始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第2章 リアーシュの町

9.魔女モルアーナ②

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昨日でファンタジー小説大賞投票期間が終了しましたね。
この小説に投票してくださった皆様ありがとうございました(*^^*)

───────────────────



えー、空気清浄魔道具をポチッと押して家の汚れや埃を綺麗にした所で、モルちゃんをお風呂へと連れてきました。



「さ、その着ている服や下着をこの洗濯魔道具に入れてください」



………。



脱いでと言ったのに、バンザイをしたまま一向に服を脱がない。



「モルちゃん、なんでバンザイ状態維持してて服を脱がないの?」



「私、脱げないからラフィリアちゃんが脱がして?」



……ここまで生活能力がないの?

え?

幼児並み、ですか??



「……半年前までは入っていたんですよね?」



「うん、入ってた~。

だけど~、私のお世話をしてくれてた人が年老いちゃって~、ぎっくり腰を患ってね~私をすーっごく心配しながらもやめちゃったの~」



なるほど…前の人はこうなることを危惧していたから、すごく心配していたんだろうねー……。

……やるしかないのよ、私。

……頑張れ、私!

自身を奮い立たせ汚れた服を掴んだ。



クチャ…



ヒィィィーッ!

ゾワッて全身に鳥肌がぁぁっ…!

私は、ふ、服を掴んだはずよね?

何でかなー、前世で作ったスライムの感触 がする……。

何でかなー、ふふふ…ふ。








ふぅー…無の境地、ですね。

何とか脱がせられました。

……若干、モルちゃんが私を見て怯えを見せますが何でしょうね?

私は一生懸命服を脱がせていただけだというのに…。



「あの、何で私を見て怯えているんですか?」



「い、いや~口はうーっすら笑みを浮かべていたのに~他の部分は〝無〟だったので~、ちょっと怖いとかなんて思ってませんよ~?



あれ~?

私、全部言っちゃった~??」



そうかー、無の境地になると私はそんな表情になっているのか…気を付けよう。



「じゃあ、モルちゃんお風呂入りましょうか」



「は、はいです!」



…おかしいな、普通に声をかけたのにダルーンとした魔女さまが、キビキビ動き出したよ。

んー、その内またダルーンってなるだろうし気にしないでおこう。

お風呂場に入っていく魔女さまに続き、リアもお風呂へと向かうのだった。








      *  *  *








はあぁぁぁー……。

やっと、終わった……お風呂が。

いったい何度洗ったかもう覚えてないやー……。



「うぅー……体はさっぱりして気持ちが良いけど、デッキブラシは流石に酷いのです~……」



私の後ろからグズグズ聞こえますが……すぐ直るでしょう。

もうすぐ夕飯なのですから。

今日だけは、ロド兄が作ってくれてます。

……私の疲れが、見るからに酷いので手を貸してくれました。

ありがとです。

アヴィですか?

疲れて動けずにいる私を抱っこしてます。



「あう~、酷い扱いな上に独り身な私にラブラブを見せつけるという当てつけまで~うえぇーん」



それだけの美貌があるのだから、普通にモテるだろうに……………面倒臭そうではあるけど。

……うん、夕飯までの我慢です。












「おいひー!

相変わらずロドクス・オルトゥムは料理上手~。


あぁ……半年ぶりのまともな料理……幸せ~」



うん、復活したね。

というか、ちゃんとした料理が半年ぶり……。



「モルちゃん、この半年間なにを食べてたの?」



「んー、そこら辺の草とか?」



「よく…今日まで生きてたね」



「えへへー虫さんになったつもりで食べていたので平気平気~」



そこはよく頑張ったねーって褒めるべき?

それとも残念な目で魔女さまを見るべき??



「さて、今日この子がお前さんの世話を少ししたわけだが……どうじゃ?」



あ、ロド兄触れずに流したね。

じゃあ、流すのが正解だったのか。



「うぇ?


う~ん………」



あ、悩んでる…。



「……ちなみに料理はわしと同等、もしくは以上だったりするが───」



「ラフィリアちゃんこれからもよろしく~」



変わり身が早いわー。

お料理と自身への扱いを天秤にかけてお料理が圧勝、と。

……扱いは確かに雑だったけど。

もう少し、優しく接するよう心掛けとこう。



「……うん、改めてよろしくね。

モルちゃん」








      *  *  *








『あの魔女やっと綺麗になったね』



『うん、あまり、の汚さ、と臭さ、で精霊、たちも、遠く、から、観察、してた』



『リア…途中…黒く…なっ…た…けど…しょ…うが…ない…よね』



『あはは!黒かったよね!

でも、あの脱衣所とお風呂場での光景は、見てる分にはすっごく面白かったよねー』



『本人…たちは…必死…だった…けど』



『映像、残し、てお、いた、から、精霊王、様に、見せ、る』



その後、精霊たちは映像を精霊王様に提出した。

結果、精霊王と秘書は笑いすぎて仕事にならず、翌日倍の量の仕事をこなすことになった。

今後、この映像は精霊界での娯楽映像としていつまでも流行ることととなる。

もちろんリア達には秘密です。



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