28 / 46
第20話 鬼神VS剛勇
しおりを挟む
「さあ、見せてもらおうか。剛勇で知られたクシカの実力とやらをね」
こういう戦場で先陣を切って、陣頭に立つ指揮官は珍しいだろう。
指揮官は戦場を把握出来る場所から、全体を判断し、いち早く撤退しないといけない立場にあるからね。
余程、腕に自信があるとか、カリスマ的な指揮官なら、陣頭に立つのもありだろうが……。
クシカは剛勇の者と聞いているが、戦場での指揮官としての立場は弁えているようで後方にいるようだ。
それは好都合だよ。
俺が頭を狙いやすいってことさ。
俺を乗せ、一気に加速するヴェルミリオンのスピードについて来れる飛竜はいない。
飛竜で編成された竜騎兵の飛行スピードは騎兵とは比べ物にならないくらい速い。
そのせいでドラゴンライダーになれる人間は少ない。
その中でもヴェルミリオンは別格の存在なのだ。
飛竜の女王と呼ばれるのは伊達じゃないってことだ。
つまり、俺は単騎で突出してしまっている状態になっている訳だが、これもいつものことだからな。
圧倒的なパワーとスピードで単騎突撃し、敵の動きを陽動した上で後から来る本隊により、掃討する。
これがうちの軍の常勝戦術だ。
「ヴェル、一気に頭を取りに行く! 遠慮はいらん」
「イエス、我が主! 雑魚どもよ、去ね」
ヴェルミリオンの両翼は紅蓮の炎に包まれており、高速で低空を飛行している。
その飛行速度により発生する衝撃波と翼から発せられた炎が混合した凶悪な破壊の熱波がクシカ軍後方に襲い掛かる訳だ。
いや、見るのも嫌になるくらいの惨状だよ?
火炎放射器を撒き散らす、ジェット機が来たって感じだからね。
見ると焼肉を暫く、食べたくなくなるとだけ、言っておこうか。
「おお、いたいた。見つけたぞ。挨拶と行こう」
それだけで察してくれるヴェルは本当にいいパートナーだ。
飛行速度を落としてくれたヴェルから、地上に見えるクシカの本陣目掛けて、飛び降りた。
ドカンという派手な着地音と凄まじい砂煙が上がって、小さなクレーターが出来てしまったが、どうということはない!
「いやー。クシカ先輩、お久しぶりです」
善い子は真似をしちゃいけないぞ?
いくら低空飛行でも普通の人間は死んでしまうからな。
おっと、そんなことを言っている場合ではなかったか。
「リンブルク!? 貴様、何しにここに来た? おまけにあれは……さては裏切りか?」
「いやあ、お察しがいいようで助かりますよ、先輩。一つ、俺と戦ってもらえやしませんかね?」
クシカは先日の戦でシュテルンくんに射殺されたクカリとは親友で行動をともにすることが多いド・プロット軍の重鎮と言っても過言ではない存在だ。
クカリのやつは女は犯せ! 男は殺せ! を自分の隊にまで浸透させる外道だったのに加え、邪神を崇拝する邪教徒だった。
だから、躊躇いなく殺せたんだが、こいつはどうだろうね?
ド・プロットのところに属しているのは俺と同じ日本人だったエレミア以外、基本的に外道なところは一緒なんであまり、同情する気にならないんだよね。
確か、裏設定では恐妻家なんだったか?
割合、しっかりしたきれいな奥さんなんだが、やたらと嫉妬深くて、クシカの側に少しでも女の影がちらつくと般若になってしまう。
そんな裏設定だったかな。
だからって、生かしておく意味あるかね?
