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4殿下はクズだぁ!!!!
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地下通路生活10日目。お風呂? 無いよ。だけどね、所々地下水が染み出してきている所があるから身体を拭くぐらいはしていた。
ここ数日、髪が伸びるのが異常に早い。切っても切っても伸びてくるから、最後は放置した。今? 今は腰より下ぐらいまで伸びてる。まぁ、最近は落ち着いてきたけどね。
後は胸がデカくなった。尻も……マジ服がキツい。前世なら喜んでたけど、今世は全然嬉しく無い。
「マジ最悪」
ボンキュッボンを体現したかのような身体付きに悪態をつく俺を一体誰が責められようか。今や、男時代に着ていた俺の服は、彼シャツ感満載となってしまっていた。畜生が!!!!
「あのクソ野郎。会ったらただじゃおかない!」
一体俺が何をしたって言うのか? イライラしてくるが、そろそろこの秘密の通路ともおさらばだ。
一度探検した時に、隣国までは約15日ほどかかった。一体どういう構造なのかは知らないが、国外に行くのにこれほど便利な通路はないだろう。
探検した時、俺はまだ7歳だった。お母様と一緒に探検したんだっけな。まぁ、そういうわけだから、成人間近な俺の足だと多分10日ほどで行けるはず。
「おっ! 明かりだ!」
前方に、出口が見える。木の葉が生い茂るこの場所は、もうすでに隣国だ。
「やった!」
思わず駆け足になる。が、すぐに足を止めた。人影が見えたような気がしたからだ。
なんだ? 旅人がこっちに迷い込んだか?
「厄介だな」
この通路が帝国に通じていることがわかれば、結構めんどくさいことになる。
ここは少し隠れていようか。
ちょうど脇に、いい感じの空間があったのでそこに入り込んだ。
「おい」
その直後だ。背後から肩を叩かれ、通路へと引き摺り出されたのは。
「うぎゃぁぁぁぁぁ!?!?」
「ルヴィル、久しぶりだな? いや、今はルーナ、か?」
「は? はぁ? な、な、なんで……?」
そこには、今回の騒動の原因がいた。いつもの仏頂面を崩して、不気味な微笑みを浮かべる人物。
「積もる話は後だ。ご苦労だったな」
「いや、おかし……もご!?!?」
口を開いた瞬間、ハンカチを鼻に当てられた。ツンとした臭いは薬の匂い。すぐに意識が遠くなり、暗闇に飲み込まれた。
◇A few hours later◇
「ん……ぐっ」
ズキズキと頭を苛む頭痛によって意識が戻った俺は、見慣れない部屋にポカンと口を開けた。
「起きたかルーナ」
あ、起きなきゃよかった。てか、なんで殿下はバスローブ姿なの? ちなみに俺もだね。え、おかしいだろ。首元に手をやれば、石は……ちゃんとあった。大丈夫だ。
安心して、俺を見下ろす男に目を向けた。
「殿下」
「なんだ?」
「一体どういうことですか? 俺に呪具使ったりどうして知ったのか興味はありませんが、わざわざ地下通路の隣国に通じる出口で待ち伏せしていたり……」
ふざけんなよこのクソ殿下が!
話しながら、掛け布団を身体に巻きつける。だって寒いもん。何故か俺、風呂に入ってたみたいだし。
「ルーナが私から離れようとするからだ」
ゆっくりと口を開いた殿下の言い分。正直呆れた。
マジかよ? そんな幼子みたいなわがままで、こんなことしたわけ?
「俺は離れようとしたんじゃなくて、離れざるを得なかったんです」
嘘だけど。全力で離れようとしたけど。そこはまぁ。黙っておくのが"大人の都合"というやつである。
「ルーナ、私は何故かいつもお前が他の奴らに話しかけているのが我慢ならなかった。お前が逃げようとして確信した。お前は私のものにならなければならない」
「はぁ。ご遠慮いたします。おれ、男ですし」
「今は、女だろう?」
サッとベットから飛び降りた俺を褒めてほしい。先程まで俺が座っていた場所には目をギラつかせた殿下がいるんだから。
「アンタ、分かってます? 俺、一応貴族ですよ? 王族といえども、臣下を好き勝手していいわけじゃ無いでしょ」
自分の口から出る言葉が敬語で無くなっているのは気づいている。もう、そんなの気にする余裕がない。前世は女でも、今世は男だ。呪具で性別が変わっていても心は男のままなのだ。だからこそ、男から迫られることに抵抗があるし、そもそも殿下のことが好きじゃない。
「ルヴィルは死んだ。今のお前は、他国から帝国に嫁いできたルーナだ」
低い声でゆっくりと告げられた内容に、俺はピキリと固まった。おい待て。もしや、兄までもがグルだってのか!?!?
「ふっ、その顔は気づいたか? そうだ、お前の兄も父も全員が私の計画に乗った。まぁ、対価は安くはなかったがな」
兄よ! 饅頭よりも弟を売る方が対価が魅力的だったのか!?!?
「俺は承諾していない」
「お前の決定権は必要ない。まだ未成年だからな。保護者の伯爵に決定権がある」
いやまって。殿下、ゲスすぎん? ゲスじゃん!!!!
「ふざけんなよ」
まるで豹が獲物を狙うように、ゆっくりと近づいてくる殿下からジリジリと距離をとりながら俺は出口までの通路を確認した。
このまま、走ればなんとか逃げられるだろうか?
いや、だが、殿下のことだ。ドアに鍵をかけているかもしれない。それなら、開いている窓から逃げるか? 幸い、ここは2階のようだし、近くに足場のようなものもある。
「俺はアンタのもんにはならねぇよ」
そう言い捨てて、俺は開いている窓へ走った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【日記スペースby作者】
ちなみに、2階から飛び降りようとする行為は大変危険であり、一度2階の階段から飛び降りをした作者は足の骨にヒビが入りました。
別に追われていたわけではなく、なんとなく飛び降りた方が一段ずつ降りるより楽じゃね? と思い立ったからでした。
ちなみにその当時は小学生でしたので、母に叱られ、父に叱られ……散々な目にあったのを覚えております。
感想とお気に入り登録、よろしくお願いします。もしよければ、読者の皆様のやんちゃ体験を教えてくださると嬉しいです。
ここ数日、髪が伸びるのが異常に早い。切っても切っても伸びてくるから、最後は放置した。今? 今は腰より下ぐらいまで伸びてる。まぁ、最近は落ち着いてきたけどね。
後は胸がデカくなった。尻も……マジ服がキツい。前世なら喜んでたけど、今世は全然嬉しく無い。
「マジ最悪」
ボンキュッボンを体現したかのような身体付きに悪態をつく俺を一体誰が責められようか。今や、男時代に着ていた俺の服は、彼シャツ感満載となってしまっていた。畜生が!!!!
「あのクソ野郎。会ったらただじゃおかない!」
一体俺が何をしたって言うのか? イライラしてくるが、そろそろこの秘密の通路ともおさらばだ。
一度探検した時に、隣国までは約15日ほどかかった。一体どういう構造なのかは知らないが、国外に行くのにこれほど便利な通路はないだろう。
探検した時、俺はまだ7歳だった。お母様と一緒に探検したんだっけな。まぁ、そういうわけだから、成人間近な俺の足だと多分10日ほどで行けるはず。
「おっ! 明かりだ!」
前方に、出口が見える。木の葉が生い茂るこの場所は、もうすでに隣国だ。
「やった!」
思わず駆け足になる。が、すぐに足を止めた。人影が見えたような気がしたからだ。
なんだ? 旅人がこっちに迷い込んだか?
