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第124話【チート能力者の悪意①】
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僕達が応接室へ戻ってからガイルは約1時間後に現れたがその間にギルドの職員が紅茶とお菓子を運んできてくれたのでそれを食べながら待っていた。
「――すまない、待たせたな。
そして孫娘サラサの事、本当に感謝する」
ガイルは部屋に入るなり僕達に頭を下げて遅れた謝罪と孫娘の治療を成功させた事に感謝の礼をしてきた。
「いえ、僕は依頼された約束を果たしただけですから今度はそちらが約束を果たして頂ければ問題ありません」
「ああ、そうだな。そういう約束だったな……。
当然、約束は守らせてもらうがどんな形が望みなんだ?
国王様に正式な謁見の場で話がしたいのか?
それとも非公式で面会がしたいだけなのか?
そのあたりをはっきりして貰わなければこちらとしても動きようがないぞ」
「――出来れば非公式でいいので今回のように女王様と直接意見のやり取りが出来る形がありがたいです。
出来るだけ少人数が望ましいですけど相手は女王様ですから護衛等は向こうが譲歩してくれるだけで構いません」
僕の言葉にガイルは腕を組んで戦略を練りだす。
「そうだな。ならばまずは私の方から女王様へ『斡旋ギルドからの報告』との形で繋ぎをとってみよう。
アーロンド伯爵領内にて功績のある治癒士が王都を訪れているが王都のためにも一度話をされてみてはどうか? と伝えてみよう。
興味を持って貰えれば面会が叶うだろうし、袖《そで》にされれば今の時点では直接の面会は難しいだろう。
駄目だった時は斡旋ギルドが情報を集めて君に依頼を出すやり方で知名度をあげてから再度面会の稟議をあげるといいだろう」
ガイルの方法は今の僕に出来る最良の方法であると感じた僕は「では、それでお願いします」と言ってから正式に依頼をした。
「うむ。では2日……いや、3日程時間をくれ、その間に女王様への繋ぎをしてみる」
ガイルはそう言うと書類を書くために執務室へと向かった。
「さて、僕達はあまりウロウロしない方が良いだろうから宿でゆっくりするとしようか」
僕はリリスにそう言うと手を差し伸べてソファから立ちギルドを後にした。
* * *
一方、町中で恥をかかされた神の目を持つ男『ゴッツァイ』は拠点としている占いの館で歯噛みをしていた。
「くそっ あの野郎にクソ女、俺様に恥をかかせやがって絶対にゆるせねぇ。
みてろ、俺様にしかない『チート占いスキル』で奴が一番困る事を占って仕掛けてやる。
絶対に奴には王都《ここ》が俺のテリトリーだと分からせてやるからな!」
神の目を持つ男はそう吐き捨てると青白く輝く水晶体の前で怪しげな呪文を唱えた。
「ふん、やっぱりな。
奴も神に選ばれし者だったか、どおりで女王が『そう』だと言ったらしつこく聞いてきた訳だ。
おおかた女王に取り入って王都でデカい顔をしようとしているに違いない。
王都で何か始めるだけなら俺様の占いで詐欺扱いをしてやれば民衆は俺様の味方だからすぐに王都から追い出せるんだが、女王と繋がりを持たれると少しばかり面倒になるからな。
さて、どうしてくれようか……」
神の目を持つ男はその後もナオキの行動を占いで先読みをしていく。
「ん? 数日後にもう女王との面会をする占いが出てるのか……。
なんとか潰す作戦を……」
そう考えていた男はニヤリと悪い笑みを浮かべながら呟いた。
「そうだ、いい事を思いついたぞ。この際だ俺様のもう一つの裏スキルで奴に女王殺しの罪を着せてやるとしよう。
そして、殺された女王に代わって俺様がこの国を導く新たなる王として君臨してやるとするか。
あとは、あのクソ女を奴隷にして好きに慰み者にした後で俺様に逆らった事を後悔させながら処刑してやろう。
くくく……首を洗って待ってやがれ、クソ野郎ども!」
男は椅子から立ち上がると悪意を秘めたまま自らの支配下にあるゴッツァイ信教者ギルドへと向かった。
* * *
宿に戻ったナオキとリリスはガイルからの連絡が入るまでは不用な外出は控えて宿でお茶をしながら話をしていた。
「――やっぱり王都は人も多いから利権問題やしがらみもあってナオキの理想に沿った治療は難しいかもしれないわね。
女王様と面会出来ても『好きに動いて良いです』とはならないでしょうし、えっとあの変な占い師も王都では超有名で人気があるから絶対に邪魔をしてくると思うわ。
だから……」
「だから?」
「前にもちょっと話にあがっていたけどいっその事、王都での活動は諦めて私とカルカルに戻ってゆっくりと暮らさない?
まあそうは言っても、ナオキは納得いかないでしょうから女王様の協力を得られなかったらでいいから……。
ねっ お願い。どうも嫌な予感がして……ナオキが居なくなるんじゃないかって何だか凄く不安になるの」
いつになくリリスが不安がるので僕も何かを見落としていないかこれからの計画を見直していた。
「不確定要素はあの占い師だけだと思うけどあれだけ脅しておいたから多分大丈夫だと思うんだけどな……」
その時、僕は大きな間違いを起こしていた事には全く気がついていなかった。
「――すまない、待たせたな。
そして孫娘サラサの事、本当に感謝する」
ガイルは部屋に入るなり僕達に頭を下げて遅れた謝罪と孫娘の治療を成功させた事に感謝の礼をしてきた。
「いえ、僕は依頼された約束を果たしただけですから今度はそちらが約束を果たして頂ければ問題ありません」
「ああ、そうだな。そういう約束だったな……。
当然、約束は守らせてもらうがどんな形が望みなんだ?
国王様に正式な謁見の場で話がしたいのか?
それとも非公式で面会がしたいだけなのか?
そのあたりをはっきりして貰わなければこちらとしても動きようがないぞ」
「――出来れば非公式でいいので今回のように女王様と直接意見のやり取りが出来る形がありがたいです。
出来るだけ少人数が望ましいですけど相手は女王様ですから護衛等は向こうが譲歩してくれるだけで構いません」
僕の言葉にガイルは腕を組んで戦略を練りだす。
「そうだな。ならばまずは私の方から女王様へ『斡旋ギルドからの報告』との形で繋ぎをとってみよう。
アーロンド伯爵領内にて功績のある治癒士が王都を訪れているが王都のためにも一度話をされてみてはどうか? と伝えてみよう。
興味を持って貰えれば面会が叶うだろうし、袖《そで》にされれば今の時点では直接の面会は難しいだろう。
駄目だった時は斡旋ギルドが情報を集めて君に依頼を出すやり方で知名度をあげてから再度面会の稟議をあげるといいだろう」
ガイルの方法は今の僕に出来る最良の方法であると感じた僕は「では、それでお願いします」と言ってから正式に依頼をした。
「うむ。では2日……いや、3日程時間をくれ、その間に女王様への繋ぎをしてみる」
ガイルはそう言うと書類を書くために執務室へと向かった。
「さて、僕達はあまりウロウロしない方が良いだろうから宿でゆっくりするとしようか」
僕はリリスにそう言うと手を差し伸べてソファから立ちギルドを後にした。
* * *
一方、町中で恥をかかされた神の目を持つ男『ゴッツァイ』は拠点としている占いの館で歯噛みをしていた。
「くそっ あの野郎にクソ女、俺様に恥をかかせやがって絶対にゆるせねぇ。
みてろ、俺様にしかない『チート占いスキル』で奴が一番困る事を占って仕掛けてやる。
絶対に奴には王都《ここ》が俺のテリトリーだと分からせてやるからな!」
神の目を持つ男はそう吐き捨てると青白く輝く水晶体の前で怪しげな呪文を唱えた。
「ふん、やっぱりな。
奴も神に選ばれし者だったか、どおりで女王が『そう』だと言ったらしつこく聞いてきた訳だ。
おおかた女王に取り入って王都でデカい顔をしようとしているに違いない。
王都で何か始めるだけなら俺様の占いで詐欺扱いをしてやれば民衆は俺様の味方だからすぐに王都から追い出せるんだが、女王と繋がりを持たれると少しばかり面倒になるからな。
さて、どうしてくれようか……」
神の目を持つ男はその後もナオキの行動を占いで先読みをしていく。
「ん? 数日後にもう女王との面会をする占いが出てるのか……。
なんとか潰す作戦を……」
そう考えていた男はニヤリと悪い笑みを浮かべながら呟いた。
「そうだ、いい事を思いついたぞ。この際だ俺様のもう一つの裏スキルで奴に女王殺しの罪を着せてやるとしよう。
そして、殺された女王に代わって俺様がこの国を導く新たなる王として君臨してやるとするか。
あとは、あのクソ女を奴隷にして好きに慰み者にした後で俺様に逆らった事を後悔させながら処刑してやろう。
くくく……首を洗って待ってやがれ、クソ野郎ども!」
男は椅子から立ち上がると悪意を秘めたまま自らの支配下にあるゴッツァイ信教者ギルドへと向かった。
* * *
宿に戻ったナオキとリリスはガイルからの連絡が入るまでは不用な外出は控えて宿でお茶をしながら話をしていた。
「――やっぱり王都は人も多いから利権問題やしがらみもあってナオキの理想に沿った治療は難しいかもしれないわね。
女王様と面会出来ても『好きに動いて良いです』とはならないでしょうし、えっとあの変な占い師も王都では超有名で人気があるから絶対に邪魔をしてくると思うわ。
だから……」
「だから?」
「前にもちょっと話にあがっていたけどいっその事、王都での活動は諦めて私とカルカルに戻ってゆっくりと暮らさない?
まあそうは言っても、ナオキは納得いかないでしょうから女王様の協力を得られなかったらでいいから……。
ねっ お願い。どうも嫌な予感がして……ナオキが居なくなるんじゃないかって何だか凄く不安になるの」
いつになくリリスが不安がるので僕も何かを見落としていないかこれからの計画を見直していた。
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