アッサムCTCが切れるころ

チャッピ

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アイスチャイ

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「2024年のパリオリンピック、もう2年後かー、行きたいよなー」

花田がスマホを見ながら話している。

マフラーと手袋とニット帽を被っている花田を見て、都内はそこまで寒くないと心の中で呟いた。花田は寒がりなのだ。

「室内だろ、マフラーとか取りなよ」

僕は笑いながらいった。

「ほら、寒い冬には冷たい飲み物」

花田は僕の話をスルーして、コンビニのビニールブクロからアイスチャイを取りだした。寒がりのくせに、花田が飲むものは年がら年中冷たい。

液体は冷たくないといけないと、以前話していたのを思い出した。

「これ飲んで、治療頑張れや」

僕は今、病院のベットの上にいる。

あのアッサムCTCが切れる頃、僕はどうなっているのだろう。

冷たいチャイを口に含んで、僕は処方箋に手を伸ばした。
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