだ?」
「そんなこと知らないわよ。はい、はい。お喋りしていたら、死ぬわよ」
ああ、そういうことか。
黒い虎の意味も何となく、分かった。
灰色の体色をしていて、虎の黒い縦縞を思わせる黒っぽい模様があるからだろう。
それに虎というだけあって、エビとは思えない口をしていた。
ダラダラと涎を垂らす口にはびっしりと鋭い牙が生えている。
あれで俺達をムシャムシャと食べる気か?
しかもあの涎、おかしいだろ……。
地面に滴り落ちると白煙が出ているんだが。
「あれの体液って、もしかして、もしかするのか?」
「あんた、バカなの? 見れば分かるでしょ、見れば!」
「だよな」
何でオルガはこうもあからさまに敵意を隠そうともしないのか。
態度が悪いから、学院では猫を被っていただけでこれが地なんだろうが……。
それにしたって、口が悪いにも程があると思うんだ。
「試練はあれを倒すんだよな?」
「そうよ。同じことを何度も言わせないでくれる?」
「んーが」
でかいの……スリーパーからは何とも言えない同情に似た視線を送られた気がする。
こいつはこのマシンガン口撃してくる性悪と行動していたみたいだから、仲間意識ってやつか?
しかし、そうじゃない。
そこが問題じゃないぞ。
「どうやって、戦うんだよ。武器がないぞ」
「バ~カ! あるわよ。ない人は作るのよ。それも試練ってことね。現地調達が基本なのは三歳児でも知ってるわよ? あとは己の肉体を信じれば、いいんじゃない?」
なんてヤツだ。
悪魔だ。
魔女だ。
目の前のエビ野郎と後ろの魔女。
敵だらけじゃないか。
待て、冷静になるんだ。
スリーパーは大きなナップザックを背負っているだけで手ぶら。
ならば、オルガが手に持っているのが武器ってことか?
いや……。
それ、あのエビ野郎の腕だよな?
腕を先端部分にして、骨と組み合わせただけだな……。
マジか。
いや、マジなんだろうな。
少なくともエビ野郎は俺達を見逃してくれそうには見えない。
目の前のディナーを前に舌なめずりしているんだ、こいつは……。
しゅうしゅうという耳障りな音は呼吸音とは思えなかった。
それまで一切、そんな音はしていなかったからだ。
わざと音をさせているんだ!
あいつにとって、俺達は獲物ってことか。
「何だよ、あれ?」
「あれはあれよ? あれを狩るのが試練って訳。理解した?」
「お、おう」
「んが!」
あれ。
俺達に向けて、威嚇するように耳障りな音を立てるそいつはありえない生き物に見えた。
魔物と呼ばれる生物は、確かに野生動物とは一線を画す存在だと思う。
野生動物ではありえない不思議な生態や見た目をしたものが多い。
そんな魔物と小さい頃から、追いかけっこをしていた俺だ。
だが、そいつはどう考えてもおかしいんだ。
ここは陸だろう?
何で水中にいるはずの生物――エビが普通に動いているんだ?
おまけに大きくないか。
俺と同じくらいでかいんだが!
エビはだいたい、直立して動く生き物だったか……。
「さすがにあんたでもあれは見たこと無いんだ? へぇ」
「だから、あれは何だよ!」
「ブラックタイガー」
「何だ、それ? 黒い虎? 何で北の言葉で呼ばれているんだ?」
「そんなこと知らないわよ。はい、はい。お喋りしていたら、死ぬわよ」
ああ、そういうことか。
黒い虎の意味も何となく、分かった。
灰色の体色をしていて、虎の黒い縦縞を思わせる黒っぽい模様があるからだろう。
それに虎というだけあって、エビとは思えない口をしていた。
ダラダラと涎を垂らす口にはびっしりと鋭い牙が生えている。
あれで俺達をムシャムシャと食べる気か?
しかもあの涎、おかしいだろ……。
地面に滴り落ちると白煙が出ているんだが。
「あれの体液って、もしかして、もしかするのか?」
「あんた、バカなの? 見れば分かるでしょ、見れば!」
「だよな」
何でオルガはこうもあからさまに敵意を隠そうともしないのか。
態度が悪いから、学院では猫を被っていただけでこれが地なんだろうが……。
それにしたって、口が悪いにも程があると思うんだ。
「試練はあれを倒すんだよな?」
「そうよ。同じことを何度も言わせないでくれる?」
「んーが」
でかいの……スリーパーからは何とも言えない同情に似た視線を送られた気がする。
こいつはこのマシンガン口撃してくる性悪と行動していたみたいだから、仲間意識ってやつか?
しかし、そうじゃない。
そこが問題じゃないぞ。
「どうやって、戦うんだよ。武器がないぞ」
「バ~カ! あるわよ。ない人は作るのよ。それも試練ってことね。現地調達が基本なのは三歳児でも知ってるわよ? あとは己の肉体を信じれば、いいんじゃない?」
なんてヤツだ。
悪魔だ。
魔女だ。
目の前のエビ野郎と後ろの魔女。
敵だらけじゃないか。
待て、冷静になるんだ。
スリーパーは大きなナップザックを背負っているだけで手ぶら。
ならば、オルガが手に持っているのが武器ってことか?
いや……。
それ、あのエビ野郎の腕だよな?
腕を先端部分にして、骨と組み合わせただけだな……。
マジか。
いや、マジなんだろうな。
少なくともエビ野郎は俺達を見逃してくれそうには見えない。
目の前のディナーを前に舌なめずりしているんだ、こいつは……。
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