「厄介だな」
この通路が帝国に通じていることがわかれば、結構めんどくさいことになる。
ここは少し隠れていようか。
ちょうど脇に、いい感じの空間があったのでそこに入り込んだ。
「おい」
その直後だ。背後から肩を叩かれ、通路へと引き摺り出されたのは。
「うぎゃぁぁぁぁぁ!?!?」
「ルヴィル、久しぶりだな? いや、今はルーナ、か?」
「は? はぁ? な、な、なんで……?」
そこには、今回の騒動の原因がいた。いつもの仏頂面を崩して、不気味な微笑みを浮かべる人物。
「積もる話は後だ。ご苦労だったな」
「いや、おかし……もご!?!?」
口を開いた瞬間、ハンカチを鼻に当てられた。ツンとした臭いは薬の匂い。すぐに意識が遠くなり、暗闇に飲み込まれた。
◇A few hours later◇
「ん……ぐっ」
ズキズキと頭を苛む頭痛によって意識が戻った俺は、見慣れない部屋にポカンと口を開けた。
「起きたかルーナ」
あ、起きなきゃよかった。てか、なんで殿下はバスローブ姿なの? ちなみに俺もだね。え、おかしいだろ。首元に手をやれば、石は……ちゃんとあった。大丈夫だ。
安心して、俺を見下ろす男に目を向けた。
「殿下」
「なんだ?」
「一体どういうことですか? 俺に呪具使ったりどうして知ったのか興味はありませんが、わざわざ地下通路の隣国に通じる出口で待ち伏せしていたり……」
ふざけんなよこのクソ殿下が!
話しながら、掛け布団を身体に巻きつける。だって寒いもん。何故か俺、風呂に入ってたみたいだし。
「ルーナが私から離れようとするからだ」
ゆっくりと口を開いた殿下の言い分。正直呆れた。
マジかよ? そんな幼子みたいなわがままで、こんなことしたわけ?
「俺は離れようとしたんじゃなくて、離れざるを得なかったんです」
嘘だけど。全力で離れようとしたけど。そこはまぁ。黙っておくのが"大人の都合"というやつである。
「ルーナ、私は何故かいつもお前が他の奴らに話しかけているのが我慢ならなかった。お前が逃げようとして確信した。お前は私のものにならなければならない」
「はぁ。ご遠慮いたします。おれ、男ですし」
「今は、女だろう?」
サッとベットから飛び降りた俺を褒めてほしい。先程まで俺が座っていた場所には目をギラつかせた殿下がいるんだから。
「アンタ、分かってます? 俺、一応貴族ですよ? 王族といえども、臣下を好き勝手していいわけじゃ無いでしょ」
自分の口から出る言葉が敬語で無くなっているのは気づいている。もう、そんなの気にする余裕がない。前世は女でも、今世は男だ。呪具で性別が変わっていても心は男のままなのだ。だからこそ、男から迫られることに抵抗があるし、そもそも殿下のことが好きじゃない。
「ルヴィルは死んだ。今のお前は、他国から帝国に嫁いできたルーナだ」
低い声でゆっくりと告げられた内容に、俺はピキリと固まった。おい待て。もしや、兄までもがグルだってのか!?!?
「ふっ、その顔は気づいたか? そうだ、お前の兄も父も全員が私の計画に乗った。まぁ、対価は安くはなかったがな」
兄よ! 饅頭よりも弟を売る方が対価が魅力的だったのか!?!?
「俺は承諾していない」
「お前の決定権は必要ない。まだ未成年だからな。保護者の伯爵に決定権がある」
いやまって。殿下、ゲスすぎん? ゲスじゃん!!!!
「ふざけんなよ」
まるで豹が獲物を狙うように、ゆっくりと近づいてくる殿下からジリジリと距離をとりながら俺は出口までの通路を確認した。
このまま、走ればなんとか逃げられるだろうか?
いや、だが、殿下のことだ。ドアに鍵をかけているかもしれない。それなら、開いている窓から逃げるか? 幸い、ここは2階のようだし、近くに足場のようなものもある。
「俺はアンタのもんにはならねぇよ」
そう言い捨てて、俺は開いている窓へ走った。
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【日記スペースby作者】
ちなみに、2階から飛び降りようとする行為は大変危険であり、一度2階の階段から飛び降りをした作者は足の骨にヒビが入りました。
別に追われていたわけではなく、なんとなく飛び降りた方が一段ずつ降りるより楽じゃね? と思い立ったからでした。
ちなみにその当時は小学生でしたので、母に叱られ、父に叱られ……散々な目にあったのを覚えております。
感想とお気に入り登録、よろしくお願いします。もしよければ、読者の皆様のやんちゃ体験を教えてくださると嬉しいです。
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