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シフォンケーキ
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僕の誕生日ケーキは、母が作ったシフォンケーキだった。
母は製菓学校を卒業し、小さなケーキ屋で働いた経験があるが、僕はシフォンケーキしか食べたことがない。
多分、母の得意なケーキはシフォンケーキだったのだろう。
そんなことを思い出しながら、バスの中でシフォンケーキを食べた。前日のバイト終わりに、期限が切れかけのシフォンケーキを店長が分けてくれたのだ。
僕は思い出にひたりながら、病院へ向かった。
今日も病院を訪れる客は少ない。
以前、混んだ病院を経験したことがないという話を、花田にしたことがある。
「ありえない」
そう話す花田に対して、僕は自慢げに口角を上げた。
なんの自慢にもならないと、今なら思う。
医師との話はシンプルだった。
治療をするか、しないか
「君は奇跡的に若いんだ。治療は可能性を持っている。」
この若さで、何も誇れるものがないことも奇跡だ、なんてことを頭に浮かべながら話を聞いた。
僕が生きる理由はなんだろう。
大した生きがいもないし、花田みたいな目標もない。
治療すればたしかに治るかもしれないけど、お金がかかる
今の僕は、何が優先なのかわからない
結局、結論は出なかった。
「来週までに、考えてきてください」
来週は、9月8日、僕の27歳の誕生日だ。
母のシフォンケーキが食べたくなった。
母は製菓学校を卒業し、小さなケーキ屋で働いた経験があるが、僕はシフォンケーキしか食べたことがない。
多分、母の得意なケーキはシフォンケーキだったのだろう。
そんなことを思い出しながら、バスの中でシフォンケーキを食べた。前日のバイト終わりに、期限が切れかけのシフォンケーキを店長が分けてくれたのだ。
僕は思い出にひたりながら、病院へ向かった。
今日も病院を訪れる客は少ない。
以前、混んだ病院を経験したことがないという話を、花田にしたことがある。
「ありえない」
そう話す花田に対して、僕は自慢げに口角を上げた。
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母のシフォンケーキが食べたくなった。
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