勇者のその後~地球に帰れなくなったので自分の為に異世界を住み良くしました~

十一屋 翠

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第135話 勇者、ババァと結婚する?

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「またお会いしましょうねぇ~旦那様ぁ~」

 極彩色のババァが去った後、俺は力尽きていた。
 物理的にではなく、精神的にだ。物理的に力尽きていたら色々とマズイ。

 ババァことユキ姫ことやっぱりババァとしか言い様のないというか寧ろ妖怪と言った方がしっくりするアレは、俺の事を旦那様と言ってまとわりついてきた。
 そして俺との結婚の日取りや二人の将来の事や子供は何人欲しいかなどを勝手かつ一方的に話し、実に数時間もの時間を浪費した後ようやく満足して帰っていった。

「……ゴフゥ」

 心の底から疲れた、そして疲れた。

「お疲れ様ですトウヤさん」

 嵐の様なパステルババァが去った事で、部屋の隅で物言わぬ彫像の様に待機していたクロワさんが俺を労う為に寄り添って来る。
 力尽きた俺は無言でクロワさんのたわわな双丘に顔をうずめ、そのままハムスターが砂浴びをするかの様に柔らかな姉妹丘を堪能する。
 
「あ、あの、トウヤさん?」

 俺に抱き着かれたクロワさんが困惑した声をあげる。
 だが俺にはそれに答えを返す気力もないのだ。

「やらせておくが良いでしょう。あのお方に関わったのみならず、あのお方の伴侶となるこれからを考えればひと時であろうと心の安らぎは必須。今は心行くまでその柔らかそうな胸に癒されるが良い勇者殿」

 ほんとねー、もーねー、たまんねーよ。
 キュウさんじゃねーけど、クロワさんのたわわに癒されなきゃやってらんねーですよ。

「もふー、もふーん」

 ああ、意味のある言葉を喋るのもおっくうだ。

「……えーっと、その……よしよし」

 色々な事を諦めたクロワさんが俺の頭が抱える様に抱きしめ、優しくなでてくれる。
 ああ、癒されるなぁ。
 俺はそのままクロワさんに頭を撫でられ続け、心ゆくまで癒されるのであった。

 ◆

「もう大丈夫かな?」

 こっちが立ち直るのを待っていたキュウさんは、俺がクロワさんの胸から顔をあげた事を確認してから声をかけてくる。

「あー、まぁ一応」

 完全に復活した訳ではないが、それでも会話が出来る程度には心が落ち着いた。

「それは何より。所で何か聞きたい事はあるかね?」

 聞きたい事どころか聞きたい事だらけだわ。

「まず最初に聞きたいのは他に皇族は……」

「おらんぞ。あの方が国内で唯一生き残った女性皇族だ」

 まじか……、マジかぁ……。

「先ほども言ったが、神剣を抜いた者を新たなミカドにするという決定は覆らん。そして新たなミカドに皇族の血が流れていない以上、残された唯一の皇族であるユキ姫と夫婦になってもらうより他ない」

「辞退します!」

 当然だ! 何が悲しゅうて72歳のババァと結婚せにゃならんのだ! 俺にはエアリア達が居るし、新しい恋人だか嫁さんと無理やり結婚させられる謂れは無い!

「気持ちは分かるのだがな、ああ凄く良く分かるのだがな……」

 キュウさんは苦虫を噛み潰したような顔で俺の心情に賛同してくる。

「だったら何で俺が……!」

 と、憤った俺にクロワさんの手が触れる。

「必要なのです、エリクサーを作る為の霊水を手に入れる為に」

「それはどういう?」

「詳しく説明しよう。確かにわが国には勇者殿が求める霊水を採取する事の出来る霊域が存在する。だがそこは只人が入る事を許されない神域なのだ」

 つまりこれはアレですか?

「神域に入る事が出来るのは皇族のみ。つまり霊域に入れるのは神剣を抜いてミカドになった者か皇族のみなのだ」

 ん? それってつまり……

「あのバ……姫に霊水を持ってきて貰う事は出来ないのか?」

 そうだよ、皇族なら誰でも入れるのなら、別に俺がミカドになる必要も結婚する必要も無いだろうが。

「それはだな……」

 キュウさんが溜息を吐く。

「ユキ姫様が神剣を抜いた勇者殿を婿に迎え入れる気満々だからだ」

 ちょっと待って、意味わかんない。

「あのお方は御年72歳にして未婚だ、未婚なのだ」

 何故二回繰り返した。

「色々あって婚期を逃されてな、その後も色々あって婚期を逃され続けたのだ」

 もしかして婚約者達に逃げられ続けた……とか?

「そして国内を騒がせた内乱が終わり、つい先日72歳の誕生日を迎えられた」

 その情報はいらなかった。

「でだ、姫もさすがにこの歳になって結婚はもう無理だろうと半ば諦められていらっしゃったのだがな、偶然失われた神剣が帝国の姫より返還されたとの話を耳にされた訳だ」

 まぁそこまでは良い。

「そして返還されるまで神剣を所有していた勇者殿にソレを抜く事が出来たとの話も一緒に耳にされてな」

「……」

 俺は無言でクロワさんの方を見る。

「……ごめんなさい」

 クロワさんは申し訳なさそうに身を縮こませ、小さな声で俺に謝罪してきた。

「……ふ、ふふ、ふははは……」

 もうね、笑うしかないわ。
 だってここでクロワさんに何故教えたんだって怒る訳にもいかないじゃん。
 そもそもそれがこんな事態を引き起こすなんて誰にも思いつかなかっただろう事は間違いない訳だし。
 クロワさんは悪くない。それは分かっている。
 分かっているからこそこの憤りをどこにぶつければ良いか分からなくて困っているのだ。
 だってババァと結婚だよ!? 罰ゲームってレベルじゃねぇよ!

「勇者殿が神剣を引き抜き、そして神剣を抜いた者を新たなミカドにするという決定をしてしまった事でユキ姫様の中で失われていた結婚願望が再び燃え上がった」

 燃え上がるな!

「ユキ姫様は我々諸侯の会議の場に現れ、こう仰られた。新たなミカドとなる方が国を治めるには皇族の血が必要であると。新たなミカドが長年国を治めて来た皇族の一員となる事こそ、長き戦で疲れ荒れ果てた民の心を迅速に纏めあげる為の協力な後ろ盾になるであろうと」

 言わんとする事は分かる。
 過去の地球でも王位の簒奪者達はその後の支配を容易にする為に、かつての支配者の血を婚姻によって取り込む事が多かったからだ。
 だがあのババァは、それを自分が結婚したいが為に利用しやがったというのだ。

「我々も最初は生き残った王族と資格者を結婚させれば良いと考え、皇族の後ろ盾を得る事が出来ると歓迎した。だが、国内を安定させる為の作業と共に生き残った皇族が居ないか調べた所、生き残った女性の皇族がユキ姫只一人である事が判明したのだ!」

 さ、先に調べろぉぉぉぉぉぉ!! お前等の所為で俺はババァと結婚させられるかもしれないんだぞぉぉぉぉ!!
 俺は叫び出しそうになるのを堪えてキュウさんに問いかける。

「生き残った女性の皇族はって言ってたけど、男の皇族はどうなんです? 一人もいないって事はないでしょう?」

「うむ……男の皇族は居るには居る。だが一人は相当高齢でもう一人は幼すぎてな、どちらをミカドとして擁立しても問題が発生するのは目に見えていたのだ」

 ああ、爺さんの方はいつ死ぬか分からないし、子供の方は傀儡政権になるのが目に見ているって訳ね。そんで誰が後見人の座を勝ち取るかの権力争いをしてたらお隣の帝国に致命的な隙を見せる事になるから、神剣を抜いた資格者を擁立する事にした訳だ。分かったよ、理由は分かったよ!

「加えて言うならば、女のミカドは前例が無いのでな。仮に女のミカドが擁立されたとして、いざ帝国や他の侵略者と戦いになった時に旗印として御輿に乗せる事が出来るかという問題もある」

 国内情勢が不安定な現状では、前例に無い事はしたくないって訳か。
 何時の時代もしきたりを大切にする連中はいるからな。

「その場合、異国の人間である俺がミカドになる事を受け入れて貰えるんですか?」

 前例がないという意味では俺も同じだろう。
 そこんとこはどうなのよ?

「それは問題ない。神剣によって王権を確立した事が我が国の始まりだからな。そういう意味では勇者殿がミカドになる事に反対する者はおらぬ」

 となると、問題はあのババァだけって事か。
 くそっ、あのババァが余計な事を言いださなければこんな事にはならなかったものを。

「そのですね、とりあえず霊水だけでもバ、姫に汲んでもらってくる事は出来ないんですか? 結婚とは別に」

 だがキュウさんは首を横に振る。

「無理だろうな。あの方は結婚こそできなかったが、察しが悪いわけではない。このタイミングで我々が霊水を組んできて欲しいと頼めば、間違いなくソレが勇者殿に関係する何かだと気付くだろう。そうなれば勇者殿と夫婦になる為に、意地でも自分で組む事を拒否するだろう。わらわと夫婦になった旦那様が組むのが筋であろうとか言ってな」

 くそっ、ただのババァじゃなくて小狡いババァだったか。
 万事休す、このままではホントにババァと結婚しないといけなくなる。

「せめて他の皇族の姫が生き残っておればな……」

 ぼつりと、キュウさんが愚痴ともいえない言葉をこぼしたその時、

『リィン』

 鈴の様な音が響き渡った。

「何だ?」

 音を聞いたのは俺だけではなかったみたいだ。
 キュウさんやカンゾウさんも周囲を見回している。

「お館様」

 カンゾウさんがキュウさんに目くばせすると、キュウさんも頷いて後ろの襖を開ける。
 キュウさんが開けた襖の向こう、そこにあったのは小さな祭壇だった。
 白い紙製の飾りが付けられた細い紐に周囲を囲まれ、蝋燭が灯りとして灯されているソレは、なんとも神秘的な空気を醸し出している。

「キュウさん、それは?」

 俺が問いかけると、キュウさんは祭壇を囲う紐をくぐって中へと入っていく。
 そして祭壇の扉を開けると、その中から見覚えのある一本の剣を取り出した。

「それは……」

 見覚えがあるのも当然だ。それをこの国にもたらしたのは俺とクロワさんなのだから。

「いかにも、勇者殿が再び我が国にもたらしてくれた神剣『ミカガミノツルギ』だ」

 やっぱり。

「けど、先ほどの音とこの剣に何か関係があるんですか?」

 さっきの音はなんというかものすごく心に響く音だった。
 何かを伝えがっているみたいな。

『その通りです我が主よ』

 凛とした声が、俺の脳裏に響く。

「これは!?」

 肉声による声じゃない。通話魔法の様な脳裏に直接伝える音だ。

『その通り、わたくしです』

「おわぁ!?」

 と、突然神剣を持っていたキュウさんが悲鳴をあげる。
 いや当然だろう。誰だってこの光景を見たら悲鳴を上げるのは当然だ。

 突然キュウさんが手にしていた神剣が鞘から滑る様にその刀身を晒し、更に白く細い腕がそこから生えてきたのだ。
 驚いたキュウさんが思わず神剣を手放すと、落下した神剣は刀身から生えた腕で大地に着地して俺めがけて向かってきたではないか。
 怖い! 超怖い!
 あまりの事に思わず後ずさりしてしまった俺だったが、そこに怒りの気配が湧き上がった事で意識がそれる。

『そうはさせません!』

 突如俺の腰に佩かれていた鞘から剣が飛び出し、腕の生えた真剣に向かって飛んで行く。
 その刀身から足を生やしながら。
 そう、聖剣フェルクシオンだ。

『たりゃあ!!』

 足の生えたフェルクシオンが神剣に飛び蹴りを喰らわす。
 だが神剣は華麗なサイドステップでフェルクシオンの攻撃を回避すると、片腕を軸にして半回転しながらフェルクシオンの握り手を掴んで放り投げる。

『うきゃあ!?』

 あわれフェルクシオンは屋敷の柱に突き刺さってしまった。
 そしてフェルクシオンとの戦いに勝利した神剣が腕のみならず足も生やして俺に飛び掛かって来る。
 うん、これからどうなるか分かっては居るんだが、分かっていてもこの光景はとてもキモい。

『お久しぶりですわ主様!』

 そう叫びながら、美しい黒髪の少女が飛び込んでくる。
 白魚の様な白い肌をさらしながら、かつて神剣ミカガミノツルギであった全裸の美少女が俺の胸に飛び込んで来たのだった。

「せめて順番に生えなければなぁ……」

 再びトラウマモノの光景を見せられた俺は、とても腕の中の柔らかさを楽しむ事は出来ないのだった。
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