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13 作戦開始です
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皆さんが口々に意見?本音?を口にされます。
「そりゃあの頃の奥様も笑えたが、今の奥様も楽しいからなぁ・・・どっちがいいかな」
軽くディスられている?
「どうせ騙すなら全く違う奥様像にしないと、正体がバレませんか?」
人を化け猫のように・・・
「それは確かに・・・じゃあどんなイメージにする?奥様とは真反対でしょ?となると・・・儚い感じの大人しい奥様?」
まあ、なんてことを!
「うん。その路線だな。悲しげに俯いて帰ってこない夫を待ち続けるって感じ?」
ちょっと!酷くない?
「そして超絶の美人ってことで」
傷ついたわ・・・
「じゃあその路線で」
決まったようです。
もう何も言うことはございません。
設定としては、あの夜から奥様の様子がおかしかったことと、翌朝には置手紙を残されていなくなったということになりました。
「じゃあ奥様、置手紙書いてくださいね?」
家出を強要されているような気分ですが、皆さんのご希望通り、儚くて大人しくて、悲しげに夫の帰りを待っている超絶美人が書くような手紙を書きました。
アレンさんが恒例の添削をして下さり、三度書き直してやっと合格点をいただきました。
きれいに掃除をした自室のテーブルに置き、私はドレスや宝石はそのままにして、実家から持ってきたものだけを持って使用人部屋にお引越しです。
「名前は何にしますか?」
「そうね・・・ルーアは?」
「バレる前提ですか?・・・まあ何でもいいです」
あっさり役名が決まり、後は本番を待つだけです。
皆さんもノリノリで、やっと元気を取り戻してくれました。
めでたしめでたし。
次の日の夕方、ジュリアがやってきました。
「どうだった?」
「犯人はあの秘書だったよ。ランドル・ベントン様。すぐに返事が欲しいから夕方にもう一度伺いますって言って、ドアの隙間から覗いてたらさあ、義兄さんはランチに行ってるって言ったくせにどこにも手紙を届けない。義兄さんも部屋には帰ってこない。なのに夕方には返事が用意されていたんだ」
「ずっと見張ってたの?」
「いや、義兄さんの事務室の前の来客カウンターの受付嬢に見張りをお願いしたんだ。俺が見てるより確実だから」
「やるわね・・・」
「それがね、意外な大物が釣れたんだよ。女王様の第一秘書のイーリス様。彼が義兄さんの事務室に入ってランドル様から手紙の内容を聞いていた。これは俺が立ち聞きしたから間違いないよ」
「ふぅぅん・・・なぜその方が?」
「それは女王様のご要望だろ?なんせ王宮では有名なんだよ、女王様のご執心ぶりは」
「なんだかはしたないわね」
「おそらく女王様は義兄さんに送られた手紙も伝言もすべて把握している。故意に知らせていないんだ。でもさすがに父上の死とか結婚式のこととはは無視するわけにはいかないってことで、あの対応だったのだろうね」
「どうしてそこまでする必要があるのかしら?思い合っているならそんなことしなくてもルイス様は離れないでしょうに」
「だから思い合ってないんじゃないの?少なくとも女王様は必死だよ。これはみんな言ってる。しかも義兄さんにはみんな同情的なんだ」
「同情的?」
「うん。みんなを代表して犠牲になってくれているからね・・・体を張って」
「旦那様も戦っておられるのね・・・」
「うん。武器は立派な剣らしいよ?噂だけど」
「立派な剣?」
「兄さんの下半身にはものすごく立派な性剣が・・・噂だけど」
私は吹き出すのを我慢するだけで精一杯です。
だって下半身で戦っておられるのでしょ?
しかも聖剣ならぬ性剣で・・・
上手いこと言いますよね、感心します。
「でもね?庇うわけじゃないけど、義兄さんのお陰で女王様に認可された政策がたくさんあるんだ。義兄さんはね、何でもかんでも言いなりに女王様に上申しているわけではないんだよ。誰かが個人的に有利になるとか儲かるとかの内容は、女王様のところに行く前に義兄さんのところで潰されてる。義兄さんが女王様に持っていくのは、真に良い政策だけど金がかかるとか、成果が見えにくいけど民のためになるとか、そういう案件なんだ」
「それって下半身を使わないと通らないっておかしくない?」
「うん。おかしいと思う。でもあの女王様だもの・・・政治のセンスの欠片も無いし興味もない。今この国が傾いていないのは王配の政治センスと義兄さんのテクニックのお陰らしいよ?噂だけど」
テクニックって・・・私の旦那様って聖人なのでしょうか愚人なのでしょうか・・・ああ性人?ぷぷぷ!笑ってごめんなさい。
「なんかさぁ、姉さんをここまで蔑ろにされて、ものすごく腹が立ってたんだけど、義兄さんの人となりを調べてみたら、なんと言うか憎めない人なんだ。女王様の愛人って良いイメージないけど、誰も悪口を言わない。むしろ申し訳ないって思ってるみたい」
「不可解だわ・・・」
「うん。不思議だよね・・・そんな義兄さんが今の立場に甘んじているっていうのがさ」
アレンさんがぽつっと言いました。
「そうですね・・・坊ちゃんは正義感の強い方でしたよ。本当に優しい子だった・・・」
あらあらアレンさんったらセンチメンタルジャーニーですわ。
そのあたりはマルっと流して、私はジュリアに今回の作戦を説明しました。
ミッション名は『消えた新妻と夫の正体!カギを握る新米メイド』作戦です。
ちょっとネーミングが長かったでしょうか?
ジュリアは大笑いをして帰っていきました。
今後も協力を惜しまないと言ってくれたので、遠慮なくコキ使いましょう。
そうこうしているうちに旦那様がお帰りになるとの知らせが届きました。
なぜかワクワクドキドキです!
