54 / 66
54 債権放棄
しおりを挟む
「そんなバカな……小百合は俺の言うことを……どういうことだ……」
「もう良いですか?」
ブディが冷たく言い放つ。
「待ってくれ……そんなバカな……では小夜子は……小夜子の父親は誰なんだぞ」
「もちろん烏丸信也ですよ?」
小夜子の声が響き渡った。
「いや、俺は小百合に避妊薬を……」
「そんなこと存じませんが、私の父は間違いなく烏丸信也であり、母は烏丸小百合ですわ」
呆然と立ち尽くす。
「デハテツヅキヲ」
山本の存在など無視するように、ブディと2人の男が進み出た。
それを追うようにフラフラと歩き出した山本を、信一郎が羽交い絞めで止める。
小夜子が淀みのない声で話し始めた。
「1934年に東小路家と斉藤家が共同で貸し付けた5億ドルについて、1946年の返済延期申請を承諾し貸借契約を巻き直しました。巻きなおした返済期日である1996年の今日現在、その債権者である斉藤雅也は死亡しているため、本人の遺言により、所有する全ての債権を放棄することをここに報告します」
「東小路さんと斉藤さんは我ら民族の独立に多大な貢献をして下さった。改めて感謝申し上げる」
深々と頭を下げる民族衣装の男に、小夜子がゆっくりと頷いた。
「東小路家の債権を相続したのは東小路小百合ですが、本人は烏丸家へ嫁いだ後に亡くなっております」
男たちが小さく頷く。
「その小百合の子は長男である一也と私の2人ですが、一也は他家へ養子に出された時点で相続権を放棄しております。従いまして東小路家が保有する債権を相続できるのは私だけです」
遠くでキイッと野鳥が一声鋭く鳴いた。
「そして私こと烏丸小夜子は、東小路家債権の相続人として、その全てを放棄することをここに宣言いたします」
暴れる山本を抑えるために、山中も手を貸さなくてはいけないほどの状況になっている中、手続きは粛々と進んでいった。
「待て! 小夜子! 早まるな! 50億ドルだぞ? 半分としても25億ドルだ! 捨てるのか? それほどの金を捨てると言うのか?」
小夜子はまったく意に介さず、首から手製のペンダントを外した。
「これが債権を保有する事を示すものです」
小夜子の言葉に、男たちは宝石を一瞬見たが、すぐにその場に膝をついた。
「ラトゥ・アリランジャルニ・パラメタの真の末裔である小夜子、あなたがラトゥ・アリランジャル二の称号を継ぐ者であることを全ジャワ人の総意として認めます」
その場にいる男たちが全員、体を投げ出すような姿勢で地に伏した。
その中央に立つのは女王となった小夜子唯一人。
「待て!」
信一郎と山中の拘束を振り解いた山本充が、小夜子を目掛けて駆け出した。
「父さん!」
信一郎の声が響くと同時に、ゆっくりとスローモーションで崩れ落ちる山本。
その光景に対処できた者は1人もいなかった。
砂煙を巻き上げて倒れた山本に、まず駆け寄ったのは息子の信一郎だった。
「父さん! 父さん!」
軽いパニック状態に陥りながらも、医師である信一郎は素早く状況を確認しているが、冷静さを欠いているのは一目瞭然だ。
山中が駆け寄り、信一郎の肩を揺する。
「しっかりしろ!」
呆然とする信一郎の肩を揺すりながら、山中がブディに言った。
「この国を訪問している日本人として救済を求める。日本大使館に至急連絡をしてくれ」
ブディは頷いてリムジンに戻って行った。
「待て……待ってくれ……小夜子……早まるな……」
信一郎に支えられながら山本が小夜子に手を伸ばした。
小夜子がゆっくりと口を開く。
「山本先生、あなたって50年も待ったという割には契約書の確認もなさいませんでしたの? 確かに当初の貸与額は50億ドルでしたけれど、斎藤ったら契約を巻きなおすときにインドネシアの書き方を踏襲していなかったのです。そこだけ間違った書き方をするなんて、ご主人様もお茶目な方ですわよね」
「契約書は何度も見た。間違ってなんかいない! どういう意味だ」
山本の目が据わっている。
小夜子の代わりに、民族衣装を着た男が鞄から契約書を出して指し示した。
「我が国ではコンマとカンマは逆の使い方をします。$ 5,000,000,000は、インドネシア流で読むと5ドルです。小数点以下はいくつ並んでも1ルピアにもなりません」
「ご……5ドル?」
小夜子が明るく言った。
「ええ、今だと1ドル110円くらいだから……550円? その半分だと225円……いります? 良ければ私がすぐに出しますよ? ねえ山中さん、手持ちある?」
「ええ、ホテルの戻れば小銭入れに、それくらいなら入っています」
山中が苦笑しながら言った。
山本が男から契約を奪い取り、目を皿のようにして確認している。
確かに5という数字の後に、カンマがわざとらしいほど大きく打たれていた。
他の箇所を確認したが、その他の金額はきちんとインドネシアの流儀で書かれている。
「斉藤……お前、わざとか」
小夜子が毅然とした態度で背筋を伸ばした。
「サクラさんはある日突然、何の事情も分からないまま5歳という幼さで、祖国から連れ出され、異国の地で頼りの母から無理やり引き剝がされたのです。そして言葉もわからないまま見よう見まねで働き、挙句の果てに空襲で命を落としてしまいました。ジャワ国の王女がですよ? どれほど寂しく辛く悲しかったことでしょう。たった50億ドルで償いの一端になるなら安いものです」
「そんな……そんなバカな……」
山本の手から契約書がはらりと落ちた。
それを拾った民族衣装の男が、砂ぼこりをパンパンと叩いて鞄に戻す。
ブディがゆっくりと戻ってきた。
「日本大使館には連絡しましたが、南ジャカルタ市からですから、すぐには来られないと言っています。どうしますか?」
信一郎がゆっくりと顔を上げた。
「このままホテルに戻ります。お手数をおかけしました。後はこちらでやりますので、大使館には来なくて良いと伝えてください」
山中が手を貸してやり、信一郎はなんとか立ち上がった。
「父さん、帰ろう」
小夜子が動き出すと、控えていた男たちが小夜子の行く手に白い花を撒いた。
その上を何の躊躇もなく歩む小夜子。
小夜子の纏うピンクのクバヤの裾に、白い花弁が舞い上がり、さながら花の精のようだ。
ブディが恭しくリムジンのドアを開ける。
その後ろには従者の男たちと共に跪く民族衣装の男の姿もあった。
「もう良いですか?」
ブディが冷たく言い放つ。
「待ってくれ……そんなバカな……では小夜子は……小夜子の父親は誰なんだぞ」
「もちろん烏丸信也ですよ?」
小夜子の声が響き渡った。
「いや、俺は小百合に避妊薬を……」
「そんなこと存じませんが、私の父は間違いなく烏丸信也であり、母は烏丸小百合ですわ」
呆然と立ち尽くす。
「デハテツヅキヲ」
山本の存在など無視するように、ブディと2人の男が進み出た。
それを追うようにフラフラと歩き出した山本を、信一郎が羽交い絞めで止める。
小夜子が淀みのない声で話し始めた。
「1934年に東小路家と斉藤家が共同で貸し付けた5億ドルについて、1946年の返済延期申請を承諾し貸借契約を巻き直しました。巻きなおした返済期日である1996年の今日現在、その債権者である斉藤雅也は死亡しているため、本人の遺言により、所有する全ての債権を放棄することをここに報告します」
「東小路さんと斉藤さんは我ら民族の独立に多大な貢献をして下さった。改めて感謝申し上げる」
深々と頭を下げる民族衣装の男に、小夜子がゆっくりと頷いた。
「東小路家の債権を相続したのは東小路小百合ですが、本人は烏丸家へ嫁いだ後に亡くなっております」
男たちが小さく頷く。
「その小百合の子は長男である一也と私の2人ですが、一也は他家へ養子に出された時点で相続権を放棄しております。従いまして東小路家が保有する債権を相続できるのは私だけです」
遠くでキイッと野鳥が一声鋭く鳴いた。
「そして私こと烏丸小夜子は、東小路家債権の相続人として、その全てを放棄することをここに宣言いたします」
暴れる山本を抑えるために、山中も手を貸さなくてはいけないほどの状況になっている中、手続きは粛々と進んでいった。
「待て! 小夜子! 早まるな! 50億ドルだぞ? 半分としても25億ドルだ! 捨てるのか? それほどの金を捨てると言うのか?」
小夜子はまったく意に介さず、首から手製のペンダントを外した。
「これが債権を保有する事を示すものです」
小夜子の言葉に、男たちは宝石を一瞬見たが、すぐにその場に膝をついた。
「ラトゥ・アリランジャルニ・パラメタの真の末裔である小夜子、あなたがラトゥ・アリランジャル二の称号を継ぐ者であることを全ジャワ人の総意として認めます」
その場にいる男たちが全員、体を投げ出すような姿勢で地に伏した。
その中央に立つのは女王となった小夜子唯一人。
「待て!」
信一郎と山中の拘束を振り解いた山本充が、小夜子を目掛けて駆け出した。
「父さん!」
信一郎の声が響くと同時に、ゆっくりとスローモーションで崩れ落ちる山本。
その光景に対処できた者は1人もいなかった。
砂煙を巻き上げて倒れた山本に、まず駆け寄ったのは息子の信一郎だった。
「父さん! 父さん!」
軽いパニック状態に陥りながらも、医師である信一郎は素早く状況を確認しているが、冷静さを欠いているのは一目瞭然だ。
山中が駆け寄り、信一郎の肩を揺する。
