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万葉様はお母様の姉様
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【お知らせ】
神族=皇族(巫女は皇族の中から輩出される)
混乱した方は申し訳ありません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
た、畳だ!!!!
部屋からかおる畳の匂いは、懐かしさしかなかったし、障子だって前世の日本を思い起こさせた。
村に着き、おじちゃんに言われた"まよ"という人物を探していた俺。人探しは難航するかと思ったが、あっさりとその目的の人物にたどり着いた。"まよ"様は、巫女なんだって。
多分、お母様と一緒。
「そこへ座れ」
「はい」
目の前には、朧げながらも記憶にあるお母様とよく似た女の人。多分お母様が生きていたらこんな風になっているんだろうな、と思わせる。
「そなたは、伽耶の子供だの?」
何も言っていないのに、まよ様はあっさりと言い当てた。
「ええ、そうです。失礼ですが貴女は……」
「我は伽耶の姉じゃ」
やっぱりそうなんだ。
にっこりと笑みを浮かべたまよ様は、とても美しかった。洗練された美しさ。
「それから、そなたは追われておるな?」
え、殿下追ってきてんの? 諦めてないの?
「そうなのですか?」
「あぁ、数年前、伽耶が消えた際に感じた忌々しい気と同種の気がそなたはから感じられる」
つまり、殿下は俺に執着していると。やめてくれ。
帝国にいた時に散々な目にあった記憶がぶり返し、思わず首元へ手をやった。でも、馴染みの感触がない。
あ、そうだった。お母様の形見はこっちにきた時に無くなったんだっけ。
「それから、そなたは別の世界からやってきたか? いや、違う。別の世界からやってきてこちらに産まれ直した? 不思議な魂じゃの」
切長の目を見開いてマジマジと見つめられ、ドキドキした。まさか、前世のことまでバレるなんて思わなかった。
「まよ様はなんでも分かるのですね」
「うむ、だが神力は伽耶の方が強かったでな。伽耶もそなたの不思議な魂は気づいておったじゃろうて」
そうか、お母様もこのすごい人と一緒の巫女だったんだ。
「それから、我の力を込めた供物を食したな?」
茶葉の事かな?
「多分……?」
食したというか、正確には嵌められたんだけど。神妙に頷く俺に、まよ様はため息を吐いていた。
「よいか。供物は神力を持っておらぬ者には作用せぬ。伽耶の娘でなければ力は発動しなかったであろう」
ん? じゃあ、一般人が飲んだなら普通のお茶だったってこと? 商人さん、下手したらインチキになっていたかもよ。
「では、俺、いえ、私だったからこのような事に?」
「うむ。我の力がどのようにそなたに影響したのか分からぬが、原因の一部にはその不思議な魂も関与しておる」
ふむ、つまり?
「私の魂が普通であれば別の作用が起きていたと?」
「そうじゃ。まぁ一度伽耶も誤って飲んだことがあった。その時は体毛が金に変わり、異常な速さで髪が伸びたぞ。が、まぁ飲んで1ヶ月もすればすぐに普通の黒髪が生えてきたの。伽耶は1年で元の体毛の色に戻った」
マジ? お母様もやったことあんの?
「じゃ、じゃあ。期限内にお茶をくれた人とキスしたら呪いが解けるというのは?」
「なんじゃそれは。あり得んぞ。我の力はそのような馬鹿げたことでは消えん。大方、売りつけた奴らが作ったのであろうの」
殿下バリバリ信じていらっしゃったし。ドヤ顔で解説していらっしゃったし。
「ぶふっ!」
殿下のドヤ顔を思い出して吹き出した。
「なんじゃ」
「ふくくく……い、イエ。なんでもございません」
何もしていないのに、殿下に1発食らわせてやったような気分になる。
しばらく笑い転げていた俺を、まよ様は困ったような目で見つめていた。
あ、そうだ!
「あの、私は本当は男で。まよ様の力で私を元に戻すことってできませんか?」
「無理じゃ。視るかぎり、そなたは体の構造から変わっておろう? 髪程度なら直る。しかし、そのような大規模なものは無理じゃ」
「あ、はい」
キッパリと宣言された。俺の女体化は異例中の異例だったらしい。
「そう落胆すな。そなたは伽耶によう似ておる。我はそなたが男でも女でも気にせんが、やはり娘というのには憧れたからの。かわゆいぞ」
そっと頭を撫でられた。かわゆいのか、俺。だけど、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。なんなら、落ち着いた。
「まよ様、ありがとうございます」
「よい」
ふわりとウメの香りが、俺を優しく包み込んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【日記スペースbyまよ】
リンという鈴の音が聞こえたと思えば、数年前に行方不明になった妹の面影がある少女が我を訪ねてきた。おそらく伽耶の力を使ったか。
伽耶の面影を強く残した見目麗しい姿形。姉の伽耶の神力と酷似した膨大な神力。我は、この子は伽耶の子供だと確信した。
ただ1つ気にかかったことがあった。それは魂の色が普通ならあり得ない色であることだ。まるで1度人生を経験したかのような……そしてそれは当たりだったことに驚いた。
伽耶の神力が影響したのじゃろうか? 元は男じゃったらしいが、我の力が込められた供物を口にしたせいで女になったと。直す方法はない。本人はあまり気にしていないようじゃったが、心が痛んだ。大方、西の国の奴らのせいじゃろう。
伽耶がいなくなった時に感じた気と同じ種類の気が目の前の娘に纏わりついていたからの。
運命の伴侶、一種の御伽噺の中にある物だが実は本当に存在する。西の国の奴らの中にはソレを嗅ぎ取る力に優れた者がいるようじゃ。そのせいで、伽耶も、そしてこの娘も囚われたのじゃろう。
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神族=皇族(巫女は皇族の中から輩出される)
混乱した方は申し訳ありません。
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部屋からかおる畳の匂いは、懐かしさしかなかったし、障子だって前世の日本を思い起こさせた。
村に着き、おじちゃんに言われた"まよ"という人物を探していた俺。人探しは難航するかと思ったが、あっさりとその目的の人物にたどり着いた。"まよ"様は、巫女なんだって。
多分、お母様と一緒。
「そこへ座れ」
「はい」
目の前には、朧げながらも記憶にあるお母様とよく似た女の人。多分お母様が生きていたらこんな風になっているんだろうな、と思わせる。
「そなたは、伽耶の子供だの?」
何も言っていないのに、まよ様はあっさりと言い当てた。
「ええ、そうです。失礼ですが貴女は……」
「我は伽耶の姉じゃ」
やっぱりそうなんだ。
にっこりと笑みを浮かべたまよ様は、とても美しかった。洗練された美しさ。
「それから、そなたは追われておるな?」
え、殿下追ってきてんの? 諦めてないの?
「そうなのですか?」
「あぁ、数年前、伽耶が消えた際に感じた忌々しい気と同種の気がそなたはから感じられる」
つまり、殿下は俺に執着していると。やめてくれ。
帝国にいた時に散々な目にあった記憶がぶり返し、思わず首元へ手をやった。でも、馴染みの感触がない。
あ、そうだった。お母様の形見はこっちにきた時に無くなったんだっけ。
「それから、そなたは別の世界からやってきたか? いや、違う。別の世界からやってきてこちらに産まれ直した? 不思議な魂じゃの」
切長の目を見開いてマジマジと見つめられ、ドキドキした。まさか、前世のことまでバレるなんて思わなかった。
「まよ様はなんでも分かるのですね」
「うむ、だが神力は伽耶の方が強かったでな。伽耶もそなたの不思議な魂は気づいておったじゃろうて」
そうか、お母様もこのすごい人と一緒の巫女だったんだ。
「それから、我の力を込めた供物を食したな?」
茶葉の事かな?
「多分……?」
食したというか、正確には嵌められたんだけど。神妙に頷く俺に、まよ様はため息を吐いていた。
「よいか。供物は神力を持っておらぬ者には作用せぬ。伽耶の娘でなければ力は発動しなかったであろう」
ん? じゃあ、一般人が飲んだなら普通のお茶だったってこと? 商人さん、下手したらインチキになっていたかもよ。
「では、俺、いえ、私だったからこのような事に?」
「うむ。我の力がどのようにそなたに影響したのか分からぬが、原因の一部にはその不思議な魂も関与しておる」
ふむ、つまり?
「私の魂が普通であれば別の作用が起きていたと?」
「そうじゃ。まぁ一度伽耶も誤って飲んだことがあった。その時は体毛が金に変わり、異常な速さで髪が伸びたぞ。が、まぁ飲んで1ヶ月もすればすぐに普通の黒髪が生えてきたの。伽耶は1年で元の体毛の色に戻った」
マジ? お母様もやったことあんの?
「じゃ、じゃあ。期限内にお茶をくれた人とキスしたら呪いが解けるというのは?」
「なんじゃそれは。あり得んぞ。我の力はそのような馬鹿げたことでは消えん。大方、売りつけた奴らが作ったのであろうの」
殿下バリバリ信じていらっしゃったし。ドヤ顔で解説していらっしゃったし。
「ぶふっ!」
殿下のドヤ顔を思い出して吹き出した。
「なんじゃ」
「ふくくく……い、イエ。なんでもございません」
何もしていないのに、殿下に1発食らわせてやったような気分になる。
しばらく笑い転げていた俺を、まよ様は困ったような目で見つめていた。
あ、そうだ!
「あの、私は本当は男で。まよ様の力で私を元に戻すことってできませんか?」
「無理じゃ。視るかぎり、そなたは体の構造から変わっておろう? 髪程度なら直る。しかし、そのような大規模なものは無理じゃ」
「あ、はい」
キッパリと宣言された。俺の女体化は異例中の異例だったらしい。
「そう落胆すな。そなたは伽耶によう似ておる。我はそなたが男でも女でも気にせんが、やはり娘というのには憧れたからの。かわゆいぞ」
そっと頭を撫でられた。かわゆいのか、俺。だけど、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。なんなら、落ち着いた。
「まよ様、ありがとうございます」
「よい」
ふわりとウメの香りが、俺を優しく包み込んだ。
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リンという鈴の音が聞こえたと思えば、数年前に行方不明になった妹の面影がある少女が我を訪ねてきた。おそらく伽耶の力を使ったか。
伽耶の面影を強く残した見目麗しい姿形。姉の伽耶の神力と酷似した膨大な神力。我は、この子は伽耶の子供だと確信した。
ただ1つ気にかかったことがあった。それは魂の色が普通ならあり得ない色であることだ。まるで1度人生を経験したかのような……そしてそれは当たりだったことに驚いた。
伽耶の神力が影響したのじゃろうか? 元は男じゃったらしいが、我の力が込められた供物を口にしたせいで女になったと。直す方法はない。本人はあまり気にしていないようじゃったが、心が痛んだ。大方、西の国の奴らのせいじゃろう。
伽耶がいなくなった時に感じた気と同じ種類の気が目の前の娘に纏わりついていたからの。
運命の伴侶、一種の御伽噺の中にある物だが実は本当に存在する。西の国の奴らの中にはソレを嗅ぎ取る力に優れた者がいるようじゃ。そのせいで、伽耶も、そしてこの娘も囚われたのじゃろう。
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