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第111話【すずなり芋】
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その後、僕はすずなり芋を求めてギルドで聞いた農場の場所まで来ていた。
「すみません。
ここにすずなり芋があると商業ギルドから聞いてきたんですが農場主はおられますか?」
僕は農場で畑の手入れをしている人をみつけてそう問いかける。
「ああ、確かにすずなり芋はこの農場で栽培してるよ。
ただ、農場主のドーラさんが怪我で収穫が出来ない状態なんだ」
「それ、商業ギルドでも同じようなことを聞いたのだけど芋の収穫なんて誰でも出来るんじゃないんですか?」
そう言う僕の意見に受け答えをしてくれた男性は呆れた表情で教えてくれた。
「君、すずなり芋の特徴を知らないんだろ?
あれは成長過程で芋の体内に魔力を溜め込む習性があって、土から掘り出すときに周りに魔力衝撃波を撒き散らすんだ。
しかも成長すればするほど強く大きくなるから厄介で、いま畑にある芋はすでに2週間以上収穫時期が過ぎたやつなんだ。
ドーラさんが怪我で正規の収穫時期に収穫出来なかったからもう誰も手におえない状態って訳だ。
もうコイツは腐るまで放置するか火の魔法で焼いてしまうしかないんだ。
わかったら諦めて次のやつが成長したころに来てみるといいだろう」
その男性はそう言うと仕事に戻ろうとする。
「収穫出来ないだけでまだ腐ってはいないんですよね?
だったら僕が収穫したら分けてもらえますか?」
「はぁ?
今の話を聞いていたのか?
もうこの畑にあるやつは危険すぎて手におえないって言ったはずだが?
怪我をしても責任はとれんから悪いことは言わん、諦めて帰るんだな」
男性は親切心からそう言ってくれているのは分かっていたが、こちらも依頼の期間があるので次の収穫時期まで待つ選択はないので少し強引に交渉をすることにした。
「怪我をしても責任は取らなくていいですので試させてくれませんか?
そして、もしうまくいったら必要量を買い取らせて欲しいんです」
「ふう。
そこまで言われたら仕方ないな。
だが、注意はしたからな。
いいぜ、ドーラさんには俺から伝えてやるからやってみな」
男性はついに折れて試させてくれることになり巻き添えを食わないように畑から距離をとった。
「正直、この辺りでもヤバいかもしれんくらいだ。
間近で引き抜けばふっ飛ばされると覚悟しておけよ」
「ご心配ありがとうございます。
では試させて貰いますね」
僕はそう言うといものツルに手をかけてスキルを使った。
「カード収納」
スキルが発動すると僕の手に一枚のカードが納まる。
【すずなり芋:魔力が溜まって最高の味に】
「よし、ひとまず成功だ。
あとはカード化を解いたときに衝撃波が来るかどうかだな」
僕はそうつぶやいてカードの表側を空に向けてカード化を解放した。
「開放」
おおおおおおおっ!
カード化を解いた瞬間、叫び声のような音と共に空に向かって衝撃波が駆け上がる。
その先に運悪く野鳥が飛行しておりその衝撃波を受けて墜落してきた。
「おおう!?
これは凄い衝撃波だな。
確かにこんなものをまともに受けたらただでは済まないかもしれないな」
僕は衝撃波を出し切っておとなしくなったすずなり芋を片手に落ちてきた野鳥の状態を見ながらそうつぶやいていると、それを見ていた男性が驚きの表情で僕に掴みかかってきた。
「い、い、いまのは一体なんだ!?
どうやって衝撃波を逃したんだ!?」
「なんでもない、ただのカード収納スキルですよ。
ちょっとコツはいりますけどね」
「は? そんなもの聞いたことねぇぞ。
……ちょっと待ってなドーラさんを呼んできてやるからよ」
その男性はそう言って慌てて建物のほうへ走って行くのを見ながら僕は「この衝撃波って攻撃魔法の代わりになるんじゃないか?」とつぶやいていた。
* * *
――数分後、さきほどの男性がガタイの良い壮年男性とともに建物から出てくるのが見えた。
「いったいなんだってんだ?
あのすずなり芋は収穫時期が過ぎちまってるから収穫は無理だって商業ギルドにも伝えてあるはずだ」
「で、ですが実際にアレを無傷で収穫できるやつが来てるんですよ。
実際に眼の前でやられたらさすがに信じるしかないんですよ」
男性はおそらくこの農場主のドーラであろう人物にひっしに説明を繰り返すが信じてもらえずに半分泣きがはいった声になっていた。
「ん? 君がいま聞いたこの収穫時期が過ぎたすずなり芋を無傷で収穫したという者か?」
「あ、はい。
これがいま収穫したばかりのものになります」
僕はそう言って手に持ったすずなり芋をドーラに見せる。
「こ、こりゃあ間違いなくすずなり芋だな。
しかも、魔力を溜め込んでパンパンになってやがる。
これだけの品質ならば通常の倍以上で売れるのは間違いないぞ。
だが、これだけのものだと魔力衝撃波は凄まじいものだっただろう?
