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気付けば時間が経過していました
ちょっとストップがかかったことを知るユーファネート
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ギュンターとフィネの2人が話し合いをしている間、暇を持て余したユーファネートはセバスチャンに紅茶のお代わりを要求し、セバスチャンも嬉々として紅茶を淹れていた。
「うーん。セバスチャンの紅茶は本当に美味しいわ。淹れるのが上手くなったわね。いつも側に居て紅茶を淹れてくれるから、待つ時間が苦にならなくなったわ」
ここが魔物の出る洞窟の中であることを忘れていそうなユーファネートの態度だが、セバスチャンは気にすることなく、成長をうかがわせる手つきで紅茶をユーファネートに手渡す。
「そのような過分なお言葉を敬愛するユーファネート様から頂けるなんて。本当に嬉しい限りでございます。今日は『ユーファネート様に紅茶を褒めてもらった日』として生涯語り継いでいきます。ユーファネート様に喜んでいただけるように、ユーファネート様が喜ばれる湯の温度、茶葉の量、蒸らす時間、カップの温め、全てをユーファネート様が喜ばれるタイミングを常に研究しております。毎日、ユーファネート様の表情を拝見しながら試行錯誤の毎日。そして最近、ユーファネート様の天使と見間違うような笑みを浮かべられるポイントが僅かながら見えてきました。後は季節に応じて配分などを調整して、ユーファネート様から至上の笑みを――」
「はい、ストップ。『ユーファネート様』が多すぎる、今回の言動もきっと怪しいなーとは思っていたわよ。それになに? 『紅茶を褒めてもらった日』『生涯語り継ぐ』ですって?」
恍惚とした表情で話をしているセバスチャンに、ツッコみながらユーファネートが確認してみると、今日一番の笑みを浮かべながらセバスチャンが回答をする。
「はい! この程度の技量では、まだユーファネート様に認めてもらえるとは思っておりません。それを忘れないために『ユーファネート様に紅茶を褒めてもらった日』を作り、初心を忘れないようにしたいのです」
言動は徐々におかしくなってきているが、セバスチャンは『君☆』のメインキャラであり、スチルをしっかりと集めていたユーファネートにとって、幼いセバスチャンの熱が籠った目は眼福であった。
「セバスチャンがそこまで私のために研究をしてくれるのは嬉しいわ。こっちにいらっしゃい。褒美を与えましょう」
ユーファネートが手招きすると、セバスチャンは喜びの表情を浮かべて近くまでやってくるとひざまずいた。
「よくできました。これからも技量を磨きなさい。そして私のためだけに微笑むのよ」
「はい! ユーファネート様の為にこの身を捧げる覚悟です」
最近の2人の習慣とであった。
最初はユーファネートがセバスチャンに抱き着き、それから頭を撫でていたのだが、その現場を発見した父親のアルベリヒがストップを掛けたのである。
「セバスチャンを褒める際は頭を撫でるに止めなさい。抱き着くならパパにしなさい。パパならいつでも抱き着いていいからね」
未成年とはいえ、男女が抱き合うのはよくない事であり、また主従関係においても間違っていると力説されたのである。
「お父様も過保護よね」
小声で呟くユーファネートだが、貴族においては10代で結婚することは珍しいことではなく、そんな世界において執事と抱き合う令嬢はゴシップネタになるとアルベリヒから危惧されたのである。
そんな事情があるとは知らないユーファネートが頬を膨らませて抗議すると、アルベリヒから頭を撫でるのは構わないと妥協案を提示され、しぶしぶ受け入れたのであった。
「……11歳の男女でなにがあるっていうよの。そういえばセバスチャンは妹さんたちに会わなくていいの? もう1年くらい会ってないでしょ?」
「私ごときの為にお気遣いを頂けるなんて……。ありがとうございます。このセバスチャンはユーファネート様のために存在しております。妹たちとは手紙でやり取りをしておりますのでご安心ください。2人とも元気に孤児院で暮らしておりますし、ユーファネート様からの寄付金で妹たちだけでなく、孤児院の者達全てが学校に通うことが出来ております。シスターからも今までが嘘のように生活が安定し、ユーファネート様への感謝する日々を送っていると手紙をもらっております」
「セバスチャンの妹さんが元気なら良かったわ。休暇が欲しいなら言いなさい。お世話になったシスター様にも会いたいでしょう? きっと妹さんたちも待っているわよ」
何気ないユーファネートの言葉であったが、貴族に仕えることにことになった者が普段から手紙を出せるのは破格の扱いであり、また寄付までしてもらえるなどは普通ではありえなかった。
ましてや休暇を与えるなど言う者は皆無であり、セバスチャンは薄っすら涙を浮かべながら、ユーファネートの懐の深さと、聖母のような慈愛に満ちている顔を見て、改めて陶酔した表情を浮かべるのだった。
◇□◇□◇□
「え? お付き合いを保留するですって?」
セバスチャンがユーファネートをひざまずいたまま、祈るような姿を見たギュンターとフィネがギョッとした顔になっていたが、ギュンターはいつもの発作が出たのであろうと気を取り直すとユーファネートに話しかけていた。
「ああ、まだ会ってそれほど時間も経っていないし、お互いの事を良く知らない。フィネが知っている俺は夢の中での俺だし、それに未来の話のようだ。だからしばらくはお互いを知る方がいいとなったんだ」
「はい。ギュンター様とつり合いが取れるように礼儀作法を身に着けようと思います。ユーファネート様が将来入学される学院に合格できるように、これから勉強も始めていきます」
2人して理由を説明してくれたが、ユーファネートからすると残念な気持ちがあった。
主人公と一緒に暮らせれば楽しいイベントが多く巻き起こると思っていたからである。
しかし、2人の意思は固いらしく、全て話し合って決めたとの表情にユーファネートは諦めたように肩をすくめると残っている紅茶を飲み干した。
「分かりましたわ。2人がそう言うのなら仕方ないですわね。でも、フィネは定期的に屋敷に来てくれるわよね? せっかくお友達になったのですもの」
「お言葉は嬉しいですが……」
ユーファネートの気さくな言葉に最初は遠慮していたフィネだったが、めげずに説得するユーファネートと、ギュンターからも屋敷に来てくれた方がお互いの事が理解できると言われると、最後は笑顔で了承するのだった。
「うーん。セバスチャンの紅茶は本当に美味しいわ。淹れるのが上手くなったわね。いつも側に居て紅茶を淹れてくれるから、待つ時間が苦にならなくなったわ」
ここが魔物の出る洞窟の中であることを忘れていそうなユーファネートの態度だが、セバスチャンは気にすることなく、成長をうかがわせる手つきで紅茶をユーファネートに手渡す。
「そのような過分なお言葉を敬愛するユーファネート様から頂けるなんて。本当に嬉しい限りでございます。今日は『ユーファネート様に紅茶を褒めてもらった日』として生涯語り継いでいきます。ユーファネート様に喜んでいただけるように、ユーファネート様が喜ばれる湯の温度、茶葉の量、蒸らす時間、カップの温め、全てをユーファネート様が喜ばれるタイミングを常に研究しております。毎日、ユーファネート様の表情を拝見しながら試行錯誤の毎日。そして最近、ユーファネート様の天使と見間違うような笑みを浮かべられるポイントが僅かながら見えてきました。後は季節に応じて配分などを調整して、ユーファネート様から至上の笑みを――」
「はい、ストップ。『ユーファネート様』が多すぎる、今回の言動もきっと怪しいなーとは思っていたわよ。それになに? 『紅茶を褒めてもらった日』『生涯語り継ぐ』ですって?」
恍惚とした表情で話をしているセバスチャンに、ツッコみながらユーファネートが確認してみると、今日一番の笑みを浮かべながらセバスチャンが回答をする。
「はい! この程度の技量では、まだユーファネート様に認めてもらえるとは思っておりません。それを忘れないために『ユーファネート様に紅茶を褒めてもらった日』を作り、初心を忘れないようにしたいのです」
言動は徐々におかしくなってきているが、セバスチャンは『君☆』のメインキャラであり、スチルをしっかりと集めていたユーファネートにとって、幼いセバスチャンの熱が籠った目は眼福であった。
「セバスチャンがそこまで私のために研究をしてくれるのは嬉しいわ。こっちにいらっしゃい。褒美を与えましょう」
ユーファネートが手招きすると、セバスチャンは喜びの表情を浮かべて近くまでやってくるとひざまずいた。
「よくできました。これからも技量を磨きなさい。そして私のためだけに微笑むのよ」
「はい! ユーファネート様の為にこの身を捧げる覚悟です」
最近の2人の習慣とであった。
最初はユーファネートがセバスチャンに抱き着き、それから頭を撫でていたのだが、その現場を発見した父親のアルベリヒがストップを掛けたのである。
「セバスチャンを褒める際は頭を撫でるに止めなさい。抱き着くならパパにしなさい。パパならいつでも抱き着いていいからね」
未成年とはいえ、男女が抱き合うのはよくない事であり、また主従関係においても間違っていると力説されたのである。
「お父様も過保護よね」
小声で呟くユーファネートだが、貴族においては10代で結婚することは珍しいことではなく、そんな世界において執事と抱き合う令嬢はゴシップネタになるとアルベリヒから危惧されたのである。
そんな事情があるとは知らないユーファネートが頬を膨らませて抗議すると、アルベリヒから頭を撫でるのは構わないと妥協案を提示され、しぶしぶ受け入れたのであった。
「……11歳の男女でなにがあるっていうよの。そういえばセバスチャンは妹さんたちに会わなくていいの? もう1年くらい会ってないでしょ?」
「私ごときの為にお気遣いを頂けるなんて……。ありがとうございます。このセバスチャンはユーファネート様のために存在しております。妹たちとは手紙でやり取りをしておりますのでご安心ください。2人とも元気に孤児院で暮らしておりますし、ユーファネート様からの寄付金で妹たちだけでなく、孤児院の者達全てが学校に通うことが出来ております。シスターからも今までが嘘のように生活が安定し、ユーファネート様への感謝する日々を送っていると手紙をもらっております」
「セバスチャンの妹さんが元気なら良かったわ。休暇が欲しいなら言いなさい。お世話になったシスター様にも会いたいでしょう? きっと妹さんたちも待っているわよ」
何気ないユーファネートの言葉であったが、貴族に仕えることにことになった者が普段から手紙を出せるのは破格の扱いであり、また寄付までしてもらえるなどは普通ではありえなかった。
ましてや休暇を与えるなど言う者は皆無であり、セバスチャンは薄っすら涙を浮かべながら、ユーファネートの懐の深さと、聖母のような慈愛に満ちている顔を見て、改めて陶酔した表情を浮かべるのだった。
◇□◇□◇□
「え? お付き合いを保留するですって?」
セバスチャンがユーファネートをひざまずいたまま、祈るような姿を見たギュンターとフィネがギョッとした顔になっていたが、ギュンターはいつもの発作が出たのであろうと気を取り直すとユーファネートに話しかけていた。
「ああ、まだ会ってそれほど時間も経っていないし、お互いの事を良く知らない。フィネが知っている俺は夢の中での俺だし、それに未来の話のようだ。だからしばらくはお互いを知る方がいいとなったんだ」
「はい。ギュンター様とつり合いが取れるように礼儀作法を身に着けようと思います。ユーファネート様が将来入学される学院に合格できるように、これから勉強も始めていきます」
2人して理由を説明してくれたが、ユーファネートからすると残念な気持ちがあった。
主人公と一緒に暮らせれば楽しいイベントが多く巻き起こると思っていたからである。
しかし、2人の意思は固いらしく、全て話し合って決めたとの表情にユーファネートは諦めたように肩をすくめると残っている紅茶を飲み干した。
「分かりましたわ。2人がそう言うのなら仕方ないですわね。でも、フィネは定期的に屋敷に来てくれるわよね? せっかくお友達になったのですもの」
「お言葉は嬉しいですが……」
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