「そりゃあの頃の奥様も笑えたが、今の奥様も楽しいからなぁ・・・どっちがいいかな」
軽くディスられている?
「どうせ騙すなら全く違う奥様像にしないと、正体がバレませんか?」
人を化け猫のように・・・
「それは確かに・・・じゃあどんなイメージにする?奥様とは真反対でしょ?となると・・・儚い感じの大人しい奥様?」
まあ、なんてことを!
「うん。その路線だな。悲しげに俯いて帰ってこない夫を待ち続けるって感じ?」
ちょっと!酷くない?
「そして超絶の美人ってことで」
傷ついたわ・・・
「じゃあその路線で」
決まったようです。
もう何も言うことはございません。
設定としては、あの夜から奥様の様子がおかしかったことと、翌朝には置手紙を残されていなくなったということになりました。
「じゃあ奥様、置手紙書いてくださいね?」
家出を強要されているような気分ですが、皆さんのご希望通り、儚くて大人しくて、悲しげに夫の帰りを待っている超絶美人が書くような手紙を書きました。
アレンさんが恒例の添削をして下さり、三度書き直してやっと合格点をいただきました。
きれいに掃除をした自室のテーブルに置き、私はドレスや宝石はそのままにして、実家から持ってきたものだけを持って使用人部屋にお引越しです。
「名前は何にしますか?」
「そうね・・・ルーアは?」
「バレる前提ですか?・・・まあ何でもいいです」
あっさり役名が決まり、後は本番を待つだけです。
皆さんもノリノリで、やっと元気を取り戻してくれました。
めでたしめでたし。
次の日の夕方、ジュリアがやってきました。
「どうだった?」
「犯人はあの秘書だったよ。ランドル・ベントン様。すぐに返事が欲しいから夕方にもう一度伺いますって言って、ドアの隙間から覗いてたらさあ、義兄さんはランチに行ってるって言ったくせにどこにも手紙を届けない。義兄さんも部屋には帰ってこない。なのに夕方には返事が用意されていたんだ」
「ずっと見張ってたの?」
「いや、義兄さんの事務室の前の来客カウンターの受付嬢に見張りをお願いしたんだ。俺が見てるより確実だから」
「やるわね・・・」
「それがね、意外な大物が釣れたんだよ。女王様の第一秘書のイーリス様。彼が義兄さんの事務室に入ってランドル様から手紙の内容を聞いていた。これは俺が立ち聞きしたから間違いないよ」
「ふぅぅん・・・なぜその方が?」
「それは女王様のご要望だろ?なんせ王宮では有名なんだよ、女王様のご執心ぶりは」
「なんだかはしたないわね」
「おそらく女王様は義兄さんに送られた手紙も伝言もすべて把握している。故意に知らせていないんだ。でもさすがに父上の死とか結婚式のこととはは無視するわけにはいかないってことで、あの対応だったのだろうね」
「どうしてそこまでする必要があるのかしら?思い合っているならそんなことしなくてもルイス様は離れないでしょうに」
「だから思い合ってないんじゃないの?少なくとも女王様は必死だよ。これはみんな言ってる。しかも義兄さんにはみんな同情的なんだ」
「同情的?」
「うん。みんなを代表して犠牲になってくれているからね・・・体を張って」
「旦那様も戦っておられるのね・・・」
「うん。武器は立派な剣らしいよ?噂だけど」
「立派な剣?」
「兄さんの下半身にはものすごく立派な性剣が・・・噂だけど」
私は吹き出すのを我慢するだけで精一杯です。
だって下半身で戦っておられるのでしょ?
しかも聖剣ならぬ性剣で・・・
上手いこと言いますよね、感心します。
「でもね?庇うわけじゃないけど、義兄さんのお陰で女王様に認可された政策がたくさんあるんだ。義兄さんはね、何でもかんでも言いなりに女王様に上申しているわけではないんだよ。誰かが個人的に有利になるとか儲かるとかの内容は、女王様のところに行く前に義兄さんのところで潰されてる。義兄さんが女王様に持っていくのは、真に良い政策だけど金がかかるとか、成果が見えにくいけど民のためになるとか、そういう案件なんだ」
「それって下半身を使わないと通らないっておかしくない?」
「うん。おかしいと思う。でもあの女王様だもの・・・政治のセンスの欠片も無いし興味もない。今この国が傾いていないのは王配の政治センスと義兄さんのテクニックのお陰らしいよ?噂だけど」
テクニックって・・・私の旦那様って聖人なのでしょうか愚人なのでしょうか・・・ああ性人?ぷぷぷ!笑ってごめんなさい。
「なんかさぁ、姉さんをここまで蔑ろにされて、ものすごく腹が立ってたんだけど、義兄さんの人となりを調べてみたら、なんと言うか憎めない人なんだ。女王様の愛人って良いイメージないけど、誰も悪口を言わない。むしろ申し訳ないって思ってるみたい」
「不可解だわ・・・」
「うん。不思議だよね・・・そんな義兄さんが今の立場に甘んじているっていうのがさ」
アレンさんがぽつっと言いました。
「そうですね・・・坊ちゃんは正義感の強い方でしたよ。本当に優しい子だった・・・」
あらあらアレンさんったらセンチメンタルジャーニーですわ。
そのあたりはマルっと流して、私はジュリアに今回の作戦を説明しました。
ミッション名は『消えた新妻と夫の正体!カギを握る新米メイド』作戦です。
ちょっとネーミングが長かったでしょうか?
ジュリアは大笑いをして帰っていきました。
今後も協力を惜しまないと言ってくれたので、遠慮なくコキ使いましょう。
そうこうしているうちに旦那様がお帰りになるとの知らせが届きました。
なぜかワクワクドキドキです!
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