「リンブルク! 貴様、ド・プロットさまのお気に入りだからといって、調子に乗るなよ? この俺の大刀の錆にしてくれるわ!」
「お手柔らかにお願いしますよ、先輩」
俺は得物のブリュントロルを右手一本で構えると両手で大刀を構えているクシカと正面切って向き合った。
ブリュントロルは形状は斧槍と称せられるハルバードに分類される物だが、厳密にはハルバードじゃない。
というのも普通のハルバードは片刃。
ブリュントロルは直槍の穂先に両刃の斧が付いた特殊な仕様になっている。
刃に古代文字で『鎧を破るもの』という銘が刻まれているだけあって、折り紙付きの性能だ。
「うおおおおおお!」
クシカが渾身の力を込めて、大刀を振るってくるが俺は片手一本で軽く、受け止める。
青筋を立て、血管が切れるんじゃないかって、凄まじい形相で全体重を乗せてくるが俺は何とも感じない。
片手で余裕というより、指先だけで止められるんじゃないかという気さえ、してくる。
フレデリクの武力は本当、おかしいな。
「先輩、本気でそれですか?」
剛勇というから、どれくらいの者か、少しくらいは期待していたんだがな。
いやあ、残念だ。
一割くらいしか、力を出していないのにこれだから、生あくびが出そうな怠さだよ。
ほんのちょっとだけ、力を入れ、受け止めていた刃を弾き返してやると三メートルくらい吹っ飛んでしまったようだ。
危ないな。
力加減が実に難しい。
「き、貴様ぁ、本気ではないな」
「ええ、本気が見たいんですか? やめた方がいいと思いますよ。少しだけ、見せましょうか?」
俺は右翼に展開しているド・プロットの騎兵五万に向け、両手で構えたハルバードを最上段から、振り下ろした。
だいたい、四割くらいの力だ。
五割も出したら、危ないかもしれない。
そう思っていた俺がどうやら、甘かったようだ。
振り下ろされた刃先から、放たれた剣圧は大地を凄まじい勢いで抉っていき、地割れが発生した。
それだけなら、まだ、良かった。
巻き込まれた騎兵のうち、三割くらいがミンチより酷い状態の肉塊と化していた。
その先にあった森と丘も少々、酷い景観になってしまったようだが俺は知らない、見ていない。
「あばばばばば」
「今のでまあ、四割ってところですよ。それに俺はあと変身を三回残し……おーい、先輩?」
変身とか、嘘なんだが。
あれだけ強気だったクシカが口から泡を吹いて、卒倒してしまった。
何だ、意外と歯応えがないやつだなぁ。
剛勇だから、もう少し骨のある男だと思っていたんだが、残念だ。
やっぱり、主人公さまクラスでないとまともにやり合えないということか?
「おや、片付いたようだね」
涼やかな聞き覚えのある声に振り向くと白馬に跨った貴公子の姿がそこにあった。
こういう戦場で先陣を切って、陣頭に立つ指揮官は珍しいだろう。
指揮官は戦場を把握出来る場所から、全体を判断し、いち早く撤退しないといけない立場にあるからね。
余程、腕に自信があるとか、カリスマ的な指揮官なら、陣頭に立つのもありだろうが……。
クシカは剛勇の者と聞いているが、戦場での指揮官としての立場は弁えているようで後方にいるようだ。
それは好都合だよ。
俺が頭を狙いやすいってことさ。
俺を乗せ、一気に加速するヴェルミリオンのスピードについて来れる飛竜はいない。
飛竜で編成された竜騎兵の飛行スピードは騎兵とは比べ物にならないくらい速い。
そのせいでドラゴンライダーになれる人間は少ない。
その中でもヴェルミリオンは別格の存在なのだ。
飛竜の女王と呼ばれるのは伊達じゃないってことだ。
つまり、俺は単騎で突出してしまっている状態になっている訳だが、これもいつものことだからな。
圧倒的なパワーとスピードで単騎突撃し、敵の動きを陽動した上で後から来る本隊により、掃討する。
これがうちの軍の常勝戦術だ。
「ヴェル、一気に頭を取りに行く! 遠慮はいらん」
「イエス、我が主! 雑魚どもよ、去ね」
ヴェルミリオンの両翼は紅蓮の炎に包まれており、高速で低空を飛行している。
その飛行速度により発生する衝撃波と翼から発せられた炎が混合した凶悪な破壊の熱波がクシカ軍後方に襲い掛かる訳だ。
いや、見るのも嫌になるくらいの惨状だよ?
火炎放射器を撒き散らす、ジェット機が来たって感じだからね。
見ると焼肉を暫く、食べたくなくなるとだけ、言っておこうか。
「おお、いたいた。見つけたぞ。挨拶と行こう」
それだけで察してくれるヴェルは本当にいいパートナーだ。
飛行速度を落としてくれたヴェルから、地上に見えるクシカの本陣目掛けて、飛び降りた。
ドカンという派手な着地音と凄まじい砂煙が上がって、小さなクレーターが出来てしまったが、どうということはない!
「いやー。クシカ先輩、お久しぶりです」
善い子は真似をしちゃいけないぞ?
いくら低空飛行でも普通の人間は死んでしまうからな。
おっと、そんなことを言っている場合ではなかったか。
「リンブルク!? 貴様、何しにここに来た? おまけにあれは……さては裏切りか?」
「いやあ、お察しがいいようで助かりますよ、先輩。一つ、俺と戦ってもらえやしませんかね?」
クシカは先日の戦でシュテルンくんに射殺されたクカリとは親友で行動をともにすることが多いド・プロット軍の重鎮と言っても過言ではない存在だ。
クカリのやつは女は犯せ! 男は殺せ! を自分の隊にまで浸透させる外道だったのに加え、邪神を崇拝する邪教徒だった。
だから、躊躇いなく殺せたんだが、こいつはどうだろうね?
