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3エロフラグはいらん
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殿下の手土産は予想通り、緑茶だった。美味しかった。だから飲みすぎた。結果ーー
「お、俺の胸が膨らんでる!?!?」
そう、女になってしまったのだ!!!!
「って、んなわけあるかぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
おい、どうなってんだ!?
俺の息子も令嬢から評価が高かったイケボも、今や影も形もなくなっている。
「お、お兄様! これは一体どういうことで!?!?」
書類仕事に忙しい兄を、部屋から引っ張り出して泣く泣く訴えると、兄は眉をピクンと動かした。うん、動かした。それだけだった。反射的にギュッと石を握る。不安しかない。
「ルヴィル、お茶を飲んだな?」
「は、はい」
ふぅ~と溜息を吐いた兄は、珍しく顰めっ面をしていた。いつもは無表情なんだが……それほど悪い事態なのか。
「そのお茶は、東の国でも入手困難な呪具として用いられるものだ」
呪具!?!? 小さい頃、お母様から聞いた事がある。あなたには呪具が効いてしまうから気をつけなさいって。
「え、つまり?」
「解除方法はない。あ、いや、あるにはあるが……」
「なんですか」
「その茶葉を渡してきた人物とキスを……」
え、まって。なにそのエロフラグ。やめろよ。マジで、そんなんいらん。作った奴、絶対悪意あるだろ。
「あ、じゃあ俺は今日から女として生きていきます。戸籍の移動をお願いします。それからルヴィルは事故死したことにしてください。じゃ」
前世女だった俺は別に抵抗などない。あのクソ殿下がなにを思って俺に呪具を渡してきたのかは知らないが、殿下にキスをねだるよりそのままで生きて行く方がマシだ。
「そうか。お前がそう言うなら、お前はこれからルーナという名を名乗るが良い。お母様は東の国出身だし、そこから観光に来たことにしよう。後はお前がどうしたいかだが……」
俺の要望を兄は受け入れてくれた。
この後どうしたいか? そんなの決まってる。
「じゃあ、俺、あ、いや、私はこれから旅にでます」
このままだと殿下から何かしらのアプローチがあると俺は考えた。自意識過剰だって? いいよ、言っとけ! 俺は可能性の芽は全て踏み潰す派なんだ。
「分かった。だが、すぐには難しい。父には私から言っておこう」
あぁ、我が兄にして神がここにいらっしゃる!
「ありがとうございます! この御恩は忘れません」
「そうか、なら、東の国の饅頭とやらの調理方法を送ってくれ。あれが食べてみたくてな。なんでも行ったものにしか秘伝のレシピを教えてくれないらしい。お前は優秀だし観察眼もあるから出来るだろう?」
お兄様の目がキラキラしていらっしゃる。こんな顔は1000年に一度、見れるかどうか分からない程貴重なものだ。そして、お兄様よ。遠慮なく恩を売りつけるのですね。ま、分かっちゃいたけど。
「分かりました。では、おれ……いや、私は旅の準備をするので失礼しますね」
「あぁ」
スンとまた無表情に戻った兄の後ろ姿を見送って俺は意気揚々と部屋に駆け込んだ。
旅の格好だが、このまま男装の方がいいだろう。女の1人旅は危険だ。腕に自信があればよかったのだが、残念ながら全くもって自信がない。
それに、男装するなら服は以前のものがある。よく、殿下がお忍びが好きだったのでその時のために買っておいた平民の服が何着かあるからだ。
皮肉にも、殿下お陰で準備が楽になった。
「ルーナ、資金を渡しておこう」
あの後、兄からそこそこの金額を受け取った。1年はのんびり遊んで暮らせるような額だ。
「ありがとうございます」
「気をつけてな。父には伝えておいた」
見送りは兄だけ。これも、俺の女体化を思えば仕方がない。殿下にはいつか罰を受けてもらおう。そう、強く心の中で決心した。
俺の国は言っちゃあなんだが、世界で1番広い。だから、国から出るにも馬車で半年ほどかかる。普通なら。そう、普通ならな!
今回ばかりは、使わせてもらうぜ。秘密の通路!
殿下でさえも知らない、昔見つけた隣国へ繋がる地下通路。それは伯爵家の領地ーー旧王国の領地ーーに存在した。伯爵家はもともと王国の貴族だっていう歴史があるから不思議じゃない。俺は今回、そこを通って隣国に行く予定だ。そこを通れば、関門に引っかからないし~!
ご先祖サマよ、ありがたやぁ、ありがたやぁ!
そう心の中で歌いながら、俺は意気揚々と地下通路に入って行ったのだった。まさか、殿下の手がこちらにまで迫っているとは思わなかった……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【日記スペース~お兄様より~】
実は、殿下から知らされたのだが、あの呪具の呪いを解くには期限がある。ルヴィルは最後まで聞かなかったが、一応良心が痛むのでここに書いておこう。
呪いを解く期限とは、お茶を飲んでから9日までに呪具を仕掛けた相手とキスすること。
10日以降は呪いが定着して女のまま一生を過ごさないといけない……
とはいえ、女体化したルヴィルーーいや、ルーナはかわいかったな。あの口調さえ治れば、引く手数多だろうに。
まぁ、過ぎたことはしょうがない。ルヴィルの今後が気になる方は感想とお気に入り登録、よろしく。
「お、俺の胸が膨らんでる!?!?」
そう、女になってしまったのだ!!!!
「って、んなわけあるかぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
おい、どうなってんだ!?
俺の息子も令嬢から評価が高かったイケボも、今や影も形もなくなっている。
「お、お兄様! これは一体どういうことで!?!?」
書類仕事に忙しい兄を、部屋から引っ張り出して泣く泣く訴えると、兄は眉をピクンと動かした。うん、動かした。それだけだった。反射的にギュッと石を握る。不安しかない。
「ルヴィル、お茶を飲んだな?」
「は、はい」
ふぅ~と溜息を吐いた兄は、珍しく顰めっ面をしていた。いつもは無表情なんだが……それほど悪い事態なのか。
「そのお茶は、東の国でも入手困難な呪具として用いられるものだ」
呪具!?!? 小さい頃、お母様から聞いた事がある。あなたには呪具が効いてしまうから気をつけなさいって。
「え、つまり?」
「解除方法はない。あ、いや、あるにはあるが……」
「なんですか」
「その茶葉を渡してきた人物とキスを……」
え、まって。なにそのエロフラグ。やめろよ。マジで、そんなんいらん。作った奴、絶対悪意あるだろ。
「あ、じゃあ俺は今日から女として生きていきます。戸籍の移動をお願いします。それからルヴィルは事故死したことにしてください。じゃ」
前世女だった俺は別に抵抗などない。あのクソ殿下がなにを思って俺に呪具を渡してきたのかは知らないが、殿下にキスをねだるよりそのままで生きて行く方がマシだ。
「そうか。お前がそう言うなら、お前はこれからルーナという名を名乗るが良い。お母様は東の国出身だし、そこから観光に来たことにしよう。後はお前がどうしたいかだが……」
俺の要望を兄は受け入れてくれた。
この後どうしたいか? そんなの決まってる。
「じゃあ、俺、あ、いや、私はこれから旅にでます」
このままだと殿下から何かしらのアプローチがあると俺は考えた。自意識過剰だって? いいよ、言っとけ! 俺は可能性の芽は全て踏み潰す派なんだ。
「分かった。だが、すぐには難しい。父には私から言っておこう」
あぁ、我が兄にして神がここにいらっしゃる!
「ありがとうございます! この御恩は忘れません」
「そうか、なら、東の国の饅頭とやらの調理方法を送ってくれ。あれが食べてみたくてな。なんでも行ったものにしか秘伝のレシピを教えてくれないらしい。お前は優秀だし観察眼もあるから出来るだろう?」
お兄様の目がキラキラしていらっしゃる。こんな顔は1000年に一度、見れるかどうか分からない程貴重なものだ。そして、お兄様よ。遠慮なく恩を売りつけるのですね。ま、分かっちゃいたけど。
「分かりました。では、おれ……いや、私は旅の準備をするので失礼しますね」
「あぁ」
スンとまた無表情に戻った兄の後ろ姿を見送って俺は意気揚々と部屋に駆け込んだ。
旅の格好だが、このまま男装の方がいいだろう。女の1人旅は危険だ。腕に自信があればよかったのだが、残念ながら全くもって自信がない。
それに、男装するなら服は以前のものがある。よく、殿下がお忍びが好きだったのでその時のために買っておいた平民の服が何着かあるからだ。
皮肉にも、殿下お陰で準備が楽になった。
「ルーナ、資金を渡しておこう」
あの後、兄からそこそこの金額を受け取った。1年はのんびり遊んで暮らせるような額だ。
「ありがとうございます」
「気をつけてな。父には伝えておいた」
見送りは兄だけ。これも、俺の女体化を思えば仕方がない。殿下にはいつか罰を受けてもらおう。そう、強く心の中で決心した。
俺の国は言っちゃあなんだが、世界で1番広い。だから、国から出るにも馬車で半年ほどかかる。普通なら。そう、普通ならな!
今回ばかりは、使わせてもらうぜ。秘密の通路!
殿下でさえも知らない、昔見つけた隣国へ繋がる地下通路。それは伯爵家の領地ーー旧王国の領地ーーに存在した。伯爵家はもともと王国の貴族だっていう歴史があるから不思議じゃない。俺は今回、そこを通って隣国に行く予定だ。そこを通れば、関門に引っかからないし~!
ご先祖サマよ、ありがたやぁ、ありがたやぁ!
そう心の中で歌いながら、俺は意気揚々と地下通路に入って行ったのだった。まさか、殿下の手がこちらにまで迫っているとは思わなかった……
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【日記スペース~お兄様より~】
実は、殿下から知らされたのだが、あの呪具の呪いを解くには期限がある。ルヴィルは最後まで聞かなかったが、一応良心が痛むのでここに書いておこう。
呪いを解く期限とは、お茶を飲んでから9日までに呪具を仕掛けた相手とキスすること。
10日以降は呪いが定着して女のまま一生を過ごさないといけない……
とはいえ、女体化したルヴィルーーいや、ルーナはかわいかったな。あの口調さえ治れば、引く手数多だろうに。
まぁ、過ぎたことはしょうがない。ルヴィルの今後が気になる方は感想とお気に入り登録、よろしく。
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