クロヴァンの探偵日記

高松 津狼

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第三章 オソレカラス山編

第27話 オソレカラス山への登山 Ⅰ

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私はローンさんにお礼を言って、再びメラさんの家に戻りチャンパカに衣服が揃ったことを伝えた。

私はバックパックに荷物を積むために部屋のスミに置いていた自分の荷物を持ってきた。

チャンパカ「それじゃあ、それをバックパックにつめて今日はしっかりと体調を整えようか。」
私「明日出発するんだよね?」
チャンパカ「そうだね。明日になるかな。」
私「どうやって暇つぶししよー。」
チャンパカ「そう言えば、ダナスさんが貯めた本とかがあるけど、そのなかに小説があった気がする。」
私「小説って?」
チャンパカ「よくある児童書とか、普通の教養本とかその辺。」
私「へー。メラさんは、そういうのも集めてるんだね。」
チャンパカ「そりゃ~、今となっては化石だからね。」
私「化石?」
チャンパカ「そう、化石。外の世界だと本すら読めない人が大半を占めてて、本を作る人もいないんだよね。」
私「へーそうなんだ。」

外の世界って、どんな世界のことなんだろうと私は思いつつも、余り興味がなかったので、話題を変えた。

私「ところでさ、モノリスって誰一人到達したことがないって言ってたけど、本当なの?」
チャンパカ「少なくとも俺はそう聞いてるけどね。」
私「なんか小さい頃の記憶なんだけど...」
私「お母さんに連れていって貰った記憶があるような気がしなくもないんだよね。」

私は頭のなかで微かに過る記憶があった。
その昔、母と共に遺跡のような場所に連れていって貰った気がするのだ。

チャンパカ「そんなはずは...」
チャンパカ「モノリスには少なくともアクセスした痕跡がないから、それはあり得ない話なんだけどな。」
私「あくせす?」
チャンパカ「あー...えーと誰も踏み入れたことがないってことだよ。」
私「あー。そういうことか。だとしたら私の記憶はなんの記憶だったんだろう。」
チャンパカ「似たような場所のなにかだったんじゃないかな?」
私「まぁどこもかしこもレンガ造りだし、違いもよくわからないから私の勘違いかも。記憶もあやふやだしね。」

記憶違いかもしれない。
私は物覚えはいい方だが、結構な頻度で記憶をねじ曲げる傾向がある。
だから、他人とこういう昔の話をするときは、少し慎重にならなきゃいけないのである。

私「あれっ、突然めまいが。」

私は突然めまいがして、視界が徐々に黒くなっていくのを見た。

チャンパカ「おい。大丈夫かクロヴァン!大丈夫か!」

私「ん...」

段々視界が真っ黒になっていく、なんか眠い。
なんだ...最近体の調子が悪くなりすぎじゃないか...?
あの依頼を受けてからこの類の話をすると、すぐに具合が悪くなる気がする。
一体なんでだ...?
ダメだ、あの夢を見た時みたいにまたここで眠ってしまう。

バタン。
その瞬間に私の意識はプツンと切れた。

—-夢の中----

母「スマウ スマウ。」
小さな時の私「なぁに。お母さん。」
母「ここはね。ご先祖様が一生懸命作ったお墓なのよ。」
小さな時の私「おはか?でもきれいだよ?」

またこの奇妙な夢だ...
この夢はきっと私の子供の頃が、第三者視点で見えてる夢。
多分またどこかに小さな頃の私が...

って、こんな場所知らない...こんなところお母さんと行ったっけ?
遺跡みたいな大きな空間...立派な砂岩レンガで作られた壁。
こんなに綺麗に掘削できてるのに雰囲気はとっても古い...
それに部屋の真ん中に謎の石像が見えてるけど...一体なんだろう?

部屋の真ん中にお母さんがいる...ってことはあそこで抱っこされてるのが小さい頃の私か。

母「あの石像に触れるとね、ご先祖様の見た世界が見れるんだって。」
小さな時の私「ごせんぞさま?」
母「そう...私たちが生まれる前の世界。」
母「お母さんよりもずっとずっとずーっと前の世界が見えるのよ。」
小さな時の私「へ~。」
母「お母さんのことよく見てて」

なんだ...私の母が石像へ向かっていく。
一体なにを...
石像に手形がある...そこに手を置くのか?

小さな時の私「お母さん...手が震えてるよ?」
母「大丈夫。ちょっと痙攣してただけだから。」
母「それじゃあいくよ?」

母が石像の手形に触れた瞬間、あたり一面が真っ白になった。

—---

私「どういうこと!?」

私はそう言って起きた時には、もう朝になっていた。
というか気を失っていたはず。
でもベットで寝てるんだけど?
どういうことだ???

チャンパカ「あぁ...よかったよ。急に倒れるもんだから心配した。」
私「あー...ごめんね。その...心配かけちゃって。」
チャンパカ「その...大丈夫か?オソレカラス山まで登れそう?」
私「あー...うん。大丈夫だよ。」
チャンパカ「ひどく夢に魘されていたみたいだからさ。少し心配になって。」
私「え?うそっ。私そんなに魘されてた?」
チャンパカ「うぅ..とか痛そうな声をなんども上げてたけど。」
私「そ、そう。ごめん。心配かけちゃって。」
私「で、でも本当に今日は大丈夫だから。行こう。オソレカチャンパカ「オッケー。それじゃあ準備が出来たらそこにあるバックパックを持って、外へでかけよう。僕は部屋の外で待ってるから...準備出来たら教えて。」
私「はーい。」

私はチャンパカの会話を終えると身支度を済ませて合流した。


チャンパカ「それじゃあ、オソレカラス山に行こうか。」
私「うん。」

私とチャンパカは村人に別れの挨拶を告げるとオソレカラス山に続く道へ出た。

オソレカラス山はこの辺で一番高い山で、死ぬ人も度々出ると噂だ。この時期だと頂上は雪で覆われているはずだから、滑落する危険性もある。
にしても、ここまで危険な山なのに、その頂上には遺跡が隠されてるのは本当なのだろうか。

私とチャンパカは蔦が覆っている山道をチャンパカと共に進んでいった。
やはり山道だからだろうか、小鳥のさえずり声も聴こえるし、近くを流れているであろう川のせせらぎ声も聴こえてきた。朝から爽やかな気分だ。

でもこのオソレカラス山は、名前の通り周辺にはカラスが出現して、そのカラスを見た者は不吉な未来が訪れると言われている...

って、そういえば私、この間カラスをみたような気がするけど...
まぁ気のせいだよね。
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