アッサムCTCが切れるころ

チャッピ

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いちごパフェ

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15時、僕はチャイが飲みたくなる。
この黄色いカフェで、週3回チャイを頼んでいる僕にとって、15時という時間のバイトは苦痛だった。

朝、昼は忙しいから、15時にバイトに出ることにしたが、まさか私欲がバイトの邪魔をするとは、、僕はなんてわがままなんだろう。

この時間の客層は、パフェをよく注文する。
20分ほど前に入って来た子供連れの客も、5分前に入ってきた年配の女性もパフェを頼んだ。
店内には、いちごパフェを頼んだこの2組のみで、いちごの香りが店内に微かに漂っていた。

「いちご僕にちょーだい」

幼稚園児位の子供が叫んだ。どうやら母親がいちごを食べようとしたらしい。
子供と言えど、叫ばれては困る。客が他に一人しかいないといえど、その1人が不快な思いをしては困る。
子供だからしょうがないと思える心の広い客ならいいがと、もう1組の客の様子を伺った。

僕は目を疑った。
彼女は、大粒の涙を流しながらパフェを食べていた。

なぜ彼女は泣いているのか。
大きな声に驚いたのだろうか。
パフェが泣くほど美味しかったのだろうか。
どの理由もしっくりとしない。
しかし彼女は明らかに、目の前の子供を見ている。
僕は頭をなやませた。

彼女のパフェが半分近くになったところで、
店長が小さなコップに入った、小さなパフェを彼女の席の前に置いた。

「お代はいりませんので。」

彼女は目をおさえて、またなみだを流した。

今までにない気持ちに包まれた。みぞおちの上が重くなり、体の内部にのめり込んでいくようだった。

僕は自分の気持ちに驚いている。
僕は今、自分の身体のことだけを考えるべきなのに、、

僕の人生を生きている以上、僕が主人公だし、他人の気持ちが僕の人生に介入することはないはずだった。


「あなた、ここに座って、これを食べてくれない?」

僕は、店長と目を合わせた後、席に座った。

彼女の涙は止まる気配を見せなかったが、彼女の顔にはえくぼが見え、優しい目で僕を見る。
僕はパフェを口に運んだ。

「もしあの子があなたくらいの年になっていれば、きっと野球選手だわ」

と呟いた声が、やけにしっかりと耳に届いた。

27年間、こんな感情に包まれたことはない。
悲しい気持ちでもなく、嬉しい気持ちでもない。自分のことでないのに、目の前の人の気持ちを、自分にきざむことができている。

僕はこの仕事を通して、ここで出会う人を通して、生まれて初めて、人としての成長を感じた。

僕は、この仕事をやめてはいけない。

そう思いながらもう一口、パフェを口にした。
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