クロヴァンの探偵日記

高松 津狼

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第二章 東の市場編

第15話 事件発生

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zzz…


女性A「きゃー!?」

突然、静けさを破って悲鳴が聞こえた。
私はそれにびっくりして飛び起きた。
窓の外はまだ暗い。恐らく真夜中だと思われるのだが一体なにがあったと言うのだ。
上からドタドタと足音が聞こえる。

男性A「おいおい人が死んでるぞ!」

男性の声が聞こえる。
というより、人が死んでいる?一体いつの間に。
叫び声の位置からして、階は一つ上だろう。部屋はいくつだろうか。
私は部屋にある、灯ったロウソクをランタンにうつして灯りを得た。
部屋の構図を少し確認した。
もしかすると、上の階の部屋の構図の参考になるかもしれないからだ。

ベッドの位置、テーブルの場所、花瓶の置かれている位置。
全て確認した後に私は部屋を出た。

階段を使って、一つ上の階である3階へ上がった。
3階にあがると、複数の人が廊下に立っていた。
その場所を確認すると、ちょうど私の部屋の真上であったことがわかった。
事件が起きたのはどうやら304号室。周囲には駆けつけた人と、どうやら発見した女性がパニックを起こしている様子がわかった。

私は詳しい状況を聞こうと近くに駆けつけていた人に話を聞こうと、近くにいた男性へ話しかけようとしたその時...

???「そこの君?もしかして探偵さん?」

突然背後から恰幅の良い男性が話かけてきた。

私「え?あ、まぁ。」

私はそう返した。

クラジュ・リウ「私はこの館の支配人を努めている、クラジュ・リウだ。少し急なお願いだと思うんだけど、この事件の調査をお願い出来るかな。」

この館の支配人を名乗る男性は突然、私に事件の解決を依頼をしてきた。
これは...少し予想外な展開だけど。興味があるので引き受けてみよう。
私はあまり迷わずに

私「わかりました。引き受けますね。」

と言った。

クラジュ・リウ「ありがとう。」
支配人の男性は私の即答具合に満足したのか、少し笑顔になり私にお礼を言った。

クラジュ・リウ「お代は10000ペルくらいでいいかい?」

10000ペルを平気で出せるなんてなんて裕福なんだ...
というか、そんな大金じゃなくていいのに。

私「え。いや2000ペルくらいで大丈夫ですよ!」

私は大金にびっくりして少しよろめいた。

クラジュ・リウ「そうかい?じゃあ1万2000ペルにするね。せっかくこの館に来てくれたんだ。夜遅くに目を覚ませて嫌な思いをさせてしまって申し訳ない。私からのお詫びだ。どうか1万ペルを受け取ってほしい。」

私は館の支配人の返事に少し戸惑ったが、遠慮する様子をしながらも1万2000ペルを私は受け取ってしまった。

クラジュ・リウ「明日の朝。明日の朝までに解決してくれると嬉しい。僕はこれから外にでかけてしまうからね。」

男性はそう言うと、階段の方向へ帰っていった。
いや...よくよく考えると、これ夜逃げしようとしてるのか!?
もしかして、私受けちゃいけない仕事やってない?
大丈夫かなぁコレ...

というか、明日の朝!? 
残り6時間ほどだろうか。
少し興味本位でここへ来たのだけど、1万2000ペルをなにもしないままもらって帰るわけにもいかないし...
仕方ない、ここは私の得意な状況整理を以て解決してみよう...

続く...

=次回は、市場の宿の殺人事件 I です。楽しみにしてください =
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