4 / 5
第4話 幼女神は天に帰る
しおりを挟む
「む、それはできん相談なのじゃ。なぜならば帰る場所への帰り方がわからんからじゃ」
幼女はかぼちゃを食べる手を止めることなく何でもないようにとんでもないことを言い出した。
「マジかぁ! だけど僕にだって都合ってものがあるからずっと君の面倒をみることは出来ないよ」
「そう言うな。おそらく神力の不足が原因だと思うからお腹いっぱいになればもしかしたらなんとかなるかもしれん」
「それはどのくらい食べればなるもんなんだ?」
「それはわからん。とにかくもっと美味いものを希望する」
「うーん。甘みのあるものでまだ畑に植えてるものってあったかなぁ……」
僕はどうにかして帰ってもらうために次なる食べ物を探し始めた。
「オクラ、アスパラ、パプリカ、きゅうり、ナス、トマト、玉ねぎ」
圃場に植えてあるものを片っぱしから思い出すが甘みのあるものが思いつかない。
「のう、あそこにあるしましまの丸いものはなんじゃ?」
ぽこのその一言で僕は自分で食べるためだけに植えていたスイカのことを思い出した。
「あれはスイカといって皮は食べないけれど中の赤い実は美味しく食べられるものだよ。ただ、これは売り物にするつもりではなかったので僅かしかつくってないんだ」
「そんなに美味いのか? ならばたくさん食べれるように大きくして食べようぞ。そら、おおきくなあーれ」
幼女が気の抜けたような言葉を唱えると目の前のスイカがみるみるうちに直径2メートルくらいまで大きく成長した。
「これならばお腹いっぱいになるやもしれぬな」
「――たしかにこれならなるかもしれないけれど、先にお腹をこわさないか?」
僕がべつの心配をしてるそばから風魔法でスイカを切り分けて目を輝かせながら口にい頬張った。
――数十分後にはすっかり皮だけになったスイカの残がいが転がるだけになり満足気な幼女の姿だけが目の前にあった。
「ふぁあ、満足したのじゃ。これならばなんとかなるやもしれん」
幼女はそう言うとまたよくわからない歌を歌いだした。
「私の身体は重いけど気持ちと魔力はまんたんだ。あがれあがれてんまであがれ」
歌う最中から幼女の身体が光を帯びて宙へと舞い上がる。
「うむ。そなたのおかげで魔力が戻ったようじゃ。なんとか元の世界に戻れそうじゃから礼をせねばならぬな。なにがよいかのぅ」
幼女は宙に浮いたまま少しの間考えていたがニンマリと笑って言った。
「そうじゃ。さきほど見せた3つの魔法を使えるようにしてやろうぞ。われは失敗したがうまく使えば役に立つやもしれん」
ぽこはそう言って手のひらから光の玉を生み出し僕へ向けて投げつけた。
「うわっ!?」
僕は反射的に目を覆ったが光の玉は僕を包み込んだようで閉じたまぶたをすり抜けて光を感じていた。
ものの数秒で光は消えたらしく僕が目を開けるとそこにはぽこの姿はなくなっていた。
「白昼夢でもみていたのか?」
僕はそうつぶやいて気を取り直そうとしたが側に落ちていた巨大なスイカの皮の残がいに現実であったと認識した。
『――さきほど見せた3つの魔法を使えるようにしてやろうぞ』
「まさかな」
(この現実世界で魔法など存在出来るわけないだろう)
僕はそう自分に言い聞かせながらも試してみたくて思わず叫んでいた。
「くさ、くさ、みどりのくさぜんぶ、ぜーんぶぬけちゃいなさーい」
(うわっ 中二病か僕は……)
だれも見てないことにほっとした僕はふと目の前のカブ畑に目をやると。
すぽぽぽぽぽぽん
さきほどニンジン畑でおこった事と同じことがカブ畑でもおこった。
「うわわわわっ!? 僕のカブ畑がぁ!」
本当に魔法が使えたことよりも大事に育てていたカブがすべて抜けてしまったことに衝撃をうけて僕はその場に呆然と立ちつくしていたのだった。
「つ、つかえねぇ。これは永久に封印だな」
その惨状を見て僕はそう固く誓ったのだった。
幼女はかぼちゃを食べる手を止めることなく何でもないようにとんでもないことを言い出した。
「マジかぁ! だけど僕にだって都合ってものがあるからずっと君の面倒をみることは出来ないよ」
「そう言うな。おそらく神力の不足が原因だと思うからお腹いっぱいになればもしかしたらなんとかなるかもしれん」
「それはどのくらい食べればなるもんなんだ?」
「それはわからん。とにかくもっと美味いものを希望する」
「うーん。甘みのあるものでまだ畑に植えてるものってあったかなぁ……」
僕はどうにかして帰ってもらうために次なる食べ物を探し始めた。
「オクラ、アスパラ、パプリカ、きゅうり、ナス、トマト、玉ねぎ」
圃場に植えてあるものを片っぱしから思い出すが甘みのあるものが思いつかない。
「のう、あそこにあるしましまの丸いものはなんじゃ?」
ぽこのその一言で僕は自分で食べるためだけに植えていたスイカのことを思い出した。
「あれはスイカといって皮は食べないけれど中の赤い実は美味しく食べられるものだよ。ただ、これは売り物にするつもりではなかったので僅かしかつくってないんだ」
「そんなに美味いのか? ならばたくさん食べれるように大きくして食べようぞ。そら、おおきくなあーれ」
幼女が気の抜けたような言葉を唱えると目の前のスイカがみるみるうちに直径2メートルくらいまで大きく成長した。
「これならばお腹いっぱいになるやもしれぬな」
「――たしかにこれならなるかもしれないけれど、先にお腹をこわさないか?」
僕がべつの心配をしてるそばから風魔法でスイカを切り分けて目を輝かせながら口にい頬張った。
――数十分後にはすっかり皮だけになったスイカの残がいが転がるだけになり満足気な幼女の姿だけが目の前にあった。
「ふぁあ、満足したのじゃ。これならばなんとかなるやもしれん」
幼女はそう言うとまたよくわからない歌を歌いだした。
「私の身体は重いけど気持ちと魔力はまんたんだ。あがれあがれてんまであがれ」
歌う最中から幼女の身体が光を帯びて宙へと舞い上がる。
「うむ。そなたのおかげで魔力が戻ったようじゃ。なんとか元の世界に戻れそうじゃから礼をせねばならぬな。なにがよいかのぅ」
幼女は宙に浮いたまま少しの間考えていたがニンマリと笑って言った。
「そうじゃ。さきほど見せた3つの魔法を使えるようにしてやろうぞ。われは失敗したがうまく使えば役に立つやもしれん」
ぽこはそう言って手のひらから光の玉を生み出し僕へ向けて投げつけた。
「うわっ!?」
僕は反射的に目を覆ったが光の玉は僕を包み込んだようで閉じたまぶたをすり抜けて光を感じていた。
ものの数秒で光は消えたらしく僕が目を開けるとそこにはぽこの姿はなくなっていた。
「白昼夢でもみていたのか?」
僕はそうつぶやいて気を取り直そうとしたが側に落ちていた巨大なスイカの皮の残がいに現実であったと認識した。
『――さきほど見せた3つの魔法を使えるようにしてやろうぞ』
「まさかな」
(この現実世界で魔法など存在出来るわけないだろう)
僕はそう自分に言い聞かせながらも試してみたくて思わず叫んでいた。
「くさ、くさ、みどりのくさぜんぶ、ぜーんぶぬけちゃいなさーい」
(うわっ 中二病か僕は……)
だれも見てないことにほっとした僕はふと目の前のカブ畑に目をやると。
すぽぽぽぽぽぽん
さきほどニンジン畑でおこった事と同じことがカブ畑でもおこった。
「うわわわわっ!? 僕のカブ畑がぁ!」
本当に魔法が使えたことよりも大事に育てていたカブがすべて抜けてしまったことに衝撃をうけて僕はその場に呆然と立ちつくしていたのだった。
「つ、つかえねぇ。これは永久に封印だな」
その惨状を見て僕はそう固く誓ったのだった。
13
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる