クロヴァンの探偵日記

高松 津狼

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第三章 オソレカラス山編

第28話 オソレカラス山への登山 Ⅱ

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チャンパカ「ここから先は...非常に危険だよ。巡回兵が隠れ潜んでるかもしれない。」
私「うん...」
私「へ?」

え?なに?どういうこと?
巡回兵がこんな山奥にいるの!?これ見つかったら逃げられないじゃん!どうするの!?

よく目を凝らしてみると、森の奥の方に確かに人影らしきものがあることがわかる。
でもこれくらいの距離で巡回兵が見回ってるなら別に彼らの監視から外れた範囲で行動できるかもしれない。

チャンパカ「巡回兵が見えない...このまま慎重にしゃがんで行くぞ...」
私「へ...? 巡回兵は奥にいるよ?ほら、見えない?」
チャンパカ「ん?奥にいる...?」
私「ほら、この先の突き当りの場所。」
チャンパカ「突き当り?そんな場所見えないが?」

あれ...?見えてる世界が違うのかな?そんなまさか。
だってチャンパカは隣にいるし...ヒョウタン人が視覚を操作しているってこともないだろうしなぁ。

チャンパカ「でもクロヴァンが嘘をつくとは思えない。もしかして、目がいいのかクロヴァンは?」
私「へ?」

そんなことあるのかなぁ?あんまり意識したことはないけど...
1キロくらい先の人だったら鮮明に顔まで覚えられる気はするけど、これってむしろ目が悪いほうなんじゃ...
でも、よくよく考えると小さい頃よく友達との会話でそんなこと言われたような気がしなくもない。

チャンパカ「もしかして、さっき山に登る時に山の頂上とか見えてたりしなかった?」
私「え?...流石に霧がかかっててよく見えなかったよ?。」
チャンパカ「そっか...」

チャンパカ「とりあえず...今は巡回兵のいるこの場所を切り抜けよう。」
チャンパカ「おそらくこれは、ヒョウタン人がこのオソレカラス山に登ろうとする緑樹人を捕獲するために作ったエリア。」
チャンパカ「だから気を抜いた瞬間に襲われると思った方がいい。」

私「分かった。」

チャンパカ「それとさっき突き当りがあるって行ったけど、その近くまでは案内してほしい。」
私「え?でも..さっき巡回兵が見えたけど?」
チャンパカ「今はそれでいい。」
チャンパカ「この道の左脇にある茂みに隠れながら進もう。」
私「わ...わかった。」

なんか話半ば強引に進められたような気がするけれど...
まぁ今はそんな長話してる暇もないだろうし、今は気にしないでおこう。

私とチャンパカは道の左脇にある丈の長い茂みに身を隠し、私の言った突き当りの場所まで進むことになった。

—-茂みの中----

茂みの中は、林の中よりも更にくらい。周りの景色も段々と見える範囲が小さくなってきている。ところどろこ陽の光が全く当たってなくて見えない場所すらある。
近くに沢か小川でもあるのだろうか、せせらぎの音がする。
小鳥も鳴いている。こんなに自然豊かな場所が近くにあったとは...驚きものである。

ー   ククク...キキキ... ー
可愛らしい動物の鳴き声が聞こえた。
この鳴き声はリスだろうか?

シャシャシャシャ...
なにかが素早く近づいてくる音がする。
草木が揺れている場所に目を向けるとそこには...

>> リスがいた <<

私「可愛い!すごく可愛い!」
このすごく重い荷物のことを忘れてしまうような幸せを感じる。
可愛すぎて...お持ち帰りして飼いたい...

チャンパカ「リスか...この辺でもでるものなんだな...」
私「ねぇこのリス持ち帰っていいかな?」
チャンパカ「やめておいたほうがいいぞ。病気になっても知らないぞ?」
私「えー。じゃあナデナデだけさせて...」
チャンパカ「しょーがないなー。少しの間だけだぞ。」

私「よーしよし。リスさん少し触らせてね...」

私がリスを触ろうとすると、それに怯えたリスが猛スピードで逃げて、茂みの向こう側へ行った。

私「あ。逃げちゃった。」
チャンパカ「リスも触られるのは余りすきじゃないんだろうな。」

私は少し寂しくなった。
もうちょっと遊びたかったのになぁ...
いやいや、そんなことをしてる場合ではない。
私達はオソレカラス山の頂上に登り、そこでモノリスを調査するためにここに来ているのだ。
この世界の謎が封印されているかもしれない有力な情報なんだ。もしかすると母の残した地図のこともなにかわかるかもしれない。

チャンパカ「そろそろいくぞ。リスはまた今度だ。」

私とチャンパカがまた態勢を整えて出発しようと思った時、それまでホッコリしていた雰囲気を吹き飛ばす出来事が起きた。

巡回兵「いたぞ!!あそこだ!」

チャンパカ「あのリス、トラップだったのかよ!?」
私「へ?嘘!?」

まずい...こんな重い荷物を持ってる状態で見つかってしまったら
私達逃げ切ること難しいんじゃ...

チャンパカ「仕方ない...不本意だがこれを使うしかないな...」

そう言ってチャンパカは、小さな玉のようなものをポケットから取り出して、それを遠くへ放り投げた。
ー ドゴーン ー
林の中に突如、轟音が鳴り響き、投げた先から煙が立ち上った。
爆発?...というかさっきのアレはなんだったんだろう。

巡回兵「あそこで仲間が呼んでいるぞ。みんな急いでかけつけろ!!」

チャンパカ「音を立てずに僕についてきて。」
私「うん。」

私はさっきの玉の正体がなんだったのか気になったが、今はそんな場合ではない。
私達は更に茂みの中を30分程度進み、ようやく突き当りが近くなってきた。

チャンパカ「ほんとだ。突き当りが見える。」
チャンパカ「君の目、僕の4倍くらいの距離が正確に見えるんだね。」
私「へ?」
チャンパカ「さっき言ってた突き当りの話。」
チャンパカ「少なくとも僕にはこの道の突き当りはさっき見えなかった。だから僕はどのくらいの距離から突き当りが見えるようになるのか、歩数の感覚で調べてたんだ。」
私「う....うん。」

なんか唐突で話が飲み込めないけど...
ようは私の目がどのくらい良いのかを歩数を使って調べてたのかな?

チャンパカ「僕も目はいい方だってよく言われるけれど、君はそれを遥かに上回る能力があるね。」
私「そ...そうなんだ。そんな能力が私に。」

ぶっちゃけそんなに意識したことがないし、そんなに役に立った印象はない。

チャンパカ「突き当りはどっちに曲がるべきなんだろう...」

なにを言ってるんだこの人。
あからさまに、右側も左側もトラップが仕掛けられてるじゃないか。
というか中には茂み側にバレバレのナイフが設置してあるし...
しかもなんだあの謎の機械。緑色の光線が出てる。モノリス?とかいうやつの技術を使った新しいトラップかなんかだろうか?むしろ調査したいまである。
いずれにせよ、結構ヒョウタン人も適当なんだな。

チャンパカ「どっちかが正解だとは思うんだけど...」

って、まだそんなことで悩んでたのかチャンパカは。
仕方ない...ここは私が言ってあげるか...

私「ん?右側も左側も大量にトラップがしかけられてるから、行きベきじゃないと思うよ。」
チャンパカ「へ?なんでそんなことわかるんだ?もしかしてそれも見えてるのか?」
私「へ?逆に見えないの?」
チャンパカ「突き当りの右や左の向こう側にあるものなんか見えないよ!」
私「はえ~。」
チャンパカ「よく分かってないのかもしれないけど!それ結構すごいことなんだよ!」
私「そっか。ちょっとうれしいかも。」

私は少し嬉しかった。母は力が人一倍強かったこともあって、非力な自分にちょっと自信がなかった。だけど、母にも負けない立派な能力があったみたいでよかった。

私「多分、この道の突き当り...確かに大きな茂みがあるけど、そこを少し右に行ったところを突っ切るのが正解な気がするんだ。」
チャンパカ「なんで...そう思った?」
私「これは私の感覚だけど、茂みの正面を突っ切るのが多分正解なんだと思うんだ。だけど、その正面にはヒョウタン人が多くいるはずだから、少し右に外れたところから出るのが正解なのかなって思ってね。」
私「私の憶測でしかないけどね。」

私は珍しく自分で意見を言った。ただの勘でしかないけど。

チャンパカ「なるほどね。確かにそうかもしれない。ヒョウタン人は要所要所で防衛する癖はあるけど、まともに巡回してるやつはいない。」
チャンパカ「何回かみかけたことあるだろう?酒場とかに行ってサボってる兵士とか」

確かにそんなやつもいた気がする。彼らはまともに自分の仕事をやってないのである。

チャンパカ「だとしたら、巡回している兵士は多くはないんだろうな。」
チャンパカ「まぁ危ない賭けではあるけど、今はそれが最善策だ。」
チャンパカ「それで今は行こう。」

私達は巡回兵の監視を突破する方法を決めると、即座に動いた。
突き当りの近くまで進み続けた。道にはあえて出ずに茂みの中で待機した。
私が左右の右に巡回兵がいないことを確認すると、茂みから道へ出て、急いで右に走った。
ある程度右に行って、今度は道の右脇の茂みを突破した。

私達はそこからも走り続けて、ヒョウタン人の監視をすり抜けて、林の外へ出た。

私「はぁー...長かった。とんでもないくらい走り続けたよ?」
チャンパカ「まぁ...休憩なしだったしね。お疲れ様。」

私達は気づけば山の中腹にまで至っていた。

カァー...カァー...
もう日が沈みはじめているのだろうか。不気味なカラスの鳴き声が空に響く。

 グゥ~...
お腹の音がすごいなった。なんでこんな音がなるのッ!
恥ずかしいじゃん!男の子がいるのに!

チャンパカ「ふふっ。お腹がすいたのか。」
チャンパカ「ここら辺は開けているし、今日はここでテントを張ってご飯にしようか!」
私「やったー!」

ご飯だ...!私はこの時間が楽しみなんだ!
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