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第3話 予想外の結果
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「では、この作物の間から生えているたくさんの雑草をすべて抜いてもらえるか? 抜き取った雑草はこっちのゴミ置き場に置いてもらえればいいから」
僕はハウスから出ると隣の畑に植えてあるにんじんを指さしてそうお願いをした。
「出来る?」
「そんなの簡単だよぉ。くさ、くさ、みどりのくさぜんぶ、ぜーんぶぬけちゃいなさーい」
幼女は歌か呪文かわからないがクルクルと踊りながらそう宣言をする。
「本当にそんなので草抜きができるのか?」
半信半疑に幼女を見つめていた僕はその身体が光を帯びてその指先から一筋の風が舞ったと思うとにんじん畑に突風がふいた。
すぽぽぽぽぽぽん
その風と共ににんじん畑の草という草が空に舞い上がるのが見えた。
きれいなオレンジ色に染まったにんじんと共に……。
「ぬわっ!? に、にんじんが! まだ収穫するには早すぎる小ぶりのかわいいにんじん達がぁ!!」
とさとさとさ
魔法による風が収まったときにはにんじんの植えてあった畝の上には草の芽一本も生えておらず見事なまでの除草ぶりであった。
「どうじゃ? わらわにかかれば草を取り除くことなど造作もないことじゃよ。ん? どうかしたのかえ?」
「あ、あ、あ」
「あ?」
「あほたれがぁ!! 誰がにんじんまで抜けといったぁ!!」
草と一緒ににんじんまですべて抜いてしまった魔法に僕は思わず強烈なツッコミをいれてしまっていた。
「なによ? 言われたとおりみどりの草を全部抜いただけじゃろ?」
「いや、みどりの草とは言ったがにんじんは抜いてくれとは言わなかったはずだ」
僕はそう言ってため息をついたが、抜けてしまったにんじんはもとには戻らないので諦めて草置き場に飛ばされたにんじんを拾いあつめた。
「ゔー。もう一回、もう一回わらわにやらせてほしいのじゃ。今度こそうまくやるから」
「え? もう十分手伝ってもらったから他はないんだけど」
正直いっていまのを見てしまったらほかの仕事を頼む気にはなれないのが本音なのだが……。
「うーん。ならば今から僕がかぼちゃの収穫をするからそれをカゴに入れて倉庫に運んでもらえるかな? 結構重いから運んでもらえるならば助かるけれど」
「そんなことで良いのか? 簡単なことじゃ」
「じゃあ収穫するまでは少し待ってて欲しい」
僕はそう言ってかぼちゃ畑からかぼちゃをひとつずつ丁寧に切り取っていった。
「ほほう。これは立派なもんじゃの。しかし、硬すぎてとてもではないが歯がたたぬ。これはどうやって食べるのかの?」
僕の収穫する横で幼女はかぼちゃをつついたり叩いたりしてみるがその硬さにいきなりかぶりついたりはせずに僕に食べ方を聞いてくる。
やはり食べものに対する好奇心は相当なのものなのだろう。
「かぼちゃは生で食べることはほとんどなくて大抵は適当な大きさに切り分けて煮るか焼くか揚げるかをして食べるのが一般的だね」
「ふむ。焼けば食べられるのか? どれ、ひとつもらっても良いかの?」
「まあ、ひとつくらいは構わないけどひとりで食べるならば小ぶりのやつを選んだほうが良いだろう。コイツなんか良いんじゃないか?」
僕はそう言って本来の出荷用サイズのふたまわり小さいものを幼女に渡した。
「火炎」
僕からかぼちゃを受け取った幼女はそのかぼちゃを宙に浮かせたまま火の魔法を使ってその場でかぼちゃを丸焼きにする。
「うおおおっと!?」
目の前でいきなり火の球がかぼちゃを包み込んだ光景に僕は思わず声をあげ、その場に尻もちをつく。
「頼むから火の取り扱いは気をつけてくれよ。施設を焼かれたら商売あがったりになるからな」
火は魔法のためかすぐに消え、真っ黒になったかぼちゃがふよふよと浮かぶシュールな光景にあぜんとしながらも「これだけ焦がしたら炭の味しかしないんじゃないか?」と味の心配をしていた。
「とりあえず切ってみるか」
僕は真っ黒になったかぼちゃを手にとり大ぶりの包丁でかぼちゃをふたつに切り分けてみる。
「おお? 思ったよりも簡単に包丁が入ったけれどもしかしたら中はいい具合に焼けているのか?」
包丁は本来のかぼちゃの硬さを無視してすんなりとその実を切り裂いていく。
すぱぱぱぱぱ
きれいに切りそろえられたかぼちゃのスライスがこれまた奇麗な皿に並べられた。
「ほほう。これは美味しそうだの。どれ、味見をしてやろうかの」
幼女はそう言ってかぼちゃのスライスをほおばった。
「これは美味い! ほどよい甘みとホクホク感がたまらん」
「それは良かった。では、これを食べたらもう帰ってもらえますか?」
僕は夢中でかぼちゃスライスを食べる幼女にそういって笑いかけた。
僕はハウスから出ると隣の畑に植えてあるにんじんを指さしてそうお願いをした。
「出来る?」
「そんなの簡単だよぉ。くさ、くさ、みどりのくさぜんぶ、ぜーんぶぬけちゃいなさーい」
幼女は歌か呪文かわからないがクルクルと踊りながらそう宣言をする。
「本当にそんなので草抜きができるのか?」
半信半疑に幼女を見つめていた僕はその身体が光を帯びてその指先から一筋の風が舞ったと思うとにんじん畑に突風がふいた。
すぽぽぽぽぽぽん
その風と共ににんじん畑の草という草が空に舞い上がるのが見えた。
きれいなオレンジ色に染まったにんじんと共に……。
「ぬわっ!? に、にんじんが! まだ収穫するには早すぎる小ぶりのかわいいにんじん達がぁ!!」
とさとさとさ
魔法による風が収まったときにはにんじんの植えてあった畝の上には草の芽一本も生えておらず見事なまでの除草ぶりであった。
「どうじゃ? わらわにかかれば草を取り除くことなど造作もないことじゃよ。ん? どうかしたのかえ?」
「あ、あ、あ」
「あ?」
「あほたれがぁ!! 誰がにんじんまで抜けといったぁ!!」
草と一緒ににんじんまですべて抜いてしまった魔法に僕は思わず強烈なツッコミをいれてしまっていた。
「なによ? 言われたとおりみどりの草を全部抜いただけじゃろ?」
「いや、みどりの草とは言ったがにんじんは抜いてくれとは言わなかったはずだ」
僕はそう言ってため息をついたが、抜けてしまったにんじんはもとには戻らないので諦めて草置き場に飛ばされたにんじんを拾いあつめた。
「ゔー。もう一回、もう一回わらわにやらせてほしいのじゃ。今度こそうまくやるから」
「え? もう十分手伝ってもらったから他はないんだけど」
正直いっていまのを見てしまったらほかの仕事を頼む気にはなれないのが本音なのだが……。
「うーん。ならば今から僕がかぼちゃの収穫をするからそれをカゴに入れて倉庫に運んでもらえるかな? 結構重いから運んでもらえるならば助かるけれど」
「そんなことで良いのか? 簡単なことじゃ」
「じゃあ収穫するまでは少し待ってて欲しい」
僕はそう言ってかぼちゃ畑からかぼちゃをひとつずつ丁寧に切り取っていった。
「ほほう。これは立派なもんじゃの。しかし、硬すぎてとてもではないが歯がたたぬ。これはどうやって食べるのかの?」
僕の収穫する横で幼女はかぼちゃをつついたり叩いたりしてみるがその硬さにいきなりかぶりついたりはせずに僕に食べ方を聞いてくる。
やはり食べものに対する好奇心は相当なのものなのだろう。
「かぼちゃは生で食べることはほとんどなくて大抵は適当な大きさに切り分けて煮るか焼くか揚げるかをして食べるのが一般的だね」
「ふむ。焼けば食べられるのか? どれ、ひとつもらっても良いかの?」
「まあ、ひとつくらいは構わないけどひとりで食べるならば小ぶりのやつを選んだほうが良いだろう。コイツなんか良いんじゃないか?」
僕はそう言って本来の出荷用サイズのふたまわり小さいものを幼女に渡した。
「火炎」
僕からかぼちゃを受け取った幼女はそのかぼちゃを宙に浮かせたまま火の魔法を使ってその場でかぼちゃを丸焼きにする。
「うおおおっと!?」
目の前でいきなり火の球がかぼちゃを包み込んだ光景に僕は思わず声をあげ、その場に尻もちをつく。
「頼むから火の取り扱いは気をつけてくれよ。施設を焼かれたら商売あがったりになるからな」
火は魔法のためかすぐに消え、真っ黒になったかぼちゃがふよふよと浮かぶシュールな光景にあぜんとしながらも「これだけ焦がしたら炭の味しかしないんじゃないか?」と味の心配をしていた。
「とりあえず切ってみるか」
僕は真っ黒になったかぼちゃを手にとり大ぶりの包丁でかぼちゃをふたつに切り分けてみる。
「おお? 思ったよりも簡単に包丁が入ったけれどもしかしたら中はいい具合に焼けているのか?」
包丁は本来のかぼちゃの硬さを無視してすんなりとその実を切り裂いていく。
すぱぱぱぱぱ
きれいに切りそろえられたかぼちゃのスライスがこれまた奇麗な皿に並べられた。
「ほほう。これは美味しそうだの。どれ、味見をしてやろうかの」
幼女はそう言ってかぼちゃのスライスをほおばった。
「これは美味い! ほどよい甘みとホクホク感がたまらん」
「それは良かった。では、これを食べたらもう帰ってもらえますか?」
僕は夢中でかぼちゃスライスを食べる幼女にそういって笑いかけた。
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