ド・プロットのところに属しているのは俺と同じ日本人だったエレミア以外、基本的に外道なところは一緒なんであまり、同情する気にならないんだよね。
確か、裏設定では恐妻家なんだったか?
割合、しっかりしたきれいな奥さんなんだが、やたらと嫉妬深くて、クシカの側に少しでも女の影がちらつくと般若になってしまう。
そんな裏設定だったかな。
だからって、生かしておく意味あるかね?
「リンブルク! 貴様、ド・プロットさまのお気に入りだからといって、調子に乗るなよ? この俺の大刀の錆にしてくれるわ!」
「お手柔らかにお願いしますよ、先輩」
俺は得物のブリュントロルを右手一本で構えると両手で大刀を構えているクシカと正面切って向き合った。
ブリュントロルは形状は斧槍と称せられるハルバードに分類される物だが、厳密にはハルバードじゃない。
というのも普通のハルバードは片刃。
ブリュントロルは直槍の穂先に両刃の斧が付いた特殊な仕様になっている。
刃に古代文字で『鎧を破るもの』という銘が刻まれているだけあって、折り紙付きの性能だ。
「うおおおおおお!」
クシカが渾身の力を込めて、大刀を振るってくるが俺は片手一本で軽く、受け止める。
青筋を立て、血管が切れるんじゃないかって、凄まじい形相で全体重を乗せてくるが俺は何とも感じない。
片手で余裕というより、指先だけで止められるんじゃないかという気さえ、してくる。
フレデリクの武力は本当、おかしいな。
「先輩、本気でそれですか?」
剛勇というから、どれくらいの者か、少しくらいは期待していたんだがな。
いやあ、残念だ。
一割くらいしか、力を出していないのにこれだから、生あくびが出そうな怠さだよ。
ほんのちょっとだけ、力を入れ、受け止めていた刃を弾き返してやると三メートルくらい吹っ飛んでしまったようだ。
危ないな。
力加減が実に難しい。
「き、貴様ぁ、本気ではないな」
「ええ、本気が見たいんですか? やめた方がいいと思いますよ。少しだけ、見せましょうか?」
俺は右翼に展開しているド・プロットの騎兵五万に向け、両手で構えたハルバードを最上段から、振り下ろした。
だいたい、四割くらいの力だ。
五割も出したら、危ないかもしれない。
そう思っていた俺がどうやら、甘かったようだ。
振り下ろされた刃先から、放たれた剣圧は大地を凄まじい勢いで抉っていき、地割れが発生した。
それだけなら、まだ、良かった。
巻き込まれた騎兵のうち、三割くらいがミンチより酷い状態の肉塊と化していた。
その先にあった森と丘も少々、酷い景観になってしまったようだが俺は知らない、見ていない。
「あばばばばば」
「今のでまあ、四割ってところですよ。それに俺はあと変身を三回残し……おーい、先輩?」
変身とか、嘘なんだが。
あれだけ強気だったクシカが口から泡を吹いて、卒倒してしまった。
何だ、意外と歯応えがないやつだなぁ。
剛勇だから、もう少し骨のある男だと思っていたんだが、残念だ。
やっぱり、主人公さまクラスでないとまともにやり合えないということか?
「おや、片付いたようだね」
涼やかな聞き覚えのある声に振り向くと白馬に跨った貴公子の姿がそこにあった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
幼子家精霊ノアの献身〜転生者と過ごした記憶を頼りに、家スキルで快適生活を送りたい〜
犬社護
ファンタジー
むか〜しむかし、とある山頂付近に、冤罪により断罪で断種された元王子様と、同じく断罪で国外追放された元公爵令嬢が住んでいました。2人は異世界[日本]の記憶を持っていながらも、味方からの裏切りに遭ったことで人間不信となってしまい、およそ50年間自給自足生活を続けてきましたが、ある日元王子様は寿命を迎えることとなりました。彼を深く愛していた元公爵令嬢は《自分も彼と共に天へ》と真摯に祈ったことで、神様はその願いを叶えるため、2人の住んでいた家に命を吹き込み、家精霊ノアとして誕生させました。ノアは、2人の願いを叶え丁重に葬りましたが、同時に孤独となってしまいます。家精霊の性質上、1人で生き抜くことは厳しい。そこで、ノアは下山することを決意します。
これは転生者たちと過ごした記憶と知識を糧に、家スキルを巧みに操りながら人々に善行を施し、仲間たちと共に世界に大きな変革をもたす精霊の物語。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる