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~指名手配白豚聖女 メリル編~
1.私、お尋ね者になってるの?
しおりを挟む「あの…クロさん…!?」
「え?どうしたの?」
あれから転移の魔法で森のお屋敷に帰ってきて…
また何気ない日常が始まった…のだけど…
クロさんは…、黒猫面を家の中では外すようになった。
それは良いことなんだけど…
どうして…!!
「ち…近くありあせんか!?」
「そうかな?魔力を分けてあげるのに、メリルに近寄らないとあげれないよ?」
「そ…それはっっ!!」
別の方法で何とか!!?
恥ずかしくて逃げ腰で居ると─…
ちゅっと口付けを落とされる──
「!!!」
「ふふ。真っ赤で可愛い。」
これは魔力の受け渡しであって…特別な意味はないはずよ!!
唇を手で押さえつつ、必死で気持ちを落ち着かせる。
クロさんはあれ以来、何故か凄く甘いし、魔力もちょくちょく私に分けたがる──。
お蔭で空腹になることもなく、順調に体重は落ちて行ってるんだけど─…
心臓が!!
ドクドク脈打ち、そのうち苦しくて口から出てしまうんじゃないかしら!!
クロさんは『家族』として私を見てくれてるんだから!!
こんな邪な思いを気づかれたら終わりよ!!
「メリル、大好きだよ」
そう言って微笑むクロさんが…天使のような…小悪魔なような…
私は胸を押さえながら微笑み返すしか出来なかった─…。
これからの生活…
私の心臓持つかしら…──
そんな心配をしていた頃─…
「あの白豚聖女はどこだ!!探し出せ!!」
私を追い出した宮廷で─…
ある変化が起こっていることを─…
私もクロさんも知らなかったのでした──…
◆◆◆
「ねえ、メルル。もう一度、街へ行かない?」
「ふぇっ?」
朝食のパンを美味しく頬張っていると、クロさんが素敵な提案をしてくれる。
街…!!
「行きたいですっっ!!」
即答すると、クロさんが嬉しそうに微笑む。
黒猫面をしていないと、クロさんの豊かな表情を見られて…それだけでも頬が緩んでしまう─…。
街に行くときにはクロさんは黒猫面を装着している。
私はお気に入りのクロさんが作ってくれたワンピースに袖を通す。
「じゃあ、行こうか─…」
「はい!」
足元が光り、転移の魔法陣が浮かび上がる─。
足元がすっぽり抜けて落ちるような感覚にはまだ慣れないけれど、目を開けるとロズエルの街に到着していた──。
クロさんは薬草店の前を通り過ぎ、魔術具の店も通り過ぎる。
あれ…?
どこに行くんだろう…
疑問に思っていると、小さな宝飾店の前で立ち止まった。
「クロさん…?」
「ブレスレット、壊れちゃったでしょ?」
クロさん、気にしててくれたんだ…─
大切にしていたクロさんから貰ったブレスレットは、ロブ・ロードの所為で木端微塵に吹き飛んでしまい、あの大分落ち込んでいたのを気が付いてくれたんだ!
心がぽかぽか温かくなる。
クロさんのこういう優しいところが…好きだなぁと頬が赤くなる─。
「いらっしゃいませー。何をお探しですか?」
「あ、ペアの指輪が欲しいんですけど」
………!!
さらっと言いましたけど…クロさん!!それって!!
「ブレスレットでもいいと思ったんだけど…、夫婦ってお揃いの指輪をするんでしょ?」
そう言ってクロさんが私の手に自分の手を重ねる。
「メリルと、一緒の指輪、欲しいなって思って」
ドキドキと鼓動がうるさくなる。
クロさんは私を喜ばせるのが本当上手だ──。
色々見せてもらっていると、金色のシンプルなリングに碧い小さな宝石が付いているペアリングがあった。
クロさんの瞳と同じ色だ──
「クロさん!私、これが気に入りました!」
そう言ってそのリングを指さすと、クロさんは驚いた表情をする。
「とっても…綺麗だから─…」
「…。そっか。…メリルには敵わないな─。うん。これにしようか」
クロさんがペアリングを購入してくれ、私とクロさんの指にはお揃いの指輪が嵌められる─…。
「クロさん!!ありがとうございます!大切にします!」
満面の笑みで言うと、クロさんは照れたように視線を逸らした。
絶対、今度こそ大事にしよう。
木端微塵になりませんように─!!!
宝飾店を出て、街をぶらぶらと歩いていると─…
街の至る所に貼り紙がしてあるのに気が付く。
人相書きか…──
なになに…
『白豚聖女 メリル・ルシフォン 捕えた物には報奨金あり』
人相書きには白豚が書いてあった──
ええええええ!???
私、お尋ね者になってるの──!???
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