いったいどうやって収穫した?」
手渡されたすずなり芋の品質に驚いたドーラだったが今までの常識では危険すぎる収穫に僕を見て問いかけた。
「カード収納スキルの応用で意外と簡単に収穫出来ましたよ」
「そういえばさっきもそんな話を聞いた気もするな。
悪いがワシにも見せてもらえるか?」
「いいですよ。
では、先ほどと同じやり方でお見せしますね」
僕はそう言ってスキルを使い、すずなり芋の収穫をやって見せた。
「むう。
まさかこんな収穫方法があるとは……」
唸るドーラに僕はひとこと話しておくことを忘れない。
「このやり方は少しばかりコツがいるのでほかのカード収納スキル持ちのかたならば誰でも出来るわけではないかもしれないことは伝えておきますね」
「……つまり君しか出来ないってことだな。
まあ、いい。
今はこの収穫出来なくなっているすずなり芋をどうするかの方が先だ。
……そうだな、この畑に植えてあるすずなり芋の半分で手をうたないか?
どうせこのままだと1リアラにもなりやしないが半分でも出荷できればこの品質なら元は十分とれるだろうし、君もタダで畑半分のすずなり芋が手に入るんだ、収穫する報酬としてはそれなりになるんじゃないか?」
「……そうですね。
わかりました、その条件で収穫をお引き受けしましょう」
僕はそう言ってドーラと契約を結ぶと次々と埋まったままのすずなり芋をカード化していき必要な数量分だけカード化を解いてドーラに渡した。
「では、約束どおり半分は報酬として頂いていきますね」
「ああ、こっちこそ死に作物となっていたすずなり芋を怪我なく収穫してくれて助かった。
もし、また同様のことがあれば頼みたいのだがどうすれば連絡がとれる?」
「いつまでこの街に居るかはまだわかりませんが、今のところは商業ギルドに所属していますのでそちらに依頼を出してもらえれば良いかと思います」
「分かった。
その時はよろしく頼む」
すずなり芋の入った木箱の横でドーラがそう言って僕を見送ってくれた。
(さて、依頼素材が揃ったからギルドへ報告に行くかな)
僕はそう考えながらゆっくりと歩いて行った。
「すみません。
ここにすずなり芋があると商業ギルドから聞いてきたんですが農場主はおられますか?」
僕は農場で畑の手入れをしている人をみつけてそう問いかける。
「ああ、確かにすずなり芋はこの農場で栽培してるよ。
ただ、農場主のドーラさんが怪我で収穫が出来ない状態なんだ」
「それ、商業ギルドでも同じようなことを聞いたのだけど芋の収穫なんて誰でも出来るんじゃないんですか?」
そう言う僕の意見に受け答えをしてくれた男性は呆れた表情で教えてくれた。
「君、すずなり芋の特徴を知らないんだろ?
あれは成長過程で芋の体内に魔力を溜め込む習性があって、土から掘り出すときに周りに魔力衝撃波を撒き散らすんだ。
しかも成長すればするほど強く大きくなるから厄介で、いま畑にある芋はすでに2週間以上収穫時期が過ぎたやつなんだ。
ドーラさんが怪我で正規の収穫時期に収穫出来なかったからもう誰も手におえない状態って訳だ。
もうコイツは腐るまで放置するか火の魔法で焼いてしまうしかないんだ。
わかったら諦めて次のやつが成長したころに来てみるといいだろう」
その男性はそう言うと仕事に戻ろうとする。
「収穫出来ないだけでまだ腐ってはいないんですよね?
だったら僕が収穫したら分けてもらえますか?」
「はぁ?
今の話を聞いていたのか?
もうこの畑にあるやつは危険すぎて手におえないって言ったはずだが?
怪我をしても責任はとれんから悪いことは言わん、諦めて帰るんだな」
男性は親切心からそう言ってくれているのは分かっていたが、こちらも依頼の期間があるので次の収穫時期まで待つ選択はないので少し強引に交渉をすることにした。
「怪我をしても責任は取らなくていいですので試させてくれませんか?
そして、もしうまくいったら必要量を買い取らせて欲しいんです」
「ふう。
そこまで言われたら仕方ないな。
だが、注意はしたからな。
いいぜ、ドーラさんには俺から伝えてやるからやってみな」
男性はついに折れて試させてくれることになり巻き添えを食わないように畑から距離をとった。
「正直、この辺りでもヤバいかもしれんくらいだ。
間近で引き抜けばふっ飛ばされると覚悟しておけよ」
「ご心配ありがとうございます。
では試させて貰いますね」
僕はそう言うといものツルに手をかけてスキルを使った。
「カード収納」
スキルが発動すると僕の手に一枚のカードが納まる。
【すずなり芋:魔力が溜まって最高の味に】
「よし、ひとまず成功だ。
あとはカード化を解いたときに衝撃波が来るかどうかだな」
僕はそうつぶやいてカードの表側を空に向けてカード化を解放した。
「開放」
おおおおおおおっ!
カード化を解いた瞬間、叫び声のような音と共に空に向かって衝撃波が駆け上がる。
その先に運悪く野鳥が飛行しておりその衝撃波を受けて墜落してきた。
「おおう!?
これは凄い衝撃波だな。
確かにこんなものをまともに受けたらただでは済まないかもしれないな」
僕は衝撃波を出し切っておとなしくなったすずなり芋を片手に落ちてきた野鳥の状態を見ながらそうつぶやいていると、それを見ていた男性が驚きの表情で僕に掴みかかってきた。
「い、い、いまのは一体なんだ!?
どうやって衝撃波を逃したんだ!?」
「なんでもない、ただのカード収納スキルですよ。
ちょっとコツはいりますけどね」
「は? そんなもの聞いたことねぇぞ。
……ちょっと待ってなドーラさんを呼んできてやるからよ」
その男性はそう言って慌てて建物のほうへ走って行くのを見ながら僕は「この衝撃波って攻撃魔法の代わりになるんじゃないか?」とつぶやいていた。
* * *
――数分後、さきほどの男性がガタイの良い壮年男性とともに建物から出てくるのが見えた。
「いったいなんだってんだ?
あのすずなり芋は収穫時期が過ぎちまってるから収穫は無理だって商業ギルドにも伝えてあるはずだ」
「で、ですが実際にアレを無傷で収穫できるやつが来てるんですよ。
実際に眼の前でやられたらさすがに信じるしかないんですよ」
男性はおそらくこの農場主のドーラであろう人物にひっしに説明を繰り返すが信じてもらえずに半分泣きがはいった声になっていた。
「ん? 君がいま聞いたこの収穫時期が過ぎたすずなり芋を無傷で収穫したという者か?」
「あ、はい。
これがいま収穫したばかりのものになります」
僕はそう言って手に持ったすずなり芋をドーラに見せる。
「こ、こりゃあ間違いなくすずなり芋だな。
しかも、魔力を溜め込んでパンパンになってやがる。
これだけの品質ならば通常の倍以上で売れるのは間違いないぞ。
だが、これだけのものだと魔力衝撃波は凄まじいものだっただろう?
いったいどうやって収穫した?」
手渡されたすずなり芋の品質に驚いたドーラだったが今までの常識では危険すぎる収穫に僕を見て問いかけた。
「カード収納スキルの応用で意外と簡単に収穫出来ましたよ」
「そういえばさっきもそんな話を聞いた気もするな。
悪いがワシにも見せてもらえるか?」
「いいですよ。
では、先ほどと同じやり方でお見せしますね」
僕はそう言ってスキルを使い、すずなり芋の収穫をやって見せた。
「むう。
まさかこんな収穫方法があるとは……」
唸るドーラに僕はひとこと話しておくことを忘れない。
「このやり方は少しばかりコツがいるのでほかのカード収納スキル持ちのかたならば誰でも出来るわけではないかもしれないことは伝えておきますね」
「……つまり君しか出来ないってことだな。
まあ、いい。
今はこの収穫出来なくなっているすずなり芋をどうするかの方が先だ。
……そうだな、この畑に植えてあるすずなり芋の半分で手をうたないか?
どうせこのままだと1リアラにもなりやしないが半分でも出荷できればこの品質なら元は十分とれるだろうし、君もタダで畑半分のすずなり芋が手に入るんだ、収穫する報酬としてはそれなりになるんじゃないか?」
「……そうですね。
わかりました、その条件で収穫をお引き受けしましょう」
僕はそう言ってドーラと契約を結ぶと次々と埋まったままのすずなり芋をカード化していき必要な数量分だけカード化を解いてドーラに渡した。
「では、約束どおり半分は報酬として頂いていきますね」
「ああ、こっちこそ死に作物となっていたすずなり芋を怪我なく収穫してくれて助かった。
もし、また同様のことがあれば頼みたいのだがどうすれば連絡がとれる?」
「いつまでこの街に居るかはまだわかりませんが、今のところは商業ギルドに所属していますのでそちらに依頼を出してもらえれば良いかと思います」
「分かった。
その時はよろしく頼む」
すずなり芋の入った木箱の横でドーラがそう言って僕を見送ってくれた。
(さて、依頼素材が揃ったからギルドへ報告に行くかな)
僕はそう考えながらゆっくりと歩いて行った。
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※第○話:主人公視点
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となります。
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