「しっかりしろ!」
呆然とする信一郎の肩を揺すりながら、山中がブディに言った。
「この国を訪問している日本人として救済を求める。日本大使館に至急連絡をしてくれ」
ブディは頷いてリムジンに戻って行った。
「待て……待ってくれ……小夜子……早まるな……」
信一郎に支えられながら山本が小夜子に手を伸ばした。
小夜子がゆっくりと口を開く。
「山本先生、あなたって50年も待ったという割には契約書の確認もなさいませんでしたの? 確かに当初の貸与額は50億ドルでしたけれど、斎藤ったら契約を巻きなおすときにインドネシアの書き方を踏襲していなかったのです。そこだけ間違った書き方をするなんて、ご主人様もお茶目な方ですわよね」
「契約書は何度も見た。間違ってなんかいない! どういう意味だ」
山本の目が据わっている。
小夜子の代わりに、民族衣装を着た男が鞄から契約書を出して指し示した。
「我が国ではコンマとカンマは逆の使い方をします。$ 5,000,000,000は、インドネシア流で読むと5ドルです。小数点以下はいくつ並んでも1ルピアにもなりません」
「ご……5ドル?」
小夜子が明るく言った。
「ええ、今だと1ドル110円くらいだから……550円? その半分だと225円……いります? 良ければ私がすぐに出しますよ? ねえ山中さん、手持ちある?」
「ええ、ホテルの戻れば小銭入れに、それくらいなら入っています」
山中が苦笑しながら言った。
山本が男から契約を奪い取り、目を皿のようにして確認している。
確かに5という数字の後に、カンマがわざとらしいほど大きく打たれていた。
他の箇所を確認したが、その他の金額はきちんとインドネシアの流儀で書かれている。
「斉藤……お前、わざとか」
小夜子が毅然とした態度で背筋を伸ばした。
「サクラさんはある日突然、何の事情も分からないまま5歳という幼さで、祖国から連れ出され、異国の地で頼りの母から無理やり引き剝がされたのです。そして言葉もわからないまま見よう見まねで働き、挙句の果てに空襲で命を落としてしまいました。ジャワ国の王女がですよ? どれほど寂しく辛く悲しかったことでしょう。たった50億ドルで償いの一端になるなら安いものです」
「そんな……そんなバカな……」
山本の手から契約書がはらりと落ちた。
それを拾った民族衣装の男が、砂ぼこりをパンパンと叩いて鞄に戻す。
ブディがゆっくりと戻ってきた。
「日本大使館には連絡しましたが、南ジャカルタ市からですから、すぐには来られないと言っています。どうしますか?」
信一郎がゆっくりと顔を上げた。
「このままホテルに戻ります。お手数をおかけしました。後はこちらでやりますので、大使館には来なくて良いと伝えてください」
山中が手を貸してやり、信一郎はなんとか立ち上がった。
「父さん、帰ろう」
小夜子が動き出すと、控えていた男たちが小夜子の行く手に白い花を撒いた。
その上を何の躊躇もなく歩む小夜子。
小夜子の纏うピンクのクバヤの裾に、白い花弁が舞い上がり、さながら花の精のようだ。
ブディが恭しくリムジンのドアを開ける。
その後ろには従者の男たちと共に跪く民族衣装の男の姿もあった。
8
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
スノードームの祈り
天継 理恵
ミステリー
雪に包まれた富良野のリゾートホテルで、ひとりの男が転落死した。
命を落としたのは、ネット発のピアニストを世に送り出した自称プロデューサー・石黒智哉。
犯人とされたのは、彼に見出された孤高のピアニスト・白峯あかりだった。
——彼女はなぜ、彼を殺めたのか。
警部・南雲は、部下の夏目と共に、彼女が奏でるレクイエムに耳を傾ける。
その旋律は、弔いか、贖罪か、それとも——。
心を静かに積もらせる、冬の静謐な心理ミステリー。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
後宮の死体は語りかける
炭田おと
恋愛
辺境の小部族である嶺依(りょうい)は、偶然参内したときに、元康帝(げんこうてい)の謎かけを解いたことで、元康帝と、皇子俊煕(しゅんき)から目をかけられるようになる。
その後、後宮の宮殿の壁から、死体が発見されたので、嶺依と俊煕は協力して、女性がなぜ殺されたのか、調査をはじめる。
壁に埋められた女性は、何者なのか。
二人はそれを探るため、妃嬪達の闇に踏み込んでいく。
55話で